2024年04月四分 二つ名
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
探偵 :とりあえず一話で何かを解決してくれる者。
冥界の人形 :冥王からもらった人形。勇者のお気に入り。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
料理方 :勇者の定宿兼食堂の料理担当。
【春の草原】
「はっぴゃ!」
草原に芽吹いた若草をプニプニ勇者は嬉しそうにペシペシした。
「ぴゃー!」
そして楽しそうに走り始めた勇者を見て従者は思った。
(きっとこの後、転がるんだろうな)
従者の思った通り、春の草原を力いっぱいコロコロと転がる勇者だった。
「こよんよこん!」
【料理方 習慣】
「おはよー」
「昨日は遅かったんですか?」
「片付けが夜明けまで掛かってな」
料理方が昼を過ぎた頃に出てきた。
「昼飯は食べたか、勇者?」
「たぺた」
「なら甘いものでも食べるか?」
「たぺる」
勇者に何かを食べさせるのが料理の仕込み前の習慣になっている料理方だった。
【プニプニ減少】
「勇者様のプニプニが減少していませんか?」
「本当だわ」
案じる魔学者と考古学士の会話を聞き、従者がプニプニ勇者のご飯を持ってくる。
「きっとお腹が空いたんです」
「あぐあぐ」
「プニプニが戻っていくわ」
「良かった!」
お腹が空くとプニプニが少し減少する勇者だった。
【二つ名】
「“ご飯大好きプニプニ”は?」
「ごっはん!」
「“走り回るプニプニ”も良いのネ」
「はちる」
「何の話ですか?」
「勇者の二つ名だ」
「今は“プニプニの中のプニプニ”が有力なのヨ」
「ぷーぷー」
二つ名を考える新米剣士と道化師、そして意味も分からず参加するプニプニ勇者だった。
【探偵 不在】
「おやつの時間なのに勇者が不在なのが気になるかい?」
探偵は空席に視線を向ける。
「勇者はテーブルの下?カーテンの裏?布団の中?」
居そうな場所を列挙する。
「正解はおやつの前に手を洗いに行っただ」
「てって、きれー」
そしてプニプニ勇者とおやつを食べる探偵だった。
【水筒】
「勇者様、ジュースを入れた水筒ですよ」
「じゅーちゅ」
従者は小さな入れ物をプニプニ勇者に渡した。
「いつでもジュースが飲めますからね」
「じゅーちゅ」
「飲みたい時は言って下さいね」
「じゅーちゅ」
ジュースの部分しか分かっていないが、水筒をギュッとする勇者だった。
【冥界の人形 昼寝】
「ぬんぎょー」
プニプニ勇者がトコトコと食堂を走り回っていた。
「また人形さんが無いんですか?」
従者も一緒に探すが見つからない。
「ぬんぎょー」
「人形さん、どこでしょうね?」
その頃、木陰で風通しの良い場所で昼寝をする冥界の人形だった。
≪心地好い…スースー…≫
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