2020年04月参分 【ダンジョンで迷子の考古学士】
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
【人物紹介】
プニプニ勇者:勇者は二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
【ダンジョンで迷子の考古学士】
ダンジョン迷子センター:ダンジョンで迷った冒険者を助ける組織。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
錬金術師 :印象の薄いのが悩みのクエスト時では古参の冒険者。
【考古学士 耳は掴むもの】
浮遊石の細い橋は一人ずつしか渡れない。従者は考古学士にプニプニ勇者を託して先に渡ってもらう事にした。しかし勇者をおんぶした考古学士が待ったを掛ける。
「勇者ちゃんが耳を掴んでくるわ!」
「みっみ」
「すみません!耳は掴むものだと思っているんです」
結局そのまま渡った。
【考古学士 石扉の前】
「着いたわ」
考古学士は絵のような文字が刻まれた石扉の前でプニプニ勇者たちに告げる。扉の先には緊急脱出用の魔法陣があるはずだ。
「扉を開ける仕掛けを探して」
しかし調べても全く見つからなかった。何故なら、そこは分岐を間違えて進んだ別の場所だったのである。
「お?」
【考古学士 門を守る獣】
「ワンワン」
石扉に書かれた犬のような文字を指してプニプニ勇者がそう言うと、考古学士が、あれは門を守る獣なのだと教えてくれた。
「とっても怖いけど、甘いお菓子をあげると門を開けてくれるのよ」
「おかしゅ!」
そして何故かそこからおやつ休憩が始まってしまうのだった。
【考古学士 おやつ休憩】
おやつ休憩中、突然プニプニ勇者が泣き出した。聞くと犬が菓子を食べてしまったという。
「ワンワン、とっだー」
考古学士や従者は勇者をあやしながら犬を探したが見つからない。しかし菓子は確かに無くなっていた。
「不思議ねえ」
そしていつの間にか石扉は開いていたのだった。
【考古学士 気付いてた】
石扉の奥には古代文字が刻まれた石盤があった。考古学士は興奮しながら石盤を回収し、嬉しそうにジッと見つめていたが、急に緊張した顔でプニプニ勇者たちの方を振り返った。
「大変だわ!」
「どうしたんですか!?」
「ここ、緊急脱出用の魔法陣じゃない!」
「あ、はい…」
それは何となく気付いていたので、皆、さらりと流した。
【考古学士 探し物あるある】
プニプニ勇者たちは緊急脱出用の魔法陣に着いたが、起動にはダンジョン迷子センターとの交信が必要だった。しかし交信具は考古学士が無くして手段が無い。すると考古学士が言った。
「あ、鞄の中にあった」
「何がです?」
「交信具」
探し物あるある。落ち着いて探すと見つかる。
【考古学士 交信】
考古学士とダンジョン迷子センターの交信をプニプニ勇者は側で見つめる。
≪無事で良かった≫
「すみません」
「あー」
「緊急脱出用魔法陣の起動をお願いします」
「うー」
≪どの階層ですか?≫
「最下…あー!」
≪どうしました!?≫
「勇者ちゃん、交信具返してー」
取られた。
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まだ続きますので、次回もよろしくお願いします。




