2024年04月弐分 春の陽気
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
新米狩人 :冒険者になったばかりの若者。しっかり者。
冥界の人形 :冥王からもらった人形。勇者のお気に入り。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
プニプニ団 :プニプニ勇者をリーダーとする集まり。メンバーは従者、新米剣士、新米狩人。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
宿屋の夫妻 :勇者の定宿を営んでいる夫婦。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
猫姿の精霊 :宿屋の裏庭で勇者を守護してる。
猫たち :裏庭を集会所にしている街の猫。猫姿の精霊の眷属。
王 :ある国の王。偶に勇者が遊びにくる。
家臣 :王の家来。
闇帝 :闇の力を使う統治者。暗黒騎士の雇用主。
闇犬 :闇帝の飼い犬。偶にどうでもいい顔をする。
頬っぺたチェック~プニプニ勇者の頬っぺたと点検者の頬っぺたをくっつけて合格かどうかを判断する。
【心配】
「明日、勇者様が新人の冒険者さんたちに挨拶するんです」
従者がプニプニ勇者の事で宿屋のおかみに相談した。
「ちゃんとできるか心配で」
「てきる」
「一言だけでしょう?」
「ひとちゅ」
「眠くなったりお腹が空いたらどうしようと思って」
「おにゃか」
挨拶以前の問題だった。
【食事中】
「王、大変です!」
「食事中だぞ」
飛び込んできた家臣を王は窘める。
「ほら、勇者が気を取られてしまった」
「ぼーけん?」
プニプニ勇者は食べるのを止めて見ている。
「勇者、冒険の話ではないので食事を続けて下さい」
「ぼーけん?」
食事よりも冒険が気になる勇者だった。
【冥界の人形 散歩】
「勇者様、お散歩に行きましょう」
従者に声を掛けられるとプニプニ勇者はお昼寝場所に走っていった。
「眠いんですか?」
「ぬんぎょ」
「お人形さんも一緒なんですね」
≪勇者、私はここででゆっくり…≫
「おしゃんぽー」
≪あああ…≫
今日も勇者と散歩に行く冥界の人形だった。
【冥界の人形 一緒】
「ぬんぎょ、おやちゅ」
プニプニ勇者はおやつの時も冥界の人形と一緒だ。
「勇者はその人形が気に入ってるんだな」
新米剣士の言葉に従者が苦笑する。
「時々失くして探してるけどね」
≪少し休憩するか≫
「ぬんぎょ、どこー?」
冥界の人形が動く事をほとんどの者が知らない。
【プニプニ団 活動時間】
「ちゅんまいっち!」
「待たせたな、勇者!」
「やっと来た」
「早く出発しないと夕食に間に合わないよ」
「そうだった。夕食までにクエストを終わらせるぞ、勇者!」
「ぼーけん!」
プニプニ勇者、新米剣士、従者、新米狩人で構成するプニプニ団の活動時間は、基本夕食までである。
【闇帝 闇犬の散歩】
「勇者よ、闇犬が手に負えるかな?」
闇帝の傍らの闇犬はやる気がない。
「わんわ」
「散歩に連れて行けば良いんですか?」
「中々出たがらなくてな」
「勇者様、闇犬にお散歩行きましょうって」
「おしゃんぽ、わんわ」
ワウ。
プニプニ勇者の散歩には付き合ってくれる闇犬だった。
【元気の確認】
「ごーちゃん!」
プニプニ勇者は新米剣士に頬っぺたチェックをすると、次は新米狩人に頬っぺたをくっつけた。
「この前チェックしたばかりだよ、勇者?」
不思議そうな新米狩人を見て従者が思い付く。
「もしかして元気かどうか確認してるのかも?」
「なるほど」
「ごーちゃん!」
【猫の集会 春の陽気】
≪集会始めるぞ≫
猫姿の精霊が猫たちを集めると一匹が知らせにきた。
<せいれいさま、ゆうしゃがおひるねしてる>
「すーすー」
≪暖かくなってきたからな≫
<ぽかぽかー>
≪誰か従者を呼んで来ーい≫
春の陽気の裏庭でスヤスヤ眠るプニプニ勇者と猫たちだった。
「すーすー」
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