キャラ別総集編「新米剣士」
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
今回は「新米剣士」が出てくる話をまとめました。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
新米狩人 :冒険者になったばかりの若者。しっかり者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
冒険者ギルド:冒険者にクエストを紹介する組織。及びその建物。
『ダンジョン試験』
新米剣士は冒険者ギルドの主催するダンジョン試験を受ける。そこで出会ったプニプニ勇者と従者と共に試験に挑むのだった。
【01話 試験官】
「新米冒険者の諸君、ダンジョン試験を開始する。試験中はグループで行動し、試験官が審査する」
冒険者ギルドの説明後、新米剣士は近くのプニプニ勇者に気付いた。
「あのプニプニも受験者ですか?」
「勇者ちゃんは受験者じゃない」
(なら何だ?)
「試験官だ」
「ぴゃー」
「!」
【02話 不安】
「たんよん」
ダンジョン試験が行われ、プニプニ勇者は試験官で参加した。
「プニプニが試験官って大丈夫か?」
勇者のグループになった新米剣士は不安で従者に尋ねる。
「機嫌が良いのでグズらないと思います」
「そうじゃなくて」
「トイレも済んでます」
従者は笑顔で答えた。
【03話 己の甘さ】
「試験官といっても道案内するだけです」
「あんにゃい」
プニプニ勇者を抱っこした従者は新米剣士へ説明する。
「それで魔物が出た時ですが…」
「そこ重要だぞ」
「勇者様が泣いちゃうんで頑張って倒して下さいね」
「助けてくれるじゃないんだ!」
新米剣士は己の甘さを知った。
【04話 高評価】
「俺が先頭で行く!」
ダンジョン試験で新米剣士はグループを先導した。
「わっ、トラップ!」
石に躓いただけだ。
「ギャッ!底なし沼」
水溜りだ。
「何かに掴まれた!」
「ぴゃー!」
プニプニ勇者だ。
(頑張ってる感ある)
空回りしているがグループ内では高評価だった。
【05話 合格】
「だっこー!」
「抱っこは後にしましょうね」
新米剣士の足にくっつくプニプニ勇者を従者が離す。
「何で俺ばかりなんだ?」
「勇者様は頑張ってる人が好きだからです」
「抱っこはゴールしてからだ、勇者!」
(分りやすい)
新米剣士のグループはダンジョン試験に無事合格した。
※『ダンジョン試験』終了です。
【追いかけっこ】
「勇者、俺を捕まえてみろ!」
新米剣士とプニプニ勇者は、従者の前で追いかけっこを始めた。
「うわッ!」
(あ、転んだ)
その新米剣士に勇者がトコトコ近付く。
「たーちょぷ?」
(心配されてる!)
しかし新米剣士は笑って言った。
「次が本番だ!」
(無かった事にした!)
【ダッシュ】
「勇者、ダッシュの訓練をするぞ!」
新米剣士が訓練という名目でプニプニ勇者と遊んでいた。
「ダッシュ!」
「だっちゅ!」
「遊んでないで真面目に…」
「ぴゃー!」
「まあ、いいか」
新米剣士の真似をしてチョコチョコ走る勇者の姿を見て、新米狩人はそのまま見守る事にした。
【ドングリの勝利】
「ギルドに行かないの?」
「勇者の世話があるから」
新米狩人に聞かれた新米剣士が答える。
「代るよ」
「勇者は俺が良いんだ」
新米剣士が譲らないので、新米狩人はある物をプニプニ勇者に見せた。
「勇者、ドングリで遊ぼう?」
「ろんきゅり!」
「勇者―!」
ドングリの勝利。
【応援】
「ジッと座ってるのは苦手だー」
新米剣士は座学へ行くのを渋っていた。
「勇者が応援してくれたら行く」
無駄な抵抗の末にそう言うので、新米狩人は抱っこしたプニプニ勇者に頼む。
「頑張れって言ってあげて」
「じゃんじゃれー」
「頑張る」
新米剣士はやっと重い腰を上げた。
【栗の実】
てれーん!
プニプニ勇者は栗の実を得意気に掲げて見せた。
「大っきな栗だな!」
「おっきー」
新米剣士に栗の実を褒められた勇者はご機嫌だ。
「茹でて食べよう!」
しかしそう言われた途端、トテトテと走って隠れてしまった。
「どうした?」
その栗の実は宝物だからである。
※「栗の実」を英語にすると「chestnut」だそうです。カスタネットの語源になっています。
「マロン」は仏語ですが、栗では無くマロニエの木の実の事を指すのだとか。色々あって日本ではマロンが一般的になったみたいです。
調べてみると発見がありますね。
【新人剣士とリンゴ】
「勇者からリンゴの匂いがするぞ!」
プニプニ勇者を抱っこした新人剣士が気付いて驚く。
「りゅんご」
「どうしてだ?」
新米剣士は勇者のプニプニの頬っぺたを見ていて閃いた。
「頬っぺたにリンゴを隠してるのか!?」
「隠してないよ」
おやつにリンゴを食べただけである。
【強炭酸】
「ゆうちゃもー」
プニプニ勇者が新米剣士の飲物に興味を示して、せがみ始めた。
「おっと、子供にはまだ早いぜ」
そんな勇者を新米剣士は大人ぶって牽制する。
「なんてって強炭酸だからな!すっげーシュワシュワするんだぞ。口の中パチパチだ!」
今日も平和だと従者は思った。
【スケートリンク】
「勇者、氷上の訓練だ!」
「おー!」
新米剣士とプニプニ勇者は街外れのスケートリンクの前で張り切っていた。
「手本を見せるぞ!」
新米剣士はそう言ったが、すぐに転んでしまい、それを見た勇者も果敢に転んでいった。
「ぴゃー!」
「そういう遊びじゃないんですよ、勇者様ー」
【復活】
「勇者が復活した!」
新米剣士が叫ぶ。
「お…」
勇者の瞼は薄く開き、指先が微かに動いている。
「勇者、聞こえるか!?」
再び目を閉じないよう呼び掛ける新米剣士に従者は苦笑する。
「寝起きにうるさいと機嫌が悪くなるよ」
「分かった」
プニプニ勇者のお昼寝終了である。
【昼寝の効果】
「どうして勇者はいつも元気なんだ?」
遊んでいるプニプニ勇者を見て新米剣士は不思議に思った。
「いっぱいお昼寝してるからかな?」
従者が考えて出した答えを聞き、晴れ晴れとした表情になった新米剣士は宣言する。
「じゃあ俺も昼寝する!」
(新米剣士くんもいつも元気だよ)
【目覚まし】
「勇者様、新米剣士くんを起こして下さい」
「おこちゅ」
従者の頼みを聞いてプニプニ勇者はトコトコと移動する。
「ちゅんまいっちー」
そして新米剣士の顔をペチペチした。
「おきてー」
ペチペチペチペチ。
「お、起きたぞ、勇者!」
昼寝している新米剣士用の目覚ましである。
※こちらは書き下ろしになります。新米剣士はプニプニ勇者と本気で遊ぶ事ができる、ある意味、貴重な人材です。
【いつもと同じ】
「ゆうちゃも」
新米剣士、新米狩人、従者のクエストにプニプニ勇者が付いてきた。
「仕方ないな」
新米剣士は認める代わりに約束させる。
「従者に抱っこかおんぶか手を繋いでもらうんだ。できるか?」
「できる」
(それはいつもと同じだよね)
そう思う従者と新米狩人だった。
【夢と希望】
「勇者の頬っぺたは、どうしてこんなにプニプニなんだ?」
新米剣士が尋ねるが、それはプニプニ勇者本人にも分らない。
「ぽっぺ!」
しかし良く分からずに真似をする勇者を見ていて新米剣士は気付く。
「そうか!頬っぺたに夢と希望が詰まっているだな!」
勝手に納得していた。
【追いかける】
「俺も連れて行ってくれ!」
ギルドから出ていこうとする勇者を新米剣士は呼び止めた。
「待って、新米剣士くん」
それを新米狩人が遮る。
「君はギルドに残って掃除だよ」
「俺も行くー」
「おかーもの」
今日はギルドの大掃除で、プニプニ勇者と従者はこれから買い出しである。
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