2023年12月参分 道化師への贈り物
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
狩人 :勇者のクエストのメンバー。探索が得意。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
料理方 :勇者の定宿兼食堂の料理担当。
雪の精霊 :冬に現れる雪だるま型の精霊。猫姿の精霊の知り合い。
千里眼と主 :勇者の動向を探る二人。
治癒師 :皆の健康を守り治療を生業とする者。
水の精霊 :一部の地域の水を管理する精霊。水の神官とは幼馴染。
水の神官 :水の精霊を祀る神官。水の精霊とは幼馴染。
冬夜祭 :冬至に行われる祭り。特別な宝箱が出現する。
【水の精霊 頼み】
≪私の体はもう凍るが、勇者が来たら頼んだぞ≫
水の精霊の願いに水の神官は欠伸をしながら頷く。
「はいはい。勇者が来たら湯で解かすよ」
≪え?≫
後日、プニプニ勇者が来た。
「みるー」
「少々お待ち下さい」
そして湯を掛けられて起こされる水の精霊だった。
≪うわー!≫
【千里眼 難題】
「勇者が難題に挑戦してます」
千里眼は遠見の視聴覚を主と共有する。
『ぴゃーの!』
「勇者は自分の足を持って立ち上がりたいのですが、コロンと転がってしまうのです」
「それは難題だな」
「本人はできると思っています」
『たゃー!』
その後も飽きるまで挑戦する勇者だった。
【雪の精霊 くっつく】
「勇者様、また頬っぺたが真っ赤ですよ?」
プニプニ勇者の頬を見て従者は不思議に思う。
「何にくっつけたんですか?」
「ゆっきー」
(そんなに雪があったかな?)
≪また勇者にくっつかれたー≫
頬をくっつけられているのは、冬だけ裏庭に居る小さな雪だるま姿の雪の精霊である。
【季節ごと】
「冬のプニプニですか?」
「治癒師さんが言ってました」
「確かに感じが違うわ」
「季節ごとにプニプニが変化するので、勇者様は元気なんですね」
「げんきー」
食堂でプニプニ談義をする魔学者、従者、考古学士と、内容は分からなくても楽しそうに話に参加するプニプニ勇者だった。
【飾り樹のアイテム】
「勇者、借りたアイテムを返しに来た!」
「おー!」
冒険者はプニプニ勇者の前で冬夜祭の飾り樹にアイテムを吊るした。
「冬夜祭までには必ず返すと言ったろ?」
「かえしゅ」
アイテムが足りなくなると、飾り樹に飾っている冒険用アイテムを一時的に借りる冒険者がいるのだった。
【揺らぐ心】
「勇者様、帰りますよー」
従者は広場で遊ぶプニプニ勇者に声を掛けた。
「まーだ!」
「空が暗くなってきましたよ?」
「やー!」
「料理方さんがカボチャのポタージュを作って待ってますよ?」
「かもちゃ?」
「皆でご飯食べましょう?」
「ごっはん?」
心が揺らぐ勇者だった。
【モフモフ注意】
「勇者ちゃん、抱っこする?」
「だっこー」
「冬服の勇者ちゃんはモフモフの塊だね」
狩人は冬服のプニプニ勇者を抱っこして歩く。
「ぴゃー!」
「勇者ちゃん、目隠ししないでー」
抱っこされた勇者が頭を掴んでキョロキョロすると、モフモフの為に前が見えないので注意が必要だ。
【冬夜祭 道化師】
「中身は帽子付きの丸くて大きなドングリなのネ!」
「ろんきゅり!」
冬夜祭の日、道化師はプニプニ勇者から贈り物を受け取った。
「ありがとうなのヨ!」
「あーがーと」
「宝物にするのネ!」
「あ、あの…」
他にも贈り物を用意していたが、渡すタイミングを逃した従者だった。
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