2020年04月壱分 【ダンジョンで迷子の考古学士】他
ツイッターで投稿している基本一話完結、不連続のプニプニ勇者のほのぼのファンタジーです。
【人物紹介】
プニプニ勇者:勇者は二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。
拳闘士 :真面目な性格の格闘型の冒険者。
トカゲ獣人 :トカゲ型の冒険者。優しい。
【ダンジョンで迷子の考古学士】
ダンジョン迷子センター:ダンジョンで迷った冒険者を助ける組織。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
錬金術師 :クエスト時では古参の冒険者。印象の薄いのが悩み。
【道化師の真面目】
プニプニ勇者に適当な話をする道化師に、拳闘士が少しは真面目にするように苦言すると「ちょっとしか持たないよ?」と言ってから真面目な顔になった。
「私が消えても誰も困らないが、それでも悲しんでくれる人がいたら幸せですよね」
「御免、いつもの道化師に戻って」
「ほらね~」
【トカゲ獣人】
「勇者は食べちゃいたいくらい可愛いな」
プニプニ勇者をあやしているトカゲ獣人の呟きを聞き、それが最上級の褒め言葉であり、勇者がトカゲ獣人の口の中に頭を突っ込んでも安心なのは分かっていても、うっかり食べられてしまうのではないかと、余計な緊張を感じている従者だった。
【ゴーレム】
プニプニ勇者はゴーレム作り体験に来ていた。魔粘土をこねたものを嬉しそうに従者に見せる。
「こねこねできましたね、勇者様」
しかしそこで言葉に詰まった。何故ならそれが何か分らないからだ。しかもゴーレムに命を宿すと奇怪な動きを始めた。
(何作ったんですか、勇者様!?)
【まえがき】
この後から続きものになります。ダンジョンで迷ったプニプニ勇者と方向音痴の考古学士の奮闘記です。タイトルは「ダンジョンで迷子な考古学士」です。では、しばらくお付き合い下さい。
【考古学士 方向音痴】
ダンジョン迷子センターには救護班と探索班がある。考古学士は地質や仕掛けを研究する探索班だが、必要ならば救護もする。今も迷子らしいプニプニ勇者を保護したのだが、考古学士は溜息を吐いて呟いた。
「実は私も迷子中なんだよね…」
「お?」
考古学士は極度の方向音痴だった。
【考古学士 油断禁物】
方向音痴な考古学士は魔物に襲われ、他のスタッフと逸れた状態だった。
「大丈夫よ、勇者ちゃん。きっと皆近くにいるわ」
不安な気持ちを追い払おうとプニプニ勇者に話し掛けると、勇者も「お」と返事をしてくれたので元気が出た。
ただし勇者に迷子の自覚は無いので油断禁物だ。
【考古学士 進む方向】
「あっち?それとも向こう…勇者ちゃんはどっちだと思う?」
「こっち」
「そうだね!なんだか見覚えある気がする」
方向音痴の考古学士は分岐点で進む方向をプニプニ勇者に聞いて決めたのだが、その後、何故か下の階層に移動していた。
「どうして!?」
勇者は冒険好きだから。
【考古学士 危機感無し】
方向音痴の考古学士はダンジョンで考えていた。
(自分の感覚を信じて進んでいるのに、抜け出せないのは何故?)
その「自分の感覚を信じて進んでいる」からである。
「勇者ちゃんはどう思う?」
「ごっはん」
「そっか。まずはご飯を食べよう」
迷子でも危機感の無い二人だった。
【考古学士 増える迷子】
「じゅー!」
「勇者様!」
方向音痴の考古学士とプニプニ勇者は、勇者を探していた従者と合流できた。従者は考古学士に礼を言うと、ほっとした表情になる。
「ダンジョン迷子センターのスタッフさんと一緒なら、すぐに帰れますね」
「え?」
「俺も迷いました」
迷子が増えた。
読んで頂き、ありがとうございます。
こちらはツイッターでほぼ毎日更新しております。ご興味がありましたら、ツイッターで #プニプニ勇者 と検索すれば出てきますので、ご覧頂けると幸いです。
まだ続きますので、次回もよろしくお願いします。




