2023年11月参分 暖かい装備
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
射手 :凍撃の矢と恐れられている冒険者。勇者大好き。
戦士 :勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
新米狩人 :冒険者になったばかりの若者。しっかり者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
封印師 :封印する事を生業にしている者。
盗賊長 :国々を渡り歩く盗賊の長。
手下 :盗賊長の下で働く者。
王 :ある国の王。偶に勇者が遊びにくる。
側近 :王の側にいる家来。
【暖かい装備】
「勇者様、暖かい上着です!」
「あっちゃかい」
「勇者様、暖かい帽子です!」
「あっちゃちゃ」
「勇者様、暖かい靴です!」
「あっちゃい」
「これで寒くないですよ」
「ちゃむ、ない」
(またモコモコになってる)
出掛ける時、寒いと従者にモコモコにされるプニプニ勇者である。
【射手 潜伏訓練】
(プニプニが誰もいないのに手を振ってる…何をしてるんだ?)
潜伏訓練中の射手は、遠くのプニプニ勇者の行動を不思議に思い観察した。
「勇者様、誰に手を振っているんですか?」
「ちゃちゅ」
「どこに射手さんがいるんですか?」
「あっちゅ」
見えなくても分かる勇者だった。
【冒険の話】
「ちぇんち、ぼーけん!」
「勇者様、戦士さんは今帰ってきたばかりですよ」
くっつくプニプニ勇者と止める従者を見て戦士は笑う。
「今から冒険には行けないが代わりに冒険の話でも聞くか?」
「おはなち!」
そして戦士はホットビールを飲みながら、勇者と従者に冒険の話をした。
【夏の思い出】
「勇者様、それは何ですか?」
「じゃぷーん」
プニプニ勇者が遊ぶものを見て従者と新米狩人は顔を見合わせた。
「合宿で拾った貝殻だ」
「懐かしいね」
「でも、そんなに前でもないよね?」
「とても昔のように思うけど…」
「何でだろう?」
夏の思い出は遠く感じるの法則である。
【手引書 太陽の印】
“勇者により光は甦る”
「と書いてあるんですけどね…」
封印士は手引書を見ながら頭を捻る。
「太陽の印ってこれですよね?」
「たーよー」
封印士とプニプニ勇者が印を見ていると従者が呟いた。
「もしかして謎解きが必要なのかも?」
「なじょなじょ」
「謎解きは苦手なのにー」
【宝を守る】
「例の宝、勇者が守ってたっす」
報告を聞いて盗賊長は笑う。
「あんなプニプニに守らせて何のつもりだ?」
「守るといってもギュッとくっつくだけで」
『ぴゃー』
「しかも気が向いた時だけだから中々見れねぇ」
プニプニ勇者がくっつく姿を見る為だけに2時間待った手下だった。
【特別装備】
「勇者よ、巌神の心臓を届けてくれ」
「ととくる」
王の依頼にプニプニ勇者は元気に返事をする。
「その為の特別装備を作らせた」
「小さく軽く柔らかい背負い袋です」
「勇者、背負ってみてくれ」
「ちぇおう」
「似合ってるぞ」
「ぴゃー」
小さな背負い袋にはしゃぐ勇者だった。
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