2023年09月参分 空の羊
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
料理方 :勇者の定宿兼食堂の料理担当。
千里眼と主 :勇者の動向を探る二人。
レアアイテム博物館:貴重なアイテムを展示する博物館。
案内者 :レアアイテム博物館の職員。
街の商人 :祝賀会の手伝いをした商人。
【勇者のイス】
「これは勇者のイスなのヨ」
「いちゅ」
「勇者しか座れないのネ」
「ちゅわる」
道化師はそのイスにプニプニ勇者を座らせた。
「確かに勇者様以外は座れませんが…」
「他のプニプニなら座れるのでは?」
勇者のイス、勇者の体を支え安定性のある小さな座り心地の良いイスである。
【静寂】
「ごっはん!ごっはん!」
食事待っているプニプニ勇者ははしゃいでいる事が多い。
「ほら、できたぞ」
「ぴゃー!」
そして食事中も楽しそうだ。
「おいちー」
しかし時々静かになる。
「あぐ…あぐ」
途中で眠くなってしまう時である。
「勇者様、食べ終わるまで頑張って!」
【千里眼 トンボ】
「勇者の様子を確認したい」
「ハッ」
千里眼は主の命に従い、遠見でプニプニ勇者を知覚する。
『とんろー』
「トンボを追いかけてるな」
「追いつきませんね」
「飛んでいるトンボを捕まえるのは難しいからな」
そんなトコトコ走ってトンボを追いかける勇者を見て和む二人だった。
【レアアイテム博物館 3つの石板】
「わんわん、ここ?」
「そうです」
「これ、ぱたぱた」
「分かるのですね」
「るー!」
「合っています!」
プニプニ勇者が3つの石板を置くと、台座が光り、狼、鷲、竜の姿が浮かび上がった。
「ぴゃー!」
レアアイテム博物館の案内者が作った、来場者用の新しいギミックである。
【空の羊】
「じゅー、もこもこ」
「羊なのネ」
プニプニ勇者と道化師が従者を呼びに来た。
「どこからか迷い込んだんですか?」
裏庭へ行くが見つからない。
「どこですか?」
「あっこ!」
「あそこなのヨ」
勇者と道化師は空を指す。
「あ!」
空にはモコモコとした羊雲が浮かんでいた。
【祝賀会】
「王がいらしてて」
「本当か!」
「大臣たちに貴族や騎士の方々もいて緊張したよ」
街の商人が仲間たちに祝賀会の様子を伝えた。
「勇者も来てたんだろ?」
「ああ。勇者はおやつを食べてた」
『あぐあぐ』
「美味しそうに食べてたよ」
プニプニ勇者の周りはいつでものどかだった。
【コロコロ】
「こよこよー」
プニプニ勇者は裏庭で転がって遊んでいた。
「勇者が転がってるな」
「楽しいんだと思うよ」
「夏も転がっていたぞ」
「面白いんだろうね」
新米剣士と従者の前でずっとコロコロしている勇者だった。
「こよこよー」
草の上を転がるのはいつでも楽しいのである。
【進退】
「戻るか?」
「いえ、進みましょう」
「勇者は大丈夫か?」
「分かりません。でもこの先にある筈です」
話し合いの末に冒険者たちはダンジョンの奥へ向かった。
「あったぞ、トイレが!」
「勇者様、トイレに行きますよ!」
「とーれ」
ダンジョンではトイレに行くのも大変なのだ。
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