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プニプニ勇者140字小説  作者: 屑屋 浪
191/306

2023年07月参分 冒険日和

X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。


【登場人物】

プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。

従者    :勇者のお世話係。


道化師   :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。

新米剣士  :空回り気味だが頑張っている冒険者。

冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。


定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。

裏庭    :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。

料理方   :勇者の定宿兼食堂の料理担当。


森番    :森と宝箱と石碑を守る者。

【スイカと水浴び】

「冷やしといてくれ」

 料理方に言われ、従者はスイカを裏庭の水場(みずば)に浮かべる。

「ちゅいかー」

 水中のスイカにプニプニ勇者は興味津々(きょうみしんしん)だ。

「勇者様も水遊びしますか?」

「しゅる!」

「じゃあ用意しますね」

 プカプカ浮かぶスイカと、勇者の水遊びが重なって見えた従者だった。



【宝箱とドングリ】

「勇者よ、アイテムの入ってる宝箱は1つだけだ」

「ひとちゅ」

 森番の説明をプニプニ勇者は復唱(ふくしょう)する。

「その宝箱は赤く」

「あっか」

「丸い紋章(もんしょう)が付いており」

「まりゅ」

「ドングリが描かれている」

「ろんきゅり!」

 ドングリ大好きな勇者は、ドングリだけは覚えたのだった。



【石碑と蝶】

「勇者よ、あれが森の石碑(せきひ)だ」

 森番はプニプニ勇者に(ゆび)(しめ)す。

「ちぇきひ?」

 木漏(こも)()を受けて(たたず)む石が見える。

(ちょう)が飛んでいる所だ」

「ひりゃひりゃ!」

 途端(とたん)に勇者はトタトタ走り出した。

「あ、勇者!」

 石碑(せきひ)より(ちょう)の方に興味がある勇者だった。

「ひりゃひりゃー!」



【布団前】

「頑張れ、勇者!」

「うーやー」

 新米剣士がプニプニ勇者を(はげ)ます。

「もう少しだ、勇者!」

「じゃー…」

 しかしプニプニ勇者はそれ以上動かなかった。

「従者、勇者が布団(ふとん)に着く前に寝ちゃったぞ?」

布団(ふとん)に運んであげて」

 眠くて布団(ふとん)辿(たど)り着く前に寝てしまった勇者である。



【アリ】

「勇者様、アリさんですよ」

 従者がプニプニ勇者の()にアリを乗せる。

「ありゅんこ」

 勇者はチョコチョコ動くアリを見つめていた。

「じゅー、ありゅんこ、ない」

 いつの間にかアリがいない。

「アリさん、帰っちゃったみたいです」

 アリは勇者の(からだ)を伝って地面へ戻っていた。



【冒険日和】

「ぼーけん!ぼーけん!」

 食堂でプニプニ勇者は冒険者たちに飛びついた。

「勇者様、朝から冒険に行きたくて仕方ないみたいで」

 従者の説明に冒険者たちは納得(なっとく)する。

「良し、行くか」

「行きましょう」

「冒険日和(びより)かもな」

「ぼーけん!」

 その日は何故か皆、冒険の気分だった。



【手紙の途中】

「おてまみ、しゅる」

「はい、どうぞ」

 プニプニ勇者が手紙が書きたいと言い出したので、従者は(かみ)とクレヨンを渡した。

「うーと、えーちょ」

 勇者は楽しそうに書いていたが、しばらくすると静かになった。

「あ、寝てる」

「すーすー」

 書いている途中で眠くなった勇者である。



【伸びる勇者】

「勇者、()びるのネ!」

「にょぷる!」

 道化師の掛け声に合わせて、プニプニ勇者は(うで)を上げ、(からだ)全体を()ばした。

()びてるのヨ、勇者」

「にょぷる」

()びてるかなあ?)

「もっと()びるのネ、勇者」

「にょぷる」

()びてるかなあ?)

 疑問はあるがそっと見守る従者だった。



※お読み頂き、ありがとうございます!

楽しみにしてくださっている皆様も、初めての方も、お読み頂き、ありがとうございます!

気に入ったものがございましたら、ブックマーク、評価、いいね、感想など、少しでも反応を頂けると励みになります。


こちらはX(旧:Twitter)でほぼ毎日更新しております。ご興味がありましたら、#プニプニ勇者 と検索してくださると嬉しいです。


次回もよろしくお願いします!

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