2023年07月参分 冒険日和
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
料理方 :勇者の定宿兼食堂の料理担当。
森番 :森と宝箱と石碑を守る者。
【スイカと水浴び】
「冷やしといてくれ」
料理方に言われ、従者はスイカを裏庭の水場に浮かべる。
「ちゅいかー」
水中のスイカにプニプニ勇者は興味津々だ。
「勇者様も水遊びしますか?」
「しゅる!」
「じゃあ用意しますね」
プカプカ浮かぶスイカと、勇者の水遊びが重なって見えた従者だった。
【宝箱とドングリ】
「勇者よ、アイテムの入ってる宝箱は1つだけだ」
「ひとちゅ」
森番の説明をプニプニ勇者は復唱する。
「その宝箱は赤く」
「あっか」
「丸い紋章が付いており」
「まりゅ」
「ドングリが描かれている」
「ろんきゅり!」
ドングリ大好きな勇者は、ドングリだけは覚えたのだった。
【石碑と蝶】
「勇者よ、あれが森の石碑だ」
森番はプニプニ勇者に指で示す。
「ちぇきひ?」
木漏れ日を受けて佇む石が見える。
「蝶が飛んでいる所だ」
「ひりゃひりゃ!」
途端に勇者はトタトタ走り出した。
「あ、勇者!」
石碑より蝶の方に興味がある勇者だった。
「ひりゃひりゃー!」
【布団前】
「頑張れ、勇者!」
「うーやー」
新米剣士がプニプニ勇者を励ます。
「もう少しだ、勇者!」
「じゃー…」
しかしプニプニ勇者はそれ以上動かなかった。
「従者、勇者が布団に着く前に寝ちゃったぞ?」
「布団に運んであげて」
眠くて布団に辿り着く前に寝てしまった勇者である。
【アリ】
「勇者様、アリさんですよ」
従者がプニプニ勇者の手にアリを乗せる。
「ありゅんこ」
勇者はチョコチョコ動くアリを見つめていた。
「じゅー、ありゅんこ、ない」
いつの間にかアリがいない。
「アリさん、帰っちゃったみたいです」
アリは勇者の体を伝って地面へ戻っていた。
【冒険日和】
「ぼーけん!ぼーけん!」
食堂でプニプニ勇者は冒険者たちに飛びついた。
「勇者様、朝から冒険に行きたくて仕方ないみたいで」
従者の説明に冒険者たちは納得する。
「良し、行くか」
「行きましょう」
「冒険日和かもな」
「ぼーけん!」
その日は何故か皆、冒険の気分だった。
【手紙の途中】
「おてまみ、しゅる」
「はい、どうぞ」
プニプニ勇者が手紙が書きたいと言い出したので、従者は紙とクレヨンを渡した。
「うーと、えーちょ」
勇者は楽しそうに書いていたが、しばらくすると静かになった。
「あ、寝てる」
「すーすー」
書いている途中で眠くなった勇者である。
【伸びる勇者】
「勇者、伸びるのネ!」
「にょぷる!」
道化師の掛け声に合わせて、プニプニ勇者は腕を上げ、体全体を伸ばした。
「伸びてるのヨ、勇者」
「にょぷる」
(伸びてるかなあ?)
「もっと伸びるのネ、勇者」
「にょぷる」
(伸びてるかなあ?)
疑問はあるがそっと見守る従者だった。
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