2022年12月壱分 勇者ロード
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
狩人 :勇者のクエストのメンバー。探索が得意。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
錬金術師 :印象の薄いのが悩みのクエスト時では古参の冒険者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
森の王(熊):熊の精霊。人の姿になる事もできる。性格は優しくて内気。
千里眼と主 :勇者の動向を探る二人。
【千里眼 勇者の歌】
「主、良い時に来られました!」
そう言うと千里眼はすぐに感覚を共有する。
『ゆうぴゃっぴゃー♪ゆうちゃったー♪』
「勇者が歌を!」
「丁度歌い始めたんです!」
「今日は良い事がありそうだ」
休憩の間、プニプニ勇者の動向を探る二人は、勇者の歌を聴きながら寛ぐのだった。
【勇者ロード】
「だんよ」
プニプニ勇者は暖炉前の遮蔽柵にいつもくっついている。
「空いてる?」
しかし食堂にお客が来ると出入口へトコトコ走る。
「らっちゃまちぇー」
出迎えが終わると、また遮蔽柵へ戻る。
「だんよ」
この暖炉と出入口の道を冒険者たちは「勇者ロード」と呼んでいる。
【冒険者の本気】
「ろんきゅり…」
プニプニ勇者はお気に入りのドングリを落してしょげていた。
「すぐに見つかるわよ」
狩人が優しく言う。
「範囲探索のSスキルで探すから」
「俺はサーチの特級を使うかな」
「私は超情報収集でやってみます」
ドングリを探すのに本気過ぎる冒険者たちだった。
【錬金術師 同類】
≪ここが勇者の食事する所か≫
森の王(熊)はヒトの姿で、密かに食堂に紛れていた。
「おいちー」
ご飯を食べるプニプニ勇者を見守っていた森の王は、ある気配に気付く。
≪同類がいる!≫
(見られている気がする…)
印象が薄い錬金術師は、内気な森の王に同類だと思われた。
【毛布の数】
「寒いですね、勇者様」
「ちゃむ、ない」
その夜は一段と寒かった。
「冷えるので毛布を増やしましょうね」
「ちゃむ、ない」
しかしプニプニ勇者の意見は流し、従者は毛布を増やす。
「ポカポカ好きですか?」
「ぽかぽか、ちゅき」
そして暖かい布団でグッスリ眠る勇者だった。
【通せんぼ 許可】
「とーしぇんぽ」
プニプニ勇者が手足を開いて従者の前に立った。
(通せんぼのつもりかな?)
しかし障害物も無く、どこからでも通り抜けられる状態である。
(本人は塞いでる気だしなあ)
従者は少し考えてから言った。
「抱っこするので通して下さい」
「だっこ!」
通れた。
【モミの木の柵】
「きりゃきりゃ」
冒険用アイテムが多めに飾られたモミの木が食堂に置かれた。
「飾り付け、勇者様も手伝ったんですよ」
「てちゅだった」
「一応、何かの拍子で倒れないように柵で囲むか」
その後、モミの木の柵にくっつく勇者が見られるようになったのだった。
「きりゃきりゃ」
【目が合う】
「俺は勇者と冒険に行く」
「ぼーけん」
プニプニ勇者の手を繋いだ新米剣士が従者へ言う。
「突然どうしたの?」
「勇者と目が合った」
「ぼーけん」
勇者と目が合うとお散歩をねだられるのだ。
「そう言う事ね。ついでに買物もするから、ちょっと待ってて」
「分った」
「わかる」
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