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プニプニ勇者140字小説  作者: 屑屋 浪
159/306

2022年12月壱分 勇者ロード

ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。


【登場人物】

プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。

従者    :勇者のお世話係。


狩人    :勇者のクエストのメンバー。探索が得意。

新米剣士  :空回り気味だが頑張っている冒険者。

錬金術師  :印象の薄いのが悩みのクエスト時では古参の冒険者。

冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。


定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。

森の王(熊):熊の精霊。人の姿になる事もできる。性格は優しくて内気。


千里眼と主 :勇者の動向を探る二人。

【千里眼 勇者の歌】

「主、良い時に来られました!」

 そう言うと千里眼はすぐに感覚を共有する。


『ゆうぴゃっぴゃー♪ゆうちゃったー♪』


「勇者が歌を!」

丁度(ちょうど)歌い始めたんです!」

「今日は良い事がありそうだ」

 休憩の間、プニプニ勇者の動向を探る二人は、勇者の歌を聴きながら(くつろ)ぐのだった。



【勇者ロード】

「だんよ」

 プニプニ勇者は暖炉(だんろ)前の遮蔽柵(しゃへいさく)にいつもくっついている。

()いてる?」

 しかし食堂にお客が来ると出入口へトコトコ走る。

「らっちゃまちぇー」

 出迎えが終わると、また遮蔽柵(しゃへいさく)へ戻る。

「だんよ」

 この暖炉(だんろ)と出入口の道を冒険者たちは「勇者ロード」と呼んでいる。



【冒険者の本気】

「ろんきゅり…」

 プニプニ勇者はお気に入りのドングリを落してしょげていた。

「すぐに見つかるわよ」

 狩人が優しく言う。

「範囲探索(たんさく)のSスキルで探すから」

「俺はサーチの特級を使うかな」

「私は(ちょう)情報収集でやってみます」

 ドングリを探すのに本気(ほんき)過ぎる冒険者たちだった。



【錬金術師 同類】

≪ここが勇者の食事する所か≫

 森の王(熊)はヒトの姿で、(ひそ)かに食堂に(まぎ)れていた。

「おいちー」

 ご飯を食べるプニプニ勇者を見守っていた森の王は、ある気配(けはい)に気付く。

≪同類がいる!≫

(見られている気がする…)

 印象が薄い錬金術師は、内気な森の王に同類だと思われた。



【毛布の数】

「寒いですね、勇者様」

「ちゃむ、ない」

 その夜は一段(いちだん)と寒かった。

「冷えるので毛布を増やしましょうね」

「ちゃむ、ない」

 しかしプニプニ勇者の意見は流し、従者は毛布を増やす。

「ポカポカ好きですか?」

「ぽかぽか、ちゅき」

 そして暖かい布団でグッスリ眠る勇者だった。



【通せんぼ 許可】

「とーしぇんぽ」

 プニプニ勇者が手足(てあし)を開いて従者の前に立った。

(通せんぼのつもりかな?)

 しかし障害物も無く、どこからでも通り抜けられる状態である。

(本人は(ふさ)いでる気だしなあ)

 従者は少し考えてから言った。

「抱っこするので通して下さい」

「だっこ!」

 通れた。



【モミの木の柵】

「きりゃきりゃ」

 冒険用アイテムが多めに飾られたモミの木が食堂に置かれた。

「飾り付け、勇者様も手伝ったんですよ」

「てちゅだった」

「一応、何かの拍子(ひょうし)で倒れないように(さく)で囲むか」

 その後、モミの木の(さく)にくっつく勇者が見られるようになったのだった。

「きりゃきりゃ」



【目が合う】

「俺は勇者と冒険に行く」

「ぼーけん」

 プニプニ勇者の()(つな)いだ新米剣士が従者へ言う。

「突然どうしたの?」

「勇者と()が合った」

「ぼーけん」

 勇者と()が合うとお散歩をねだられるのだ。

「そう言う事ね。ついでに買物もするから、ちょっと待ってて」

「分った」

「わかる」



※お読み頂きありがとうございます。

楽しみにしてくださっている皆様も、初めての方も、お読み頂き、ありがとうございます!

気に入ったものがございましたら、ブックマーク、評価、いいね、感想など頂けると嬉しいです。

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こちらはツイッターでほぼ毎日更新しております。ご興味がありましたら、ツイッターで #プニプニ勇者 と検索すれば出てきますので、ご覧頂けると嬉しいです。


次回もよろしくお願いします!

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