2022年09月壱分 究極の選択
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
地図士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。考古学士の妹。
シーフ :素早さは天下一品の冒険者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
森の王 :熊の精霊。人の姿で村に来ることがある。性格は内気。
【お出かけ前チェック】
「勇者様、上着は着ましたか?」
「わーぎ」
「靴はきちんと履いてますか?」
「くっつ」
「帽子は被りましたか?」
「ぽーし」
「プニプニは出てますか?」
「ぷーぷー」
(プニプニは出すものなのか?)
従者とプニプニ勇者のお出かけ前チェックの会話が気になる冒険者たちだった。
【勇者の選択】
「勇者様、どっちか選んでください」
「どっちゅ?」
従者の問い掛けをプニプニ勇者は繰り返す。
「抱っことおんぶ、どっちが良いですか?」
勇者にとっては究極の選択だ。
「抱っこにします?おんぶにします?」
「だんぷ!」
どちらか選べずに二つが混じってしまう勇者だった。
【考古学士 会合】
「会合に遅れちゃう!」
慌てて支度をする考古学士に地図士が確認する。
「姉様、会合なんてありましたか?」
「プニプニについて語る集まりよ」
プニプニ勇者の定宿兼食堂では、皆でプニプニ談議をする会合が不定期に開催されているのだった。
「お待たせー」
「こうこがっちー」
【鮭】
「ちゃかにゃ!」
従者が裏庭への扉を開けた途端、プニプニ勇者が何かを見付けた。
「鮭!?」
何故か鮭が跳ねている。
「ちぇけ!」
「何で?」
そんな二人を影から見守る者がいた。
≪あ、勇者が喜んでる!良かった≫
鮭は人見知りだが勇者大好きな森の王(熊)の土産だった。
【起床時間】
冒険者たちの起床時間はバラバラだ。
「おはよう」
「もう昼だよ」
しかし勇者案件のクエストがある時は皆朝が早い。
「おはよう、勇者」
「おぱよー!」
「勇者、冒険に行くぞ」
「ぼーけん!」
何故なら、クエストが楽しみで朝からはしゃいでいるプニプニ勇者が見られるからだ。
【シーフ レクリエーション】
「なるほど、こういうカラクリか」
シーフは開かずの扉の謎を解明した。
「ここを押すと扉が開く。勇者、押すか?」
「おしゅ」
「本当に押すか?」
「おしゅー」
「どうしようかなー」
「おしゅのー」
プニプニ勇者の冒険ではお馴染みの、シーフと勇者のレクリエーションである。
【考える】
「勇者ちゃーん」
「こうこがっちー」
考古学士が古文書解読の息抜きにやってきた。
「勇者ちゃんも一緒に考えて」
「かーがーる?」
「腕を組んで難しい顔をするのよ」
考古学士がやってみせると、プニプニ勇者も懸命に真似をする。
「和むー」
その姿に癒される考古学士だった。
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