キャラ別総集編「猫姿の精霊」
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
今回は裏庭に居る「猫姿の精霊」が出てくる話を、順番を変えたり、手直しして纏めました。密かに勇者を守護している猫姿の精霊と知り合いの精霊の話をお楽しみ下さい。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭は勇者の遊び場。
猫姿の精霊 :勇者を守護する為、定宿の裏庭にいる。
獣の頭を持つ精霊:眷属(猫)の姿を借りて人間界に顕現した精霊。
雪の精霊 :冬に現れる雪だるま型の精霊。猫姿の精霊の知り合い。
千里眼と主 :勇者の動向を探る二人。※今回、主は出てきません。
主事 :千里眼と主を結果的に管理している人。
【見えない猫】
「にゃー、いた」
「猫さんと遊んだんですか?良かったですね」
この頃プニプニ勇者は猫の話をする。しかし従者はまだ見た事がない。
(余程の人見知りなんだろうな)
と思う事にしている。
“怖いから”
「勇者様、本物の猫なんですよね?」
確認せずにはいられない従者だった。
【精霊の見廻り】
≪来たか、勇者よ≫
「ゆうちゃ、きたの」
≪見廻りに行くぞ!≫
「ゆく」
≪異常は無いな≫
「にゃい」
≪良し、次はこっちだ≫
「こっち」
(また勇者様が遊び場を歩き回ってる)
猫姿の精霊とプニプニ勇者の見廻りは、定宿の裏庭の遊び場部分だけなので、従者も安心なのである。
※この話は書き下ろしになります。普段はこんな感じで勇者と遊んでいます。
【主事 勇者と猫】
「記録晶に猫が映っていたようだが?」
主事がプニプニ勇者の記録晶を観ていた千里眼に話し掛けた。
「あれは猫の姿を借りた精霊です。勇者と接触していたので記録しました」
「なるほど。ではその記録晶を確認の為に借り受ける」
「ハッ(ああー新作がー)」
主事の部屋。
「猫~」
【威嚇】
≪いいか勇者、魔物にはシャーッて言え≫
猫姿の精霊から威嚇の仕方を教えてもらい、プニプニ勇者はコクリと頷く。
≪こっちは強いんだぞって示すんだ≫
そして魔物に遭遇した時、勇者はその教えを実行する。
「ちゃー!」
「どうした、勇者?」
勇者の威嚇は伝わらなかった。
【主事 猫には目がない】
「猫姿の精霊と勇者が接触したようだな」
遠見でプニプニ勇者の動向を探っている千里眼に、主事は声を掛けた。
「魔物に遭遇した際の対策を教えているようです」
「ふむ、気になるな。そこは記録晶に残しておけ」
「ハッ」
(猫が見れる~)
相変わらず猫には目がない主事だった。
【獣の精霊 顕現】
獣の頭を持つ精霊は、眷属の姿を借りて人間界に顕現した。
≪これなら精霊だと分かるまい≫
しかし猫の姿になった精霊に幼児が近付いてきて言った。
「ちぇーれー」
「勇者様、猫さんがビックリするから、シーって近付きましょうね」
プニプニ勇者に速攻で見破られた精霊だった。
【獣の精霊 質問】
「ちぇーれー」
猫の姿を借りた獣の頭を持つ精霊はプニプニ勇者に撫でられていた。
≪何故、分った!?≫
正体を見破られ腑に落ちない精霊は猫たちを集めて質問する。
≪こやつは何者だ?≫
(プニプニです)
(プニプニっす)
≪それは見たら分かる≫
質問しても分らなかった。
【獣の精霊 言い出せない】
「お、猫だ」
「猫さん可愛い」
≪やはり私が精霊だと分らないようだな≫
プニプニ勇者の定宿に付いてきた獣の頭を持つ精霊は、冒険者に猫として扱われ満足したが、実は一部の冒険者にはバレていた。
(あれ精霊だろ?)
(何でいるの?)
言い出せないだけだった。
「ちぇーれー」
【獣の精霊 知り合い】
≪他にも精霊がいたか≫
プニプニ勇者の定宿で、獣の頭を持つ精霊は裏庭である気配に気付いた。
≪すぐに出ていけ≫
それは姿を現すと言った。
≪こちらにも訳が…あれ?≫
≪そんな事は知ら…え、お前、何でここにいるの?≫
≪こっちの台詞だ!≫
知り合いだった。
「にゃー?」
【獣の精霊 守護】
獣の頭を持つ精霊は旧知の精霊に再会した。
≪お前、何やってるの?≫
≪勇者の守護≫
≪勇者ってこのプニプニ?≫
「あぐあぐ」
精霊はおやつを食べているプニプニ勇者を見る。
≪只の幼児扱いするなよ!こいつはお腹もポンポコリンなんだぞ≫
≪只の幼児扱いしてるのはお前だよ≫
【獣の精霊 理由】
≪人間界に何しに来たの?≫
知己の精霊に尋ねられ、獣の頭を持つ精霊は即答した。
≪お前を探しに来たんだよ!≫
≪は?≫
「お?」
≪お前、連絡取れないって心配されてるからな≫
≪マジで?≫
プニプニ勇者を守護する精霊は、不精な性格な為に地元で行方不明扱いになっていた。
【獣の精霊 帰界】
獣の頭を持つ精霊は知己が見つかったのでさっさと精霊界へ帰ってしまった。
「この前の猫さん居ませんね」
「ないねー」
しかしその後、様々な精霊がプニプニ勇者を守護する精霊を訪ねるようになったのである。
≪お前、プニプニの子守してるんだって?≫
≪違わないけど、違う!≫
【猫姿の精霊 変換】
≪勇者、もうすぐ雪が降るぞ≫
「ゆっきー?」
猫姿の精霊の言葉を、プニプニ勇者は従者にも伝えようとした。
「じゅー、にゃーがね、いったにょ」
「猫さんが何を言ったんですか?」
「うーとね…ごっはん!」
「ご飯?」
≪言ってないよ!≫
途中で変換されてしまった勇者である。
【小さな雪だるま 捕獲】
「ちゅかまーた」
プニプニ勇者が小さな雪だるまを持ってきた。
「勇者様、元に戻しましょうね」
誰かが作った物だと思い、従者はそう言ったが、それは雪の精霊だった。
≪何かプニプニに捕まったんだけど!?≫
≪それ、俺の守護してる勇者≫
そして猫姿の精霊の知り合いだった。
【小さな雪だるま 配達】
雪の精霊は小さな雪だるまの姿で、この時期だと目立たなくて良いのだが例外もある。
「みちゅけたー」
プニプニ勇者は雪の精霊を見つけると、猫姿の精霊の所まで運んでしまうのだ。
「とーちゃきゅ」
≪あ、ありがとうな、勇者≫
その必要がない事を未だに言い出せないのだった。
【小さな雪だるま 帽子とマフラーと人参】
「勇者に任務を与えるよ」
「お!」
道化師は何かを渡し、プニプニ勇者はそれを持って小さな雪だるまの所に置いてくる。
「任務完了だよ、勇者」
「お!」
小さな雪だるま姿の雪の精霊の前には帽子とマフラーと人参が置いてあった。
≪なんで人参!?≫
≪鼻に付いてるからだろ?≫
【雪だるま軍団】
「勇者、雪だるま作ろう!」
「おー!」
新米剣士は裏庭に積もった雪を見て、プニプニ勇者と雪だるまを作る事にした。
「転がれ、転がれ」
「こりょがれー」
そうして作られた雪だるまは、雪の精霊に贈られたのだった。
≪何だ、その大量の雪だるま!?≫
≪勇者からのプレゼント≫
【贈物の礼】
「あーがと」
プレゼントを抱えたプニプニ勇者が、小さな雪だるまの姿の雪の精霊に礼を言うので、猫姿の精霊は何事か尋ねた。
≪冬夜祭の贈物は雪の精霊が持ってくると言われてるんだ≫
≪お前、何かした?≫
≪雪を降らせたよ≫
そんな精霊たちの前で、楽しく走り回る勇者だった。
【百年に一度】
≪眷属たちよ、今日は百年に一度の集会だ≫
精霊は群がる眷属に話し掛ける。
≪改めて我が守護する勇者を紹介する≫
「ゆうちゃよ」
プニプニ勇者が現れると眷属たちは一斉に合唱した。
ニャー!
「にゃー!」
「裏庭に猫が沢山集まってる!?」
猫姿の精霊の眷属は猫である。
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