2021年11月壱分
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋
料理方 :勇者の定宿兼食堂の料理担当。
千里眼と主 :勇者の動向を探る人達。
議長 :とある街の議会の長。
【一掴み】
収穫祭で貰った菓子を皆で食べていた時、新米剣士が何個もの菓子を一掴みにするのを見て、プニプニ勇者は真似する事にした。
「ちゃー」
「勇者様はそれですね」
しかし勇者の手は小さくて1個しか掴めないのだった!
「できちゃ!」
それでもやり遂げたと思っている勇者なのだ。
【千里眼 外開き】
「そんな事をしても無駄だ、勇者」
千里眼の遠見を見て主の口元が緩む。
「うっしょ」
そこには頬っぺたを含め体全体で扉を押しているプニプニ勇者が映っていた。
「勇者様、その扉は引っ張らないと開きませんよ」
「ひゅっぱる」
「それは押してるんですよ」
扉は外開きだった。
【勇者はどこだ】
「会議が始まるのに、勇者はどこだ?」
空席に気付いた議長が尋ねると、長机の下から声がした。
「ここー」
そこにはプニプニ勇者が顔を出している。
「見つけたぞ、勇者」
議長はニコニコしながら勇者を席に座らせた。
「では始めよう」
少し遅れたが会議は無事に始まった。
【ドングリマイスター】
プニプニ勇者はそれをジッと見つめ、道化師は息を呑む。
「むゅ」
形、色、大きさ、全て申し分ない。
「ごーちゃん!」
「ドングリマイスターから合格を貰ったのね!」
帽子付の丸い大きなドングリに対して行われる品評だが、いまいち分からないまま従者は温かく見守るのだった。
【実験】
従者、ドングリ、リンゴが一定の間隔で並んでいた。
「声掛けはあり?」
「なし」
少し不安気な従者に新米剣士は答える。
「勇者、好きな所に行くのね」
道化師に言われてプニプニ勇者はトコトコと歩き出す。
「じゅー!」
勇者の一番好きなものがどれか調べる実験だった。
【本】
「勇者ちゃんに本を持ってきたよ」
考古学士が持ってきた本をプニプニ勇者は楽しそうに眺めた。
「わんわん!」
「犬さんだね」
「にゃー!」
「成る程」
「ぐゆぐゆ」
「そういう感じか」
「何の本ですか?」
「古代文字の本よ」
まだ解読されてない文字を感性で読む勇者だった。
【熱々】
「アッツ!」
新米剣士はシチューが熱くて舌を火傷しそうになった。するとプニプニ勇者の前にも同じものが運ばれる。
「しちゅー!」
「勇者は熱いの平気か?」
「へーき!」
そう言ってすぐに食べてみせるが、勇者用のシチューは火傷をしない様に、既に少し冷ましてあるのだった。
【お手伝い】
「これ外に運んでくれ」
料理方の声をプニプニ勇者は聞き逃さなかった。
「ゆうちゃも!」
すぐに荷物にくっつく。
「勇者はこっち手伝ってくれ」
それを聞くとクルリと向きを変えて料理方の方へ向かう。
「てちゅだう!」
皆が忙しそうにしているとお手伝いしたい勇者だった。
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