2021年10月四分
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
射手 :凍撃の矢と恐れられている冒険者。勇者大好き。
戦士 :勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
狩人 :勇者のクエストのメンバー。探索が得意。
魔学者 :魔法の力で色々な道具を作る研究者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターの探索スタッフ。方向音痴。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
魔技師 :新しい魔法を作る技師。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
定宿兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋
猫姿の精霊 :宿屋の裏庭で勇者を守護してる。
東園の主 :黒き真珠を栽培している。
【後ろを付いて行く】
「ふふ」
「どうしたんですか?」
不意に微笑む考古学士に魔学者は尋ねた。
「従者くんが移動するとね…」
そう言って従者に視線を向ける。
「勇者ちゃんがいつも後ろを付いて行くのよ」
「まってー」
従者の後をトコトコと歩くプニプニ勇者を見て、魔学者も自然と笑みが零れた。
【石化】
「敵は石化を使うみたい」
「何だって!」
狩人の報告で冒険者たちに緊張が走る。
「もし勇者が石化したらどうなるんだ?」
「プニプニじゃなくなっちゃうわ!」
「それだけは防がないと!」
「ちぇきか」
プニプニ勇者の石化対策ばかりで、肝心の攻略は後回しの冒険者たちだった。
【猫姿の精霊 変換】
≪勇者、もうすぐ雪が降るぞ≫
「ゆっきー?」
猫姿の精霊の言葉を、プニプニ勇者は従者にも伝えようとした。
「じゅー、にゃーがね、いったにょ」
「猫さんが何を言ったんですか?」
「うーとね…ごっはん!」
「ご飯?」
≪言ってないよ!≫
途中で変換されてしまった勇者である。
【布団脱出】
「手を伸ばせ、勇者!」
「てって」
プニプニ勇者は布団の中から新米剣士の方へ両手を伸ばす。
「よし!」
新米剣士はその手を掴み、うつ伏せの勇者をスルスルと布団から引っ張りだした。
「成功だ!」
「ちぇいこー」
近頃お気に入りの、お昼寝の後の布団を脱出する遊びである。
【プニプニだけ】
「勇者よ、遊びは終いだ!」
魔技師がまた新しい魔法をプニプニ勇者に見せに来た。
「プニプニだけが眠くなる魔法を受けろ!」
勇者は眠そうに目をパチパチさせたがすぐに元に戻った。
「あちょんでー」
「失敗だ!対象はお腹ポンポコリンの方が良かったか?」
(そういう問題!?)
【甘いのは誰】
「やっぱり従者だろう?」
「戦士さんは?勇者のおねだりをほとんど断った事がないよ」
プニプニ勇者に甘いのは誰かという話である。
「ちゃちゅー」
(良し、今日もプニプニだな)
実は凍撃の矢の異名を持つ射手が一番甘いのだが、接する機会が少ない為、知られる事はないだろう。
【黒き真珠】
「勇者よ、黒き真珠を持ってきたか!」
「もってきちゃ」
プニプニ勇者は東園の主にそれを渡す。
「これは様々なものに変化する。何に変えたい?」
主の問いに従者が代わりに答えた。
「ジュースとジャムにして下さい」
「分った」
黒き真珠=ブドウ狩りに来た勇者と従者だった。
【収穫祭の勇者】
「勇者様、お菓子かイタズラか聞いて下さい」
カボチャ姿のプニプニ勇者に従者は言い聞かせる。
「お菓子を貰ったらお礼を言って、イタズラの時は“ばあー”ですよ」
「ばあー」
こんな約束をしても、すぐに冒険者たちに飛びつく勇者だった。
「勇者、菓子持ってきたぞ」
「ばあー!」
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