2019年06月分 プニプニ運搬競技会
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の不連続なお話です。
※2023年修正版です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
冒険者ギルド:冒険者にクエストを紹介する組織。及びその建物。
【プニプニ運搬競技会】
「そろそろ帰りますよ、勇者様」
「やー」
プニプニ勇者の返事を聞いて、従者はプニプニ運搬競技会を開催することにした。これは、まだ遊ぶ気満々のプニプニを、素早く安全に宿まで運ぶ競技である。
「あしょぶのー!」
暴れるプニプニを抱っこして、今日もゴールを目指すのだった。
【きたよー】
「きたよー」
そう言ってプニプニ勇者は従者に抱きついた。
「勇者様?」
勇者は偶に、呼んだ訳ではないが、さも呼ばれたから来ました、という行動をする。
「ゆうちゃよー」
最初は戸惑っていた従者だったが、ありがとうございますと礼を返すと、勇者は嬉しそうに笑うのだった。
【世界はプニプニでできている】
プニプニ勇者は従者に触れてみた。
「ぷにぷにね」
イスに触れてみた。
「ぷにぷによ」
壁も床も石や木も、触れるものはみんなプニプニだ。きっと世界はプニプニでできているのだ。
しかし勇者は知らない。それは対象を通して自身のプニプニを感じているだけなのだという事を。
【物怖じしない】
「お名前は?」
「ゆうちゃ」
「勇者ちゃんか」
プニプニ勇者と出会ったばかりの村人が和やかに話している。勇者は物怖じしないので何処でもすぐに馴染む。人見知りの従者にとっては有難い。
「ぴゃー!」
「あ!」
しかし大人・子供・動物、何にでも突進するので気は抜けないのだ。
【勇者のこっち】
「勇者様、こっちですよー」
従者が呼ぶと、少し離れた所を歩いていた勇者が振り向く。
「こっちゅ?」
「そうです、こっちです」
分かったとばかりに頷き、勇者はそのままあらぬ方向へ歩きだした。
「そっちじゃないです!」
勇者の「こっち」は自分の行きたい方向なのである。
【ダンジョンのお約束】
・従者の手は離さない
・アイテムや物を勝手に触らない
・お話しするときはシーッて話す
・お仕事中の冒険者さんには飛びつかない
「勇者様、分りましたか?」
「わかる」
従者がダンジョン内のお約束について確認すると、プニプニ勇者はコクリと頷くが、守られた事はあまりない。
【ギルドの依頼書】
従者はスキルがほとんど無いので、冒険に出る時は冒険者ギルドに依頼書を出す。
その時は必ず「幼児の同行が可能な方」という条件を付ける。
「何これ?」
これを初めて見た冒険者は困惑し、そして出発時、本当に幼児のプニプニ勇者が来て、更に困惑するのだった。
「きたよー」
【風邪】
「そっと、そっと」
雨でもプニプニ勇者は外で遊びたがる。
「外は水がジャージャーだから、遊んだら風邪を引きますよ。そうしたら熱が出てアチチで、鼻水がジュルジュルで、喉がゼイゼイになるんですよ…」
従者が!
何故か勇者は風邪を引かず、従者だけ引いてしまうのだった。
【待っている】
プニプニ勇者が美味しそうなものをキラキラした目で見つめていた。
「たぺていい?」
質問されて困惑した従者は言った。
「勇者様、それはワンワンのおやつなので食べられませんよ」
ワンワン!
しかし当の犬が「食べてもいいよ」という仕草をするので勇者は待ち続けるのだった。
【瞬間移動】
プニプニ勇者は小さな眉間に可愛い皺を作って考えた。
(お?)
先程までダンジョンにいたのに、いつの間にか、いつもの部屋のいつもの布団で寝ているのはどうしてだろう?
「勇者様、起きましたか?」
全力で遊んでパタリと寝てしまう勇者には、偶に瞬間移動が起こるのだった。
【高確率】
「だっこー」
「勇者、今は無理だ」
「あしょんでー」
「危ないから離れててね、勇者ちゃん」
「おやつー」
「勇者様、顔にしがみつかないでください!前が見えません」
天井が低くて大人が屈まなくてはいけない場所では、プニプニ勇者が高確率で冒険者たちにくっついてくるのだった。
【やる気】
プニプニ勇者はやる気に満ちていた。走り、ジャンプし、従者にとびつき、アピールする。
「ゆうちゃよ!」
しかし従者はやる気の使い道が特に思い付かなかったので、食事に使ってもらう事にした。
「良く噛んで下さいね」
勇者は従者の言葉に頷き、いっぱいアグアグするのだった。
※お読み頂き、ありがとうございます!
楽しみにしてくださっている皆様も、初めての方も、お読み頂きありがとうございます!
少しでも気に入って頂けましたら嬉しいです。
こちらはTwitterでほぼ毎日更新しております。ご興味がありましたら、 #プニプニ勇者 で検索してみてください。
次回もよろしくお願いします!