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男装の騎士は異世界転移主人公を翻弄する  作者: こる.
第三章

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28/66

■□■3■□■

「やっぱり、仮面舞踏会イベントだったぁっ!」

 顔を覆って嘆くシュラの背を軽く叩く。

「内緒だと言っているだろう。大きな声で言うな」

 守秘義務はあれど、万が一仮面舞踏会だった場合は教えてくれと言われていた為、やむを得ず彼に伝えたとたんこれだ。

「バルザクト様、絶対に変な男に付いていかないでくださいね。この舞踏会は、人身売買まがいの、売春斡旋の現場なんです。万が一、あなたの身になにかあったらっ」

「女装しているのがバレてしまうな」

 シラッとそう答えれば、両肩を掴んだ涙目の彼が頭を横に振る。

「そうじゃなく! もしかしたら、そのまま喰われちゃうかもしれないでしょ! 身の危険を感じてくださいっ」

「喰われるって、私がか?」

 苦笑いしてソファに座る私に、彼は目前に跪いて私を見あげて真顔で頷く。

「薬を飲まされて身動きが取れないうちに、部屋に連れ込まれます。第一騎士団の隊長との好感度が高ければ、服を脱がされる前に救出されますが、そうで無い場合は……」

 濁された言葉に思わず顔をしかめる。

「ともかく、いまから好感度を上げるのは難しいですし」

「そもそも私が好感度をあげても、関係あるのか? それが関係するのは、ヒロインだけではないのか」

 私の指摘に、アッと声をあげた彼が、一層眉間にしわを寄せて悩み出す。

「やっぱり、自分がこっそり潜入して、万が一に備えましょう」

「第一騎士団が潜入捜査してる場にか? それに会場は貴族の邸宅だぞ、万が一見つかれば、犯罪者として首を刈られても文句は言えん。首一つで納まればいいが、最悪の場合、第五騎士団にまで累が及ぶ」

「じゃぁ、どうすればいいんですかっ」

 声を荒げる彼の肩を宥めるように叩いて、ソファから立ち上がる。

「どうもせずともよい」

「それなら、せめて、これだけは使ってください」

 そう言って彼が空中から取り出したのは、黒を基調とした布製の仮面だった。

幽幻蝶ゆうげんちょうの繭から作った、意識阻害の効果を持つ仮面です。流す魔力の量によってその効果が変わります。あとは、ナイフを装着できるガーターベルトと、これ革紐に見えますが立派な武器で、相手の隙をついてきゅっと締めちゃってください。あとはこの五本指の指輪も装備してくださいね」

「これは指輪ではなくて、ナックルダスターだろう」

「自分のとこでは、メリケンサックとも呼ばれていました」

 一目で武器とわかる物を持たせようとする彼に、押し返す、勿論ナイフなどの武器もだ。身を改められることはないと言い切れないのだから、不用意なものを持ち込むわけにはいかないだろう。

「せめて! せめて、この仮面だけは使ってくださいっ」

 仕方なく、懇願された仮面は受け取ることにした。


短すぎるので、今日はもう1本夕方UPします。

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