転生課受付窓口はこちらです
「はーい、次のお客様ー」
「あのう、転生を希望なんですが……」
「はい、転生ですね。ご希望のスキルはございますか?」
「そうですね、死に戻りとか出来ると嬉しいんですが」
「大変申し訳ございません、死に戻りはポイント不足のため取得不可となっております」
「ポイントですか?」
「お客様の生前の善行ポイントが10,245ポイントですが、死に戻りに必要なポイントが15,000ポイントなんですよ」
「あ、そんなに」
「ええ。まれに神様のミスで転生する方は特別にポイントが免除となるケースもございますが、今回そのケースには該当しておりません」
「そうですか。じゃあ、ハーレムが出来るスキルなんてありませんか?」
「御座いますよ。ハーレムの魔眼というスキルであれば、10,000ポイントで取得可能です」
「あ、それいいですね! じゃあそれでお願いします!」
「かしこまりました。では、保持スキルがハーレムの魔眼、転生先は馬のふんということで承りまし――「ちょいちょいちょいちょい」
「? お客様どうかなさいましたか?」
「いやなにその不思議そうな顔。おかしいでしょ、馬のふんって何よ」
「……お客様。馬のうんちのことで御座います」
「いや、それは分かってるから! そういう事じゃないでしょ! 馬のふんなんかに転生したらせっかくのハーレムの魔眼が台無しでしょうよ! うんこがどうやってハーレムを築くんだよ!」
「……どうやるんでしょうね?」
「無理だよ! ちょっと考えたら分かるでしょ! ……他にないの? もっとハーレムをいかせそうな体はさあ」
「えー、他にはゴブリンのふん、ハトのふん、それからスライムのふんなんていうのもございます」
「いやうんこから離れろよ!」
「そう言われましてもお客様の残りポイントでは……あ! いいのがありますよ」
「お? なんだよ、あるなら早くいってよ。どんなの?」
「標高5000メートルに住む異世界最強のレッドドラゴンです!」
「あー、いいけどね。でも人間じゃないからなあ」
「ご安心を。こちらのドラゴン、なんと人間に化けることが出来ます」
「ほんと!? いいじゃない! じゃあそれで頼むよ!」
「かしこまりました。では初期保持スキルがハーレムの魔眼、転生先はレッドドラゴンのフンで決定致しまし――「ちょいちょいちょいちょい!」
「? どうかなさいました?」
「だからその不思議そうな顔! うんこ大好き人間かお前は! もういい、ちょっと責任者呼んでくれる?」
「それ私です」
「お前が責任者かーい!」