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三匹の子豚、童貞捨てるってよ

ちょっとアダルトな内容です。一応、中途半端な擬人化設定です。苦手な方はご注意ください。

 母豚は、息子である3匹の子豚のことで悩んでいました。

 それは、彼らがもうじき成人するのに、まだ童貞だと言うことです。3匹の子豚は何故か恋人ができず、このままでは自分の子孫ができないまま永遠に童貞のままで終わってしまうのではないかと、懸念していました。


 そこで母豚は、知り合いの雌狼を家に招き、子豚が童貞だと言うことについて打ち明けました。

「聞いて、私の可愛い3匹の子豚は、まだ童貞なの。このままでは彼らが可哀想。私も孫の顔が見たいの」

 母豚はふっくらとした体型にエプロンを掛け、中途半端に伸びかけたボブヘアーに、薄化粧という出で立ちでしたが、雌狼は腰の辺りまでつややかな黒髪を伸ばし、切れ長の二重に、すっと高い鼻筋、下唇がやや厚く、紅い口紅が印象的な美人です。胸はふくよかで、腰のくびれと引き締まった脚は見るものを思わず淫らな気持ちにさせます。洋服は露出度の高いワンピースを好んで着ていました。

 母豚と雌狼は、年はそれほど離れていませんが、端から見ると10歳位は年が離れて見えました。母豚と長い親交のある雌狼は、困っている母豚を助けるために、また、自分の性欲を満たすために、一役買って出ることにしました。


「私に任せてちょうだい、きっと彼らを童貞から卒業させてあげるわ」


 3匹の子豚は、母豚から自立するように命じられ、それぞれ自分の小屋で生活していました。早速、ある日の夜更け、雌狼は1匹目の子豚の家を訪れました。1匹目の子豚は、わらで作られた小屋で、何ともみすぼらしい小屋でした。

 雌狼が1匹目の子豚の家の戸を叩くと、中から気が弱そうな子豚が夜更けの訪問者におびえた様子で顔を覗かせましたが、母親の友人と分かるなり緊張した面持ちで体を強ばらせました。

「めっ、雌狼さん……!一体、こんな夜更けに何のようですか」

「お母さんに頼まれたことがあってね。お部屋にお邪魔しても良いかしら?」

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!今、部屋片付けてきます!」

 何やら1匹目の子豚はとても慌てた様子です。早く部屋に入れて欲しいわ、と雌狼は思いましたが、子豚が扉を開けてくれるまで待つことにしました。

 程なくして、1匹目の子豚は、部屋を開け、雌狼を部屋に入れてやりました。薄暗い部屋に、小さなランプの明かりがともっています。しかしわらでできた家は隙間風が入り込んで寒く、雌狼は思わずくしゃみをしてしまいました。しかも、部屋の中もお世辞には綺麗とは言ません。

「すみません、僕、他の兄弟に比べて家を建てるのが下手なもので……」

 雌狼は子豚が寝るベッドを見ると、何とか自分も横になれそうな大きさでした。するとそこで、ふと、ベッドの下からは何やら怪しい紙のようなものが隠しきれずにはみ出ていたことに気づきました。

 雌狼は独特の嗅覚でそれを嗅ぎつけ、ベッドの下からはみ出ているその紙を取り出すと、なんとそれは、雌狼を隠し撮りし、引き延ばしたポスターでした。

「あら……これは」

 お茶を入れていた1匹目の子豚は、雌狼の様子に気づくなり、慌てて飛んできました。

「あわわわわ、何てことだ……!ああ、もう……!」

 1匹目の子豚は顔を真っ赤にしてうつむきました。子豚は、くせっ毛のある茶色の髪に、細身の体、服装はパーカーにスウェット、顔立ちは童顔で、これから成人する豚とは思えない幼さを感じましたが、かえって雌狼の母性をくすぐりました。

「あなた、私のことが好きなの?」

 直球の質問に、子豚は固まってその場から動かなくなりました。うつむいたままで、今にも泣きそうにこぶしを握りしめています。

「……こっそり隠し撮りなんて、良い趣味ね。他にもあるんじゃないのかしら?」

 そう言うと狼はかがんでベッドの下から大きな箱を取り出そうとしました。固まっていた子豚は慌ててそれを制止しようと手を伸ばしますが、雌狼の方が力が強く、制止することはできませんでした。

 大きな箱の中からは、沢山の写真が出てきました。彼は盗撮オタクだったのです。様々な雌狼の写真が出てきました。そこにはあられのない雌狼の姿も……。

「ああ、僕はもう生きていけない……」

 自分の秘密を知られてしまった子豚は、絶望に満ちた眼差しでその様子を一瞥し、背を向けました。しかし、雌狼はその子豚の背中を抱き締め、耳元でこう告げました。

「あなたのお母さんに、あなたのことよろしく、って頼まれたの。あなたが私に好意を持っていたことは知らなかったけれど、嬉しいわ。ねぇ、今晩は私に身を任せて……」

 ぞっとするほど色気のある声に、子豚は頭の裏がしびれる感じがしました。

 そして、1匹目の子豚は、晴れてその夜、童貞を卒業したのです。



 *


 次の晩、雌狼は2匹目の子豚の家を訪れました。2匹目の子豚の家は木の枝でできた家でした。早速、戸を叩くと、中から無愛想な表情をした子豚が顔を覗かせました。

「……ああ、あんたか。何のようだ?」

 年上に対しても敬語を使わない不遜な子豚でしたが、2匹目の子豚は昔からこんな様子なので、雌狼は大して不快に感じることもなく、

「お母さんから頼まれごとがあって来たの。中に入れてくれるかしら?」

 と言いました。すると2匹目の子豚は扉を開け、無言で中へ入るように促しました。

 2匹目の子豚の家は、1匹目の子豚の家とは違って、必要以上のものは置かれていない、質素な家でした。この子豚は、あまり他人との交流を好まず、木こりとして生活していました。少し寝癖が立った黒髪に、白いTシャツ、短パンという出で立ちでしたが、3匹の中では一番筋肉質で、手の平は斧を酷使したせいか擦れた痕が残っています。

 木でできた机と椅子に向かい合った二人ですが、2匹目の子豚が何も言わないので気まずい雰囲気が流れました。あまり女性に関心があると言えなさそうな雌狼は、なんと言って2匹目の子豚に迫ろうか考えました。

 すると唐突に、子豚は、

「用事があるんじゃないのか?」と尋ねました。

 そう言われた雌狼は、ふとこの不遜な態度を利用してお仕置きしてやろうと思いつきました。

「お母さんにね、あなたにお仕置きして欲しいと頼まれてきたの」

 雌狼の言葉に、子豚は些か驚いて目を丸くしました。

「……は?」

「あなた、年上の人に対して言葉遣いがなっていないでしょう。そのまま大人になると上手に生活していけないわよ」

 雌狼は前に乗り出し、じっと子豚の目を見据えて言いました。子豚は雌狼の目力にたじろぎ、ふてくされたように目をそらしました。

「ちっ……なんだよ、説教か。俺は木こりとして生活できるから良いんだよ。説教ならさっさと帰ってくれ。大体なんでお前にせっきょ、……うわあっ!」

 ぶつくさ文句を垂れる子豚の発言を遮るように雌狼は立ち上がり、机の上に肢体を乗り上げて子豚の顎を指で持ち上げました。

「なな、なんだよ!」

 間近で見る雌狼はとても妖艶で、色っぽく、女性慣れしていない子豚はしどろもどろになってしまいました。慌てて手を振りほどこうとすると、雌狼がそれを制止します。

「あなたには、年上を敬う術をきっちりたたき込んでやるわ。さあ、こっちへいらっしゃい」

 すらりとした見た目よりずっと力のある雌狼は、筋肉質な子豚すらも半ば強引にベッドの上に引きずり、そして押し倒しました。

 最初は抵抗した子豚ですが、途中からはなすすべもなくなり、結局童貞を卒業することになりました。


 *


 最後の晩、雌狼は若干疲れを見せた様子で3匹目の子豚の家を訪ねました。1匹目、2匹目と、童貞の子豚にもかかわらず、スイッチが入るとかなりのハイペースで、朝まで付き合わされてしまいました。そのため、いくら性欲が強い雌狼と言えど早く3匹目の童貞を卒業させ、母豚に報告しようと思いました。

 3匹目の豚の家は、レンガ造りの立派な家でした。扉を叩くと、中からスーツ姿の折り目正しい子豚が姿を現しました。

「雌狼さん、どうされました?こんな夜更けに」

 穏やかで優しい声は、雌狼の耳に心地よく響きました。そういえば、昔からこの子豚は人当たりが良い子豚だと思い出しました。

「ちょっとお母さんから頼みごとをされてね。中へ入っても良いかしら?」

 そう言うと、子豚は快く中へ迎え入れて、ソファに座るよう促されました。まだ成人していないにもかかわらず、社会人として働いていた彼は、金銭的にも他の子豚に比べて余裕があるのか、センスの良い家具がいくつか並べられていました。

「なんでスーツ姿なの?」

 夜更けなのにスーツ姿のままの子豚に、雌狼が何気なく尋ねると、子豚は台所でお茶を入れながら「今日は残業で遅くなってしまったんですよ」と言いました。

「なるほど、大変ね」

 彼は3匹の子豚の中で一番顔立ちが整っており、綺麗に分けられた前髪に、眼鏡姿で、何故彼が童貞なのか不思議な位でした。

 子豚はソファの前の小さな机に二人分のお茶を差し出し、自らは反対側のソファに座りました。

「お疲れのところ来てしまってごめんなさいね」

 雌狼は、お茶を一口含み、適当な世間話から始めました。

「いえいえこちらこそ、雌狼さんも、いつもよりお疲れのように見えますが」

 子豚は嫌な顔一つせず、雌狼と会話をします。2匹目の子豚とは対照的でした。

「ええ、ちょっと私用でいくつか疲れることがあってね」

「それは大変ですね」

「あなたこそ大変ね。他の2匹に比べたら一番立派じゃない」

「いえいえ、そんなことありませんよ」

 そんな他愛のない会話をしているうちに、雌狼は強烈な眠気に襲われました。さすがに二日連続はまずかっただろうか、そう思いましたが、この眠気は異常とも言るものでした。思わず持っていたお茶のカップを落としてしまい、ぐらりと床の上に倒れ込みました。

「ど、どうしました!?大丈夫ですか?」

 子豚が雌狼の異変に慌てて駆け寄り、雌狼の上体を起こしてはそっと抱き締めました。子豚の服からは香水の良い匂いがします。

「あれ、私……どうしちゃったのかしら……」

 子豚の声すら、雌狼には遠く聞こえ、視界はぐにゃりとゆがみ、そして気がつくと意識を失っていました。


 雌狼が次に目を覚ました時、そこは薄暗い部屋の一室でした。何故か四つん這いの上体で裸にされ、そして両手両脚が手錠で繋がれています。そして、顔を上げると、部屋の隅に口元をゆがめた子豚が立っていました。

「目が覚めましたか?雌狼さん」

「……あなた!これは一体何……?」

「ふふふ、実は私には、SMに興味があるんですよ」

 それは衝撃的な告白でした。母親が聞いたら驚いて卒倒してしまうかもしれません。

「最近ようやく完成した、とっておきの部屋ですが、実践する相手を探すのに苦労していました。でも、あなたなら、きっと、耐えられるはず……!そう思ってここにお連れしたんです」

 子豚の手には鞭が握られています。雌狼は、今までされたことのない行為に恐怖心が芽生えました。

「さあ、始めましょう――ッ!」


 思わぬ出来事でしたが雌狼は、初めての行為にとてつもない快感を覚えました。そして、童貞だったと思われる3匹目の狼も、流れで無事に童貞を卒業することができました。


 *


 後日、雌狼は母豚に無事に3匹の子豚が童貞を卒業できたことを報告しに行きました。

「ごめんなさいね、変なこと頼んじゃって。でもね、あの子達、急に顔つきが変わって、何だかとっても生き生きしてるの。きっとあなたのおかげよ、ありがとう」

 母豚は雌狼の手を握って何度も上下に振り、そしてお礼として雌狼の好物である鹿の肉をプレゼントしました。

「ありがとう、早速家に帰って調理するわ」

 雌狼は、家に帰り、裸になりました。相変わらず滑らかな曲線美を描く体つきですが、背中を鏡に映すと、うっすらと、鞭の痕が残っています。その鞭の痕を眺め、雌狼はうっとりとした心地になりました。性欲は満たされましたが、何よりも、雌狼は自分がM属性だったということに気づたことが一番の収穫であり、これからはもっと新しいプレイに挑戦してみようと思うのでした。


 おしまい。



過激な内容を書きたかったのですが、一応童話なので自重しました。

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