記憶(2)
更新遅れました(汗)
それは秋の夕暮れのときだった。寒い木枯らしが頬を撫でる、そんなとき。
一人の男がレオに歩みよった。
レオは元々警戒心が強い。近づいてくる男に対して一歩、間合いをおく。
あの一言が飛び出るまでは…
「君のお母さんの病気を治したくはないかい?」
それは、とてつもなく甘美な響きを持った言葉。
レオの母親の病気は不治の病と医者から評されていた。
ごくっと固唾を飲む。
確かに、それが本当ならば喜んで男に付いていくところ。
しかし、本能が危険だと警報をけたたましく鳴らしているのだ。
「ど、どうやって…」
「特効薬を、偶然作ることが出来てね。まだ試作品だが効き目は保証するよ」
特効薬…。
冷や汗が一筋背中を伝った。
「代金は?」
男がクスッとほくそ笑んだ。
「王の秘宝…」
王の秘宝…?
名前だけは聞いたことがある。何でも、王座を勝ち取った者に受け継がれて行く伝説の宝石だとか。
誰しも見られるわけではない。謁見し、触れることができるのは王が心から愛した者のみ。
秘宝に対しての権利を持っているのは現王様だけだ。
「そんなの、俺には無理だ。俺は実物を見たこともない」
「そうかな?君の友達を使えば…不可能ではないだろう?」
「何言って…」
とても嫌な予感がした。
「賢い君なら分かるだろう?ティアナ姫のことだ。あの姫はいい駒になる」
「駒…?ティアナは道具じゃないっ!…俺の友達だ!」
「くくくっ…君は最高だよ。まあ、いい。今選べ。この特効薬で、母親を助けるか…。それともティアナ姫との友情を守るか。2つに一つ」
男は内ポケットから錠剤の入った小瓶を取り出し、これみよがしに振って見せる。
レオは唇を噛み締めた。
卑怯で最悪な決断を求める。
結局、レオは男の条件を飲み込んでしまったのだ。
母親の、家族の命の尊さを知っているから…。
部活などで忙しいので、これからは土日と部活が休みの水曜日にしか更新ができなくなります。
もし、この小説を読んで下さってる人がいたら
すみません。




