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第8話:記憶(1)


こんにちは〜

8話ではアッシュくんの記憶のお話です

『レオ』、貴方がお父様の宝物を盗んだのね・・・・


『レオ』、お前がこの女を殺せ!


『レオ』、助けて・・・。こんなお母さんを赦して・・・



思い出した・・・・。

血に濡れた手を呆然と眺め、ぽつりと心の中で呟いた。


俺は「アッシュ」じゃない。

俺の本当の名は・・・・『レオ』


記憶の始めは5年前。

アッシュがまだ、レオだったころの話・・・。


--------------------------------------------------


「母さん、大丈夫?」


ベッドに寝込む母親の衰弱した顔を覗き込みながらレオは心配そうに聞いた。

母親は昨年から重い病にかかり、それからベッドに臥せた生活を強いられていたのだ。

医者から先ほど受け取った薬を取り出し、水と一緒に手渡す。


「大丈夫だよ。今日は調子がいいから」


白い顔に微かな笑みを浮かべて言う。


「そっか。じゃあ、俺、仕事に行ってくるな」


「気をつけて行ってくるんだよ」


頷いて家を出る。

向かう先は王家の城。レオは城内の雑務を毎日こなしていた。


元々、王家に仕えられたのも母のおかげだった。

病気になる前は一番末のティアナ姫の世話係だったのだ。

ティアナ姫とはずいぶん仲が良かったらしく、姫が王に直接レオを城内の仕事に

つけるように懇願したというわけだ。


「レオ、レオ」


俺が人気のない廊下で窓ふきをしていると、背後から自分の名を呼ぶ声が聞こえた。


「ティアナ・・・また部屋を抜け出したのかよ」


半ばあきれ顔で言う。

レオもまた、母と同じようにティアナと仲良くなり、仕えて一年目の今では

お互いを名前で呼び合うほどに仲良くなっていた。


「あら、いいじゃない。どうせ次は退屈なお作法の授業ですもの」


「そうだな。ティアナには作法なんて似合わないし」


「お外で遊んでいるか、レオとお話をしている方が何倍も楽しいわ。窓ふきはあとにして

私と遊びましょ?」


ふふっと優雅に笑ってティアナが手招きをする。

それに対し、レオは困ったような表情をした。いくら姫の誘いとあっても

今は仕事中だ。


「俺、今仕事中なんだけど。これ終わってから遊ぼうぜ!今日はこれで仕事終わりだからな!」


「そうね。じゃあここで見てる」


ちょこん、と階段に座って屈託なくわらう。


「おう。すぐに終わらせるから!」




第8話は何回かによって分けさせていただきます。

次からは第9話とせずに「記憶(2)」というように

表示させていただきますのでよろしくおねがいいたします。

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