第11話:悪夢
ここ…何処だろう?
全部が真っ白だ。
空の青色も砂漠の砂の褐色もない。
歩いても歩いても、白以外には出逢えなくて―…
「レオ、レオ」
「! 誰!?」
「もう忘れられちゃったのね…」
悲しそうな声。
「…母さん?」
「久しぶりね、レオ」
ふふっと母さんの声が笑う。
つられて俺も微笑む。
久しぶりの感覚だ。
「幸せ」以外に表現しようもない。
ずっとここに居たい。
そう強く思った時だった。
「何で…お母さんを殺したの?レオを愛してたのに」
残酷な問いかけ。
一瞬にして周りの白が真っ黒に染まってゆく。
「なぜ俺を殺した…!」
父の声と共に血まみれの体がぼうっと浮かび上がる。
「なぜだ!なぜだ!なぜだ!なぜだ!」
死体と化したそれが鬼の形相で幾度も問う。
1人2人と増え、レオを囲んだ。
「あっ…」
言葉が出てこない。
恐怖が、震えが全身を支配して体が言うことを聞かない。
その場にしゃがみ、きつく目を瞑り、耳を塞いだ。
そうしてもなお、沢山の声が頭に直接流れ込んでくる。
「やめろっ…やめろ…!」
掠れた叫び声さえも憎悪の声に掻き消される。
「こんなのは嫌だ…!」
「死んで償え!」
「そうだ!死ね!俺たち見たいに血まみれで死ねよ!」
死体たちが一斉に襲いかかってくる。
ナイフを持って。
「うわあああああああっ!」
「レオ…お母さんと死にましょう?2人なら怖くないわよね?」
レオの視界は真っ黒に塗りつぶされた…─




