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第1話:始まり

【おれは一体なにもの何だ?】



自分自身に問いかける。

記憶がないまま過ごし始めて、もう十日が経とうとしていた。

俺の一番初めの記憶は十日前に砂漠の真ん中に放り出されたところで途切れ、

それ以前の記憶は一切ない。

蒸し暑い砂漠を命からがら渡り、現在は親切な老夫婦が貸してくれた馬小屋

で寝泊りしていた。



【わからない、何もかも。】



混乱はしていたが、泣いて叫ぶほどではなかった。

自分でもこんなに落ち着いているのに驚いている。

実は、自分が忘れた記憶はそんなに大事なものではなかったのかもしれない

と最近、割り切り始めていた。

不便なことと言えば、名前がないことくらいだろうか。

お金はたくさんある。腰につけていた革袋に金貨や銀貨が数えきれないほど

入っていたのだ。

きっと、前の自分は貴族か何かだったのだろう。

どっちにしろ、自分の忘れ去られた過去には興味は持てない。

ウジウジ考えたってわからないものはわからないままなのだ。

明日からは仕事を探そう。これ以上、この心優しい老夫婦たちに迷惑をかけるわけには

いかない。あの人たちだって口には出さないが、自分たちを食いつないでいくので精いっぱいのはずだ。

俺がここにいるのは今日で最後にしよう。



そう思いつくが否や、俺は藁の上に立ち上がり、馬の鳴き声の間をすり抜け

ながら、老夫婦の自宅へと向かった。


第一話、どうだったでしょうか?


まだまだ始まりの一端にすぎません。

更新が遅くなることもあるかと思いますが、

温かい目で見守ってやってください

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