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I=BLADE  作者: くろのす
無形の剣
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無形の剣【 模擬戦闘 3 】

私は次の試合まで少し時間があったので、レイナルドのいる白グループの試合を見にいくことにした。



(お?レイナルド試合中か。)



私は観戦者の中にあいつを見つけたので声をかけた。



「よー」



「ん?…お前か。」



「なんだよー、まだ照れてんのかレオっちー」



「うるせぇ、へんな呼び方すんじゃねぇよ」



「またまたーw嬉しいくせにーw」



声をかけたのはレオンだ。

私はレオンを煽った。



「お前試合終わったのか?」



レオンがそう問いかける



「終わったぞー」



「勝ったのか?」



「当たり前だろー、少し火傷したけどな」



私は火傷して処置した腕をぴらぴらと振ってみた



「あっそ」



「なんだよー、冷てーなー。」



私はレオンの隣に座り、レイナルドの試合に目を向けた。



「見る限りレイナルドは魔剣士だな」



レイナルドの剣に精霊が宿っているのか、白い電気のようなものが光っている。



「相手の戦闘型は?」



「信仰による魔術師だ、同じAクラスの」



「ふーん…勝てそうか?」



「まあ、このままいけば大丈夫だろ、相手はレイナルドから距離を取ってばっかりだからな」



レオンはそう答えた



ズガガガ!と何かが弾けるような音が聞こえた。

剣の雷が相手に当たったのだろう。



「終わったな。」



「みたいだなー」



試合はレイナルドの勝ち

周りの観戦者は相変わらず、うおおおおお!と声を張り上げている



しばらくするとレイナルドが観戦者に賞賛されながらこっちにきた



「お疲れ」



レオンがそう声をかける



「おう、お疲れさん」



レイナルドもそれに答える



「おつかれー、レイナルドお前強いなー!」



私はレイナルドの肩を叩きながら賞賛する



「ソフィアも来てたのか!いやー、なんか恥ずかしいなぁw」



「いやいや、お兄さんかっこよかったぞーw」



「おほほw嬉しゅうございますwさ、次はレオの試合だな」



「…おう。」



レオンは立ちあがり、少し不安そうな顔をした



「そんな緊張すんなよー、頑張れレオー」



私はレオンに応援の言葉をかける



「お前に言われなくても」



「つめてーなー」



私達は3人で黒グループの試合場へ向かった。





試合場にて。




「じゃ、行ってくるわ。」



「おう、ほどほどにな」



「ほどほどにやられてこいよーw」



「ウザ。」



「流石の私もそれは傷つくぞー!」



レオンはそう行って試合場へ向かい、私達は、観戦席にむかった



「おいおい…黒グループの試合、なんか人多くねーか?」



「…そうだな」



レイナルドが何故か少し元気が無くなったように見えた



「まあ座ろうぜ!」



私はレイナルドにそう提案した



「…ああ。」



空いている席に私達は座った。



「黒グループ、第1試合、Aクラス 〈レオン = シャムロック〉! 前へ!」



ざわつく周りの観戦者



(なんでレオが出て来ただけでこんなに騒いでんだ?)



「なぁレイナルド、」



レイナルドに問いかけようとした時、耳に入った会話で謎が解けた



「シャムロックて、あの?…」



「そうそう、あの人、災厄の異名を持つ、魔術師シャムロックの末裔らしいよ」



「ええっ、やっぱりそうなんだ!」



(そうか、だからこんなにも人が多いのか…災厄の魔術師の末裔か…)



なるほどと納得し、レイナルドを見る。



「…」



レイナルドは少し、悲しい表情をしていた

そうこうしている内にレオンの試合が始まる時間になった。



相手の生徒はレオンに問う



「災厄の魔術師の末裔がどれほどのものかしらねーけど、所詮伝説じゃねーのか?」



「…」



レオンは黙っている。




試合開始まで2秒



1…



0…



試合開始と共に大きい音と眩しい光が放たれ、観戦者全員がその瞬間を見逃した


光がなくなり、試合場を見た者はその光景に驚いたが理解出来なかった



「なんだ、これは…」



観戦していた者はからそんな言葉が漏れる。



「ひ、ひ…」



対戦相手は気絶

それもそのはず、自分立っている場所を除き周りの25メートルほどの範囲、地面が抉れてしまっているのだ、たった一瞬、1秒もなかっただろう。



「し、勝者 〈レオン = シャムロック〉! 」



観戦者はざわつくばかりでレオンに賞賛の声は上がらなかった。




しばらくしてレオンが戻って来た。



「お疲れ。」



「…おう。」



レイナルドに対してレオンはそれだけしか返さなかった。



「レオ。」



私はレオに話しかけた。



「…なんだ。」



レオンはこちらを向かずそう答えた。



「すげーな!お前!めちゃくちゃつえーじゃん!」



レイナルドは驚いた表情で私を見ていた。



「なにしたんだあれ!一瞬すぎてわからなかったぞ!」



私は笑いながらレオンを讃えた。



「お前…」



「ん?」



レオンがこちらを向いた。

だがレオンは怒りに満ちた表情を浮かべていた。


私は襟を掴まれた。



「なんだ?」



私は笑顔のまま問う。



「お前、俺を馬鹿にしてるのか?…」



「おい、レオやめろ!」



レイナルドが止めに入る



「俺が何て呼ばれてるか知っていているんだろ…」



「厄災の魔術師の末裔」



私は即答した。



「!!…それをわかっていて、今ここで!人がこんなにいる所で!俺に賞賛の言葉を送ったのか!」



「おい、レオ!」



「お前、周りの目気にしすぎなんじゃねーの?」



私は淡々と続けた



「厄災の魔術師の末裔がなんだってーの?お前厄災の魔術師じゃねーじゃん。なのにそんな気にするの?馬鹿なの?」



「…なんだと…」



レオンの顔が更に怒りに満ちる



「 『そ ん な こ と』だと…?」



私は ああ、殴られるかな と覚悟していた。



「レオ、やめろ。」



レイナルドがそう告げる



「…。」



レオンの顔は怒りから悲しみに変わっていくのがわかった。



「レオ、少し熱くなりすぎだ、落ち着け。」



「…。…そうだな。」



レオンの手が私の襟から離れる。



「少し、外で風に当たってくる…レイナルド、お前次試合だろ。負けんなよ。」



「おう、任せろ!」



レイナルドはそう返事をした

レオンは私には何も告げずにその場を立ち去った。



「…悪いな、ソフィア」



「いや、気にしてねーから大丈夫だー」



レイナルドは少し困った顔をしながら、はははと笑った



「まだ、試合までには時間あるし、移動しながら話そうか。」



「おー、わかった。」



私達は黒グループの試合場を出た。














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