表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
I=BLADE  作者: くろのす
無形の剣
4/35

無形の剣 【 模擬戦闘 2 】

生徒は今回の模擬戦のルールを説明する



「グループを4つに分け、そこでトーナメントを行います。勝ち上がった4人で最後のトーナメントとなります。」



先生により赤、青、白、黒、4つのグループに分けられた。

1グループごとに審判として先生が参加するようだ。



「やぁ」



私が体育館の隅で座っていると、1人の男から声をかけられた



「お、やほー」



私は軽く手を振りつつ、確認した



(レイナルドと、もう1人。)



「…」



男は何も言わずにこちらを睨んでくる



「おー、お前さっき狼男と戦ってた魔術師ー」



男の顔が更に怖くなった

そしてレイナルドが言う



「こいつはレオンって名前なんだ。」



「おい、勝手に名前教えんなよ!」



「いいじゃないか、レオ、お前も友達増やせ」



「ちっ…」



この男はレオンと言うらしい

レイナルドからは愛称でレオとよばれているのだろう。




「ごめんなソフィア、俺こいつと幼馴染でさ、昔から無愛想だけどいい奴だから仲良くしてやってくれるか?」




「おお、いいぜ、よろしくなレオン!」



私は明るくそう告げたが男はそっぽを向いて返事をしない。



(無視かー…)



「ごめんね、照れてるだけだから許してあげてw」



「お?w照れてるのかw仕方ないのぅ仕方ないのぅw」




レイナルドがそうニヤつきなが言い、2人で悪ノリを始める



「照れてねぇよ!」



「必死になるあたりがなぁw」



「おほほほw若いっていいわねぇw」



私もレイナルドに続いてレオンをいじる



「違ぇよ!」



レオンが必死に否定している中アナウンスが流れる

〔 模擬戦第1試合を始めます、新入生は各グループの会場へ移動してください。〕



「お、そろそろ始まるか」



「そういや、ソフィアは何色のグループ?俺は白だったよ」



レイナルドはそう告げる



「私は赤だ、レオンは?」



「黒。」



「「似合ーうw」」



「うるせぇ!」



レイナルドと2人でレオンをからかい、私達はそれぞれ試合に向かった。





赤グループ試合場にて



最初の模擬戦は私からのようだ。



「赤グループ、第1試合 Cクラス 〈ソフィア = シュミット〉 !」



(クラスまで読み上げるのか、まあ別にいいけど)



「対戦相手 Bクラス 〈ラウロ = フィオラヴァンティ〉 !」



私の初戦の相手は一つ上のBクラスの男だった



「Cクラスが初戦の相手か、まぁいい、すぐ終わらせてやる」



男は私にそう告げ、余裕の表情を浮かべる



「えらく自信満々だなー、Bクラスの人」



私も相手を挑発するが、先生に言葉を遮られる。



「両者、静かに。説明します。直径100メートルの円の中で戦っていただきます。100メートルの境界線に魔法防護膜がありますので、派手に魔術他使ってもその円の外には被害は及びません。」



観戦者に被害が行かないための配慮である。



「その円から出たら失格。降参有り。殺し合いではなく模擬戦闘という事を忘れずに。」



「はーい」



「ふん…」



「以上。質問はないな、カウントが0になれば戦闘開始だ。」



そう言って審判の先生は距離を取る

カウントは残り10。



「下位クラスの女。」



男は私に話しかけてくる。



「あん?」



「殺しはダメでも、四肢は奪っても構わないよな」



(…ふーん、そんなに自信あるのか。)



「いいんじゃねーの」



カウント残り3



男はニヤつく。



「それは良かった。」



2…



1…



0のカウントで試合開始の合図の音がなり、私達はお互いに距離を取る



すると男は空間から剣を出した。

この世界では珍しくもなんともない。当たり前の光景だ。



(片手剣…長さは80センチあるかないか…刃の幅は広く、大きい。)



私は冷静に男の剣を分析する



「さあ、お前も武器を出せ、それとも魔法か?魔術か?獣化ならば変身しろ。」



「…。」



(相手の体は大きい。その持つ剣もそこそこ重いだろうから動きは遅い…)



私は40センチ程度のダガーを同じように空間から出す



「は、なんだその玩具のような剣は。」



男は私に侮蔑の表情を浮かべ

剣を振りかぶり飛びかかってくる



「そのような剣では話にならん!剣ごと叩き潰してくれる!」



だがその剣は空を切った。



「お前みたいな大きい奴にはこれくらいがちょうどいいんだよ」



私は剣を避け、足、腕と切りつけた



「!?…」




男は1度驚きの表情を見せたが、再びニヤつきながらもう一度、更にもう一度と剣を振る。


私はそれを当たるか当たらないかの距離で避ける




「ぐぅ!」



男は何度も避けられ、自分の攻撃は当たらず、代わりに男は反撃をくらい、血を流し、苦悶の表情を浮かべる。



「タフだなあんた、あんまやると血無くなって死んじゃうぞー。それにあんたもまだ本気出してないだろ?」



「…ふん、たかがこの程度大したことではない。お前のような下位クラスの奴に見せるのももったい無いのだが…お望み通り、こっからは手加減無しで本気で相手をしてやる。」



(やっぱり、なにか隠してたなコイツ。)



男は目前に剣を構え、呪文を唱え始める



「火の精よ、我が身、我が剣に宿りたまえ。」



(ふーん…精霊魔法の魔法剣ね。)



男の剣が赤く熱され火を纏う、男からは赤く漂うオーラが出ていた



「いくぞ。」



男からニヤけ面が消えていた。


先ほどと同じように飛びかかり剣を振るが

私は再びそれを避ける。



「剣振るの早くなっただけで変わんねーじゃん」



私がそう言うと、男はニヤつきながら言った



「そうとは限らんぞ。」



「あん?」



振り下ろされた剣から火が放たれ周りの空間を燃やす



(おっと…)



咄嗟に避けるが相手はその隙を見逃さない追撃。



(熱…)



紙一重で避けるが無傷とはならなかった。



「女。この火剣の追撃を避けるとはなかなかやるな。」



「どーも、お褒めの言葉を頂き、感謝感激でございますー」



私は挑発まじりにそう言う。



「ソフィアと言ったか。お前のような奴がCクラスとは…それになぜ本気を出さない。今時接近戦闘特化型ではないだろう?俺と同じく、精霊による魔剣士かそれとも、信仰による魔術師か。」



男がそう聞いて来たので、素直に答えてやることにした。



「…私は魔法や魔術がつかえない。」



周りの生徒がざわつく、男も驚いている。

何故なら今の時代この世界では魔法を使ったり、精霊を使役したりと生身だけで戦うものは少ない。

むしろ魔法や魔術がつかえないのは致命的である。



「なんだその顔。私は魔法や魔術がつかえないとは言ったが0ではない、ただ一般的な魔法、魔術が使えないだけだ。火や水、風とか。でもただ私には昔から使える、たった一つの魔術を使える。誰も見た事も書いた事もない魔術を。」



「ほう…ではその魔術をつかってみせろ。」



「断る。あんたはそれを使うに値する相手じゃねーからな。」



私は即答した。



「…そうか。Cクラスなのは一般的な魔法、魔術が使えないからか…恵まれた身体能力だが才能には恵まれなかったのだな。」



男は少し残念そうにそう言った。



「そうだ、だから」



「くだらん。」



私の言葉を遮るように、男は言い放った。



「本当は魔法や魔術がただ使えないだけか、もしくは何らかの理由で嘘をついて下位クラスに潜り込んだのだろう。そんなくだらん嘘を吐いて時間稼ぎするくらいならば、ここで負けて、この学校から去れ。」



男は目にも止まらぬ速さで私を切りつける。

男の本気の一振りだったのだろう。



「死ね。女。」



剣を振り下ろす、男の剣のせいで100メートルの範囲は焼けた

だが男の剣は当たらず、私は男の後ろに立っている。



「誰が死ぬんだ?お前か?」



「!?」



男は驚きの表情を浮かべ、私に問う。



「貴様…なにをした…」



男は剣を落とし膝をついた。

私はその問いに答える



「別にー。お前には教えない。」



男の剣から火が消え、周りの火も消え、男は体から血を吹き出し倒れる。



試合終了の合図が聞こえず私は先生に言う。


「ほら先生。私の勝ちだぜ」



「…ああ、勝者Cクラス 〈ソフィア = シュミット〉!」



「いえーい」

私はVサインをするが、周りの観戦者たちはシーンとしている。



(え、なに。私悪いことしたか?)



だがそうではなかった。



「「「うおおおおおお!!!」」」



見ていた観戦者たちは驚いて、静まり返っていただけだった。

何故なら上位クラスの人間に勝てる下位クラスの人間は少ないからだ。

相性他いろいろな条件が揃わなければ勝てない。

それほどまでに力の差は歴然なのである。



「う、うおー…」



私は観戦の勢いに驚きながら試合場を出た。



「凄いなあんた!」



「やるなぁ!」



「かっこよかったぞ!」



観戦していた人達から賞賛の言葉を送られ、驚いて、少し戸惑ったが



「あ、あはは、どうもー…」



と愛想よく、処理できたのでよしとしよう。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ