パーティ 【 月の国1 】
白く輝く星の国《 Galthie 》。
月にはガルティエの一国しか存在しない。
以前は国がいくつか存在したが、今はガルティエがすべての土地を統治している。
国、つまりガルティエのトップに居るのは皇族ガルティエ。
故国王は、国で最も強いと言われる信仰特化魔術師であった。
魔術だけでなく剣の腕も一般兵士よりも達者である。
そしてその娘の現王女、 ソフィア=ガルティエ はその国王に勝るとも劣らない強さの魔術師である。
ソフィアの強さは、固有魔術しか使わないことにあり、その固有魔術の開発力、研究力も並大抵のものではない。
固有魔術ゆえに対策が難しく、原理も一般人には理解不能なものが多い。
「ソフィア王女」
「…。」
ソフィアは黙ったままだ。
「前国王が死去して以来、各地で紛争が勃発しており、地球からの観光客他、国民にも被害が及んでおります。このままではいつ反乱軍としてこちらに牙を向けてくるかわかりません。早急に対処を。」
中年の男がソフィアにそう告げる
「わかっておる…」
ソフィアはそう答える
ガルティエが統治しているとはいえ以前ガルティエによって潰された国の残党は存在しガルティエをよく思わない者もおり、そして最近は不可解な事件も多くなっている。
「シュミットを呼べ。」
ソフィアはそう命令をした。
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「何の用だよ。姫さん。」
彼はシュミット、名前はそれだけ。
前国王に拾われた子で今は国王軍の大将である。
「王女様に向かってなんて口の聞き方だ!」
側近である男がそう声を上げた
「構わぬ、用件は各地の紛争を制圧してきてほしい。」
「断る。」
シュミットはソフィアの命令を即答で答える。
「俺たちは前国王に仕えていたんだ、アンタじゃない。兵士たちとまともに会話も、そして顔も見たこともないような王のために俺の兵士たちを死なせるわけにはいかない。」
「兵士であれば国ため、王のための戦うのは当たり前のことであろう!」
再び中年の男が声を上げるがシュミットはそれに対して冷静に答える
「前国王の場合は俺たちも全力で戦った、だがそれは前国王だったからだ。外の世界を知らない姫さんには分からないだろうがな。」
「…ふむ。」
ソフィアは小さく頷いた。
「ならばよい、下がれ。」
ソフィアはそう言ってシュミットを帰らせた
「王女様、よかったのですか?」
「シュミットが言っていることも一理ある。良いのだ。」
ソフィアは不適な笑みを浮かべた。
「目にものみせてやる…」