パーティ 【 役割5 】
私の構えた二本の剣。
レーヴァテインは一振りで50メートルほどを焼き尽くす灼熱の剣。
ガルティエの宝剣は攻撃的な剣ではない。だがその剣が持つ能力は一級品である。剣自体が損傷した場合、自動修復する。
「死ねやクソ師匠!」
私はその剣二本で猛攻を繰り出す
「あちぃなその剣!」
まだ余裕を見せるダビデ
その片手とは思えない速さで自身の持つ鎚を振り下ろす。
「ぐっ…!」
私はその鎚を紙一重で避けるが
避けても雷の追撃がくる。
私は距離を取るが、ダビデもその距離を離さず追いかけて追撃。さらに追撃と攻撃を辞めない。
「わははは!」
「いつまでも余裕ぶんなよおっさん!」
私の秘策1
無形の剣はなにも近接武器だけではない。
無数の弓矢から放たれる矢がダビデを襲う。
「おおお!?弓矢とかずるいぞお前!」
「うっせぇ!これも私の魔術だ!」
十分に距離を離した所で私はもう一度剣を構える。
「今度のは余裕ぶってると死ぬぞくそ師匠!」
ダビデも何かを感じとったのか構える
私の秘策2
原始種の脚装具。
「!?」
ダビデは驚いた表情を見せる。
何故なら離れていたはずの私が今目の前で自身を斬ろうとしているからだ。
「ぐっ!」
ダビデはギリギリでその剣を止めるが私の剣は二本だけではない。
無数の剣がダビデに降り注ぐ。
ダビデは私から距離をその無数の剣を捌く。
「くらいやがれ、クソ師匠!」
度重なる追撃片手では防ぎきれない。
身体中に傷を負っている。
私はそんなダビデに再び攻撃を仕掛ける。
「ぐふぅっ!」
だがやはり私の剣は届かず、ダビデに蹴り飛ばされる。
「…なかなか、やるじゃねぇか馬鹿弟子。だけどこんな攻撃じゃ全然足りねぇな」
身体中に傷を負いながらもピンピンしているダビデ
「ぐ…さすが化け物だな…げほ!」
口の中に血の味が広がる
「まあこう見えて割とダメージ入ってるんだがな。」
とダビデは笑う。
「くはは、私にはまだお前に勝てないって事か」
私はもう立っているだけで精一杯。
「さぁ、そろそろ終わりにしようぜ馬鹿弟子。」
「そうだな…もう終わりにしよーぜ。」
私はそう言ってガルティエを手放す
代わりに出したのはラグナロク。
「おいおいまたその馬鹿でかい剣か?」
私は問答無用でその剣を振り下ろし、レーヴァテインを持って斬りかかる
ダビデは振り下ろされた剣を避け、私の剣を鎚で受け止める。
「剣技だけで挑んでも俺には勝てないぞ!」
私は再び吹き飛ばされる。
「…秘策その3」
ダビデが何かに気付き上を向く
「!?」
ダビデは驚いた。
横に避けたはずのラグナロクがダビデの頭上にもう一本出現していた。
「ふんんんっ!」
ダビデは攻撃した直後避けきれないと判断しそな剣を鎚で受け止める。
「ううおおおおお!!!」
ダビデはその剣を横へ捌く
「!!」
けれどもその剣は地面に落ちる事なく消える。
「『ミョルニル』!」
雷の神の武器の名前を呼んだのはダビデではなく私。
「うおらああああ!!!」
私の最後の秘策
宝剣ガルティエの能力。『複製』
背後から私は自分の出せる精一杯の力でダビデを攻撃する
「ぐううううおおおお!!!!」
ダビデは私の攻撃に直撃し、ミョルニルの雷に打たれ倒れる。
「はぁ!…はぁ!」
私は自身の手から武器を離し、その場に座り込む。
「ソフィア!」
「ソフィアさん!」
私を応援してくれた3人が私に声をかけてくれた。
私はそちらの方を向き、歩き出そうとした瞬間!
「ぐふ!!」
殴り飛ばされた。
殴った犯人はダビデだ。
「な、なんでまだ立てれるんだテメー!」
「わははは!見事!久々に死ぬかとおもったわ!」
他の3人もその様子に唖然としている。
「見事だ、馬鹿弟子!まあまだ未熟ではあるが、よくぞここまで登りつめた!」
ダビデが私を褒める
「お前はやっとスタートラインにたった、父親と母親と同じ土台に立った!合格だ!」
まだまだ俺達にはほど遠いがな、と付け加えわはははとわらった。
私は自分がまだ弱い、だけど少しずつでも強くなれていると確信できた。
そして元師匠を睨み、笑いながら言った
「やっぱりお前、『怪獣』そのものじゃねーか…」
私は力を使い果たし、そのまま気を失った。