災厄と英雄と最強と氷姫 【 金曜日 3 】
その日の夜
「もうこんな時間か、そろそろ自分の部屋に帰るか」
レイナルドがそう言って立ち上がる。
「もうかえるのかー?」
「俺も、自主練しねーと」
レオンも立ち上がる
「自主練した汗でいつもくっせーもんなお前」
「まじか!?」
「あー、くせーくせー」
私は鼻をつまむ
「姫さまwあんまりレオをからかいすぎるとまた怒られるぞーw」
「!?」
「そうだな、そろそろ勘弁しといてやるよー。」
レオンはまた怒ってる。
短気すぎる。
「…。」
ブリジットは何か言いたげにしている。
「ん?どうしたブリジット。」
レイナルドが話しかける
「ああ…いえ、なんでもありませんわ。」
「あん?なんだよー、言いたいことがあるなら言えよー」
ブリジットは黙ったままだ
「…まったく。ブリジット、もう少し居るか?」
レイナルドがそう問いかけた。
「!!いえ!そんなこと…」
「なんだー?そうなのか?じゃあ飯食ってく?」
「ぜひ!」
一度拒否しつつも私が提案したら即食いついてきた
レイナルドは満足した顔をして言う
「じゃあ食ってくか」
「そうだな。」
レオンも履いた靴を脱ぎもう一度室内へ入ってくる。
「おいおいー、誰の許しを得て部屋に入ってるー。」
「は?今更だろ、お邪魔します。」
「レイはいい、お前はダメだレオ。」
「なんでだよ!」
「お前くっさいから」
また私とレオンがわいわいしてるうちに
レイナルドとブリジットはこそこそ話ししてる。
「ブリジット、言いたいこと言わないとだめだぞ。」
「わかって、ますわ…」
私がレイナルドたちの方に目を向けてるうちに
「お邪魔しま」
「!!レオ!危なーい!」
レオに飛びつき押し倒す。
「いてぇっ!」
「現行犯逮捕!現行犯逮捕!」
私は訳のわからないことを言いつつレオンを抑え込む
「こらこら、姫さま、やりすぎだ。」
レイナルドに叱られる
「あん?まだまだだろー?」
「いてぇな、バカ!」
「レオ、シッテイルカ、バカハオマエ。」
「2人とも。」
レイナルドがこれ以上怒ると怖いのでやめておくことした。
「はーい、今回はこの辺にしといてやる。」
「うっせぇ」
私は料理を作るのは得意な方だ
(ふむ、冷蔵庫の残った食材で作るとしたら…)
「お前らー、嫌いな物あるかー?あるなら言っとけよ、積極的に使ってやるから」
「「「ないです」」」
「なんだよ、つまんねー」
私はボヤきながら簡単で安パイな料理をつくった。
「おおー、さすが姫。」
「美味そう。」
「ええ、美味しそうですわ」
「なんだよー、恥ずかしいな。普通のカレーだぞ」
私達はテーブルを囲み座った。
「それじゃ」
「ちょっと待った!」
「なんだよ、ソフィア」
「ふっふっふ、このカレー、ただのカレーの思う事なかれ…チキチキ!カレーロシアンルーレットー!」パチパチ
「なんだよそれ!」
「このカレー4つカレーの辛さが一つ一つ違います。中辛、辛口、激辛、超激辛。」
「俺は辛いの苦手だなぁ」
「わたくしもですわ」
レイナルドとブリジットが言う
「シャラップ!お口チャック!私も実は辛いの苦手だ、だが辛くても美味しいから大丈夫。そしてシャッフルしているので私もどれが本当に辛いのかわからない!」
みんな大して乗り気ではないが、強制スタート
「みんな選んだなー、じゃあいただきまーす!」
「「「いただきます」」」
3人同時に食べ出す。
「からっ!」
まず第一に声を出したのはレオンだった。
「俺のはちょっと辛いけどうまいぞー」
レイナルドは普通の感想
「わたくしのはちょうどいいですわ、とっても美味しい」
ブリジットはその美味しさに驚いている
「じゃあ俺が超激辛かよ、くっそー辛いけどうまいなぁ」
「レオ、違うみたいだぞ」
レオン、ブリジットは驚いた顔をしている
「……。」
超激辛を引いたのは私だから。
「……。」ポロポロ…
「「「!?」」」
「お、おい、なくなよ…」
「だ、大丈夫、かしら?」
「大丈夫か?姫さん…」
「…からい。」ポロポロ
全員がおどおどしていた。
「ぶりじっと…辛いよー…」
私は隣に座るブリジットにすがるように抱きつく。
「!?」
ブリジットは慌てる
「どうしましょう!?どうしましょう!?」
「まったく、ソフィアは大袈裟すぎんよるんだよ。」
1口、レオンが食べる
「ほら、そんなに辛くねぇ。」
「本当か?」
レイナルドも1口。
「ブリジットも1口食べて落ち着け。」
レオンがブリジットの口へカレーを運ぶ
「むぐ…確かに。そんなに辛くは…レオン様?どうされました?レイナルドさんも何を固まっ」
「「「からぁ!!!!」」」
3人は声を揃えて叫ぶ
「辛!喉が焼ける!」
レオンが叫ぶ
「これが超激辛の辛さ、そうかつまり、俺が食べていたのはカレーではない…俺はそこまで達していない。ははは、まだ未来は明るいぞ!みんなついてこい!はははは!」
レイナルドは夢の世界へ旅立った。
「ーーーー!」ゴクゴク!
ブリジットは有無を言わさず水を流し込む。
「からいよぉ…!」ポロポロ
「喉がしかも目にしみるうううう!」
「ははは!どうした!俺はまだまだ輝ける!はははは!」
「ーーーー!ぷは!」
4人全員が崩壊した。
私の部屋は阿鼻叫喚と化した