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お兄ちゃんとケンさん 1 sideケン

これから先、時系列が現在になったり過去になったりするので読みにくいかもしれないですがご了承下さい。

俺の名前は、佐野 賢人(さの けんと)。22歳。

大学に通いながら、ウチの会社(大手芸能事務所)の金の卵(金のなる木)のマネージャーをやっている。これでも、4年の経歴を持つ。


大学生が、学校に通いながら芸能人のマネージャーやれるくらいなんだから大した仕事じゃない…とか思ったお前!!今すぐスライディング土下座して俺に謝れ!!そして、全国のマネージャーをしている人達に謝れ!!マネージャーは、バイト感覚でできるもんじゃねーんだよ!!


大学受験真っ只中に、暫くマネージャーとして社会の荒波に揉まれてこいという社長(俺の親父)の無茶振りで俺は学生とマネージャーの二足の草鞋を履くことになってしまった。今となっては、どっちが本業だかわからない程だ。大学生になったら、マネージャー傍らサークルに行ったり合コンしたり女の子お持ち帰りしたりヤンチャした仲間と遊んだり旅行したり趣味(お菓子作り)に没頭したり…楽しいこといっぱいするんだぁ☆と、のほほんと考えていたのに、俺…サークルに入るどころか合コンすら行けてない。もう卒業する年なんだけど。


大学一年の頃は、それなりに合コンの誘いも多かった。女の子からもそれなりに告白されてたし。だけど、マネージャーになったばっかりの俺はそれどころじゃなかった。仕事なんてしたことがなかった俺は、ビジネスマナーから勉強することとなった。マナーがなっていなかったら、ウチの会社の印象が悪い上にせっかくのビジネスチャンスを棒に振ることもありうるのだ。


そして、先輩マネージャーから仕事というものを教わった。マネージャーに、作業手順…マニュアルなんてものはない。タレントが、より良い仕事ができるように自分の頭で考え工夫しなければならないしスケジュール調整・管理もしなければならない。タレントを売り込みに行ってそのタレントの方向性に合った仕事を取ってこなければならない。


マネージャーという職業は、セールスマンと秘書を合わせたような大変な仕事だった。


高校生までの俺は、親の金でバイクを買ったり倉庫を借りてヤンチャ仲間の溜まり場を提供したりしていた。親の金を自分の金だと勘違いしていた。大学一年で、俺の馬鹿さ加減や親の有難さや社長(親父)の偉大さを身に染みてわかった。恥ずかしい話、俺が使った金を仕事をして返すにも何十年もかかるということにその時やっとわかったんだ。


そして、俺の売り込みも少しずつ成功しだした頃、オファーの連絡も少しずつ増えてきた。

大学での昼休みは、食堂の一角のテーブルに陣取って携帯でウチの会社やオファー先と連絡しながらタブレットを操作してスケジュール管理・調整。傍から見れば、私服を着たサラリーマンと何ら変わらない。


そんなことを続けていたら、合コンの誘いもなくなり女の子が告白してくることもなくなった。

今の方が、仕事ができる男みたいでモテると思いきや学生の女の子は違うらしい。

自分より仕事を優先する男より、何よりも優先して自分と一緒にいてくれる男の方がいいらしい。


バカだろ。何よりも女を優先する男とか自立できてねー証拠じゃねーか。

そのうち、男はヒモに成り下がって女は後悔するんだろうよ。


・・・・はぁ。大学4年にして仕事人間の俺。頑張ってるのに報われてない気がする。何だか、悲しくなってきた。



長くなったのでわけました。ケンさん視点まだ続きます。

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