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こんなはずじゃなかった

「宝くじって当たらないなぁ!」

 私は当選番号を見てガックリする。そう言えば懸賞に応募しても当選したことがない。

「ああ、何かいいことないかなぁ、誰か私にプレゼントでもしてくれないかなぁ」

 と考えてもそんなことは起こらないのはわかっている。


 それで色々と考えたのだけど、そもそも世の中の「幸運」の量が足りていないのだと思った。

 それなら私が世の中の「幸運」の量を増やそうと思った。世界の貧困問題とか関わると泥沼にはまりそうな難しい問題はさておいて、身近なところから、色々な人に、その人が喜びそうなものを何かと口実をつけてプレゼントしまくることから初めてみることにした。


 しかし、見返りを求めてプレゼントしたわけではないのに、しばらくすると、ほとんどの人からお返しが届いた。中には以前から私が欲しいと思っていたものがあったり、思いがけず面白いものが届いたり、取れ過ぎたと言って、収穫したばかりの野菜をくれたり、故郷の特産品だったりと色々だった。

 私がさらに、そのお返しとして工夫をこらしてその人の喜びそうなものを贈ると、さらに工夫の感じられるお返しが届き、その繰り返しとなった。


 私は欲しい物は自分で買う方が効率的だと思って、プレゼントの贈りあいのような風習は、煩わしいと思っていたのだけど、思いがけずプレゼントの贈りあいみたいになってみると、いつの間にか心のどこかが満たされている気がして、そういう風習にも意義があったのかと思った。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  「幸運」だと思う気持ち。  これは人から人へ伝播していくものですね。  また反対に、不幸だと思う気持ちも伝わっていくような気がします。  他人を幸運に導くも不幸に導くもおのれしだい。  …
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