表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/62

日記収集家

 友人のTはどんな本のジャンルよりも、他人の日記を読むのを趣味にしており、収集している。遺品整理業者に頼んだり、オークションで落札したり、掲示板に載せたり、あらゆる伝手を使って集め、他人の日記の数々を読破してきた。


「それで、他人の日記ってどんな感じ?」

「人によって色々だね。その日の出来事に対してどう感じたか? 自分の感想を沢山書く人もいるし、天気や体重や気温やその日の食事のデータを淡々と書く人もいるし、家計簿かと思うほど、お金の出し入れに重点を置いて書く人もいるし・・・まあ、大抵その日の出来事を時系列で書いているかな」

「日記を沢山読んで、人生とは何か? とかわかった?」

「いや、人生というか特に詳しくなったのは、よその家の食事のメニューかな? 人生とは食べることとも言えるね。あと限られた時間の中でそれぞれ頑張っているよ。日記には時間が閉じ込められているからね。でも一番重要なのは行間を読むことだよ」

「行間には何が書かれている?」

「大抵トイレに行っている」

「おまえ変態?」

「というのは冗談で、絶えず呼吸している。生きている。それを感じる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ