表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/62

世界平和

 高校時代の友人達と初詣で神社に来ていた。どうせだから絵馬に願いを書こうということになってみんなそれぞれ願いを書いてはしゃいでいた。俺はと言えばそんな友人達に水を差すようなことはしなかったが、正直、神様に何か願っても叶うとは全然信じていなかった。物心ついてから習慣として毎年初詣をしていたが、切実な願いからささやかな望みまで一つとして叶ったものはなかったのだ。神様はいないし、いたとしても願いを叶えたりしないだろうという結論に達していた。


「おい、まだ何書くか決まらないのか?」と友人に声をかけられ

「そうだな。どうせならでっかいお願いをするとしよう」

と俺は単なる付き合いで絵馬に「世界平和」と書いたが何の感情も込められていなかった。



それから一か月後くらい、神様の世界では今年の当番である、日本の神々の代表達がどの願いを叶えるかの会議をしていた。神様は世界中で一年に一件だけ願いを叶えていたのである。日本の神々は絵馬の中から叶える願いを選ぼうという方針を決めた。そして欲にまみれたものではなく、何の思い入れも感じられない、透明感のある清らかな願いを叶えることにして絵馬を選別すると、「世界平和」と書いてあるものが選ばれた。


 こうして世界平和は実現した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ