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物差し

 僕は自分のペースで生きていて誰かと比較するということはほとんどなかった。そんなマイペースの僕の中学での成績は低空飛行で、いつの間にか周りの人から、「あいつよりはましで良かった」とか「あいつにだけは負けたらおしまいだ」という基準となる【物差し】とされるようになっていた。【物差し】は周囲の人の総意によって、いつの間にか指定される特殊な社会的ポジションで鈍くて丈夫なことが要求されるらしい。しかし、いちいち周りから比較の基準として見られる僕の気持ちはどうなるのだろう? 何もよりによって僕なんかと比較して安心しないでもっと高い目標を持てば良いのにと思うとだんだんとストレスが溜ってきてついにキレて叫んだ。


「あんたらこころざしが低過ぎてウザい!」


周りの奴らは先生に【物差し】が壊れたから処分しろと口々に訴えた。それを聞いた女教師は僕に言った。

「あなたは自分のことをマイペースで周囲に左右されない人間と思っていたかもしれないけど、それならなんで周りを気にするの? 本当に動じない人は特別な地位について大切にされるけどあなたはダメね。確固としてマイペースで我が道を行けないなら【物差し】としての価値はないわ。あなたは処分されて抹消されるでしょう」

そして僕は治安警察に引き渡され、連れ去られた。


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