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Chimera Park On-line  作者: カカセオ
第1章 クローズドβ
8/20

01-08 エイプ

『Chimera Park On-lineクローズドβのテストしていただきありがとうございます。

 メンテナンスによりアップデートを行いました。

 内容は以下の通りです。

 ・《因子の欠片》の実装

 ・闘技場の実装


 PC、NPC問わず、倒した場合にそのキャラクターを構成するパーツ量が最も多い種族の《因子の欠片》を取得いたします。

 これはMSに分類され、取得量はトループを組んでいる場合に人数で割られます。

 《因子の欠片》の充填率が100%になると《因子》に変化いたします。

 《因子》になると0%になりますが、引き続き充填率を増加させることができます。

 《因子》及び《因子の欠片》を取得している場合、その種族のパーツをキメラ・ラボで取得できます。

 パーツの取得には《因子の欠片》の場合は充填率を、《因子》の場合はFP又は充填率を消費します。

 充填率を消費して取得したパーツはトレード可能です。

 これに伴い、初期選択種族の充填率を100%支給いたします。

 また、これまでの戦闘履歴から《因子の欠片》が支給されます。

 トレードや強化をお楽しみください。


 冥界に闘技場が設置されました。

 闘技場では状態異常以外の現在のステータスを登録できます。

 ステータスには控えのパーツも含まれます。

 登録データは更新できますが、残せるものは1つだけですので注意してください。

 この登録データ又は現在のステータスで、登録データ又はPCと闘うことが出来ます。

 登録データはゴーストとなります。

 ゴーストに勝利した場合、相手との能力差から算出された量のキメラ・ラボで使えるランダム引換券が支給されます。

 支給枚数は相手を選択する際に表示されます。

 相手を選択する際に表示されるのはその他に名前と外見のみですので、支給枚数を参考に相手をお選びください。

 ただし、1度勝利してランダム引換券を入手した場合、ゲーム内時間で100時間経過するまで新たに入手することは出来ませんのでご注意願います。

 闘技場の戦闘では成長補正や死亡による寿命減少は生じません。

 闘技場では他者の戦闘を観戦する事が出来ます。

 観戦されたくない場合は非観戦モードをご選択ください。


 それでは、引き続きChimera Park On-lineクローズドβのテストをよろしくお願いいたします』



―――



―ドガッ!


「グガッ!」


 角でどつかれて、フォレストベアが仰け反った。

 相対しているのはライノーの頭のあるはずの場所からベアの胴体を生やした生き物。

 ベアの胴体に乗っているのは角の無いライノーの頭、腕があるはずの場所からはホースの肢が生え、蹄の代わりにライノーの角が長く伸びている。

 フォレストベアはお返しとばかりに腕を振るい、爪を叩きつけようとしたが、腕が通り過ぎたのは何も無い空間。


「グアっ?! ギギャッ!!」


 股間に猛烈な激痛が奔り、泡を吹く。

 ライノーの頭から生えた角が深々と突き刺さっていた。

 そのまま高々と持ち上げられ、振り落とされる。

 投げ飛ばされた衝撃に気を取り戻し、痛みで霞む目に見えたのは前足をホースのに変えたライノーの姿。

 見る間に後足と首を伸ばし、ホースのような形になる。

 自分は何を相手にしたんだ、そう思いながら痛む体に鞭打って立ち上がる。


「グアアッ!」


 残ってる力を込めて吼えた。

 その生き物が角をぎらつかせ突っ込んでくる姿、それがフォレストベアの見たものの最後だった。



―――



「…もっと練らねぇとな」


 パーツを組み替えながら戦う。

 パーツが増えてきたのでやれないかと思いついた方法だが、そこそこ上手くいった。

 組み替えてるだけで、瞬時に形状変化するまでは手が回らないが。

 今後の課題だ。

 変哲の無いライノーの姿に戻って、もぐもぐとフォレストベアを食べながらヤサイはそう結論付ける。


「それじゃ、奥に行っか」


 フォレストベアは単体ではもう敵ではない。

 森からほとんどのPLが引き上げてるのでトレインされることは無いだろう。

 現実世界換算で昨日丸1日かけてフォレストベアを食い続けたので、地力も上がっているし、今回のアップデートで《ベア種:胴》も手に入れて手段も増えた。

 フォレストベア食べるついでに歩き回ったのだが、今のところエイプは見つかってない。

 突き抜けるまでは東へ向かおうとヤサイは決めた。

 途中に出合ったフォレストベアは虐殺し、更に森の奥へ進む。

 しばらく歩みを進めると、前方に会ったことの無い気配を感じた、それも地上ではない。

 気配を抑えて静かに近づく。

 見上げた先にいたのはフォレストエイプ2体。


「―そこでわいがバナナを出して釘を打つ」


「それで俺が打てないやないかーいとツッコむと」


「そや」


「完璧だな」


 思わず回れ右したくなったが、そうも行かない。

 とりあえず今やれる全力を試して、それからトールに連絡入れよう。

 クマ胴とウマ肢を生やし、角をウマ肢裏に付ける。

 4つあるサイ肢を全部後ろに回して重ねる。

 部位強度とStrが一定量あれば一時期に立ち上がることが出来るのだ。

 体を起こし、ウマ肢を振りかぶる。


「な、何やあいつ?!」


「いつからいたんだ?!」


 全体重を乗せてフォレストエイプの居る木に打ち込むと、それほど太い木でなかったからかボッキリと折れた。


「「ぐわーーっ!!」」


 ズズンッっと地響きを立てて倒れた木に巻き込まれたフォレストエイプたちは目を回してのびている。

 組み替えて、前足を倍の長さのサイ肢、後足をウマ肢にした高速移動モードに変更。

 ドドドッと駆け抜けて腹や頭を踏み潰していく。

 完全に事切れているのを確認して食事に移ろうとすると気配が四方から殺到してきた。


「なんやなんや!」

「どうしたどうした!」

「もうかりまっか!」


 それは数十体のフォレストエイプたちだった。



―――



「―つうわけで、やる」


「えっ? いきなり何を…って《エイプ種:肢》と《エイプ種:胴》?!

 何処で手に入れたんだ?!」


「森だ。奥行ったらわんさか居やがった。

 様子見のつもりだったが、まあついでだ」


「ありがとう。でも森か…大丈夫だったか?

 大ボスがいるという噂が流れてたいるんだけど、出会わなかったか?」


「大ボス?! そんなの居んのか?

 ……山行った後に探してみっかな」


「次は山に行くのか?」


「ああ、石喰えんのかなってな。HANTだと鉱石系居んだろ」


「そうだな。着いて行こうか?」


「好きにしろ」


「ああ、好きにするよ」



―――



 闘技場スレ1戦目


 ・

 ・

 ・

 ・


78:攻撃しながらパーツ組み換えや変形とかなにあれ?


79:ゴーストだから出来てんじゃねぇ?


80:いや、ゴーストって学習型だろ。本人やれないことはやれないはず


81:将智ノ助(しょうちのすけ)って奴のは生でやってんのみた事あるぜ。PKされた


82:PK乙


83:?


84:肉食獣の方で灰色のオオカミがPKKやってんの、闘技場名前判明。つうか月天狼だったのかよ、道理で強いはずだ


85:まあでもあんな技やるの他にいないよな。HANTでも似たようなことしてるし


86:似たようなことって?獣人はいないだろう


87:両手足の指全部に刀挟んで戦う。たしか《十六夜刀法》だっけか?《伝承者》持ちだからFS化してる。誰も教わらないけど(笑)


88:うわ(笑)


89:組み換えしなくても凄いのは凄いよな、白黒ウシのフリーシアとか


90:うん、アレ見たとき運営なに仕込んでんのってつっこんだ(笑)


91:乳ビーム(笑)


92:他にも牛乳噴射でロケットみたく加速して突進とか。FPのほとんどをそれにつぎ込んでるのか他は普通だが


93:NOW MANも一頭身ゾウってネタかと思ったら地味に上位なんだよな


94:マオっていうネコも凄いよな。あんなにちっちゃいのに、何あの戦闘能力?!


95:《成長停止》だっけ。50FPも消費するのに成長止めるとかよくわかんない効果だと思ったけどああいう使い方あるんだな


96:あれ? マオってもしかしてみゃおうさま(サタンザキャッツ)


97:MAOだったよな、たしか。ありえるな


98:じゃあ、ウシはスタイン嬢か?・・・そう思ったら漲ってきた、いろいろと(笑)


99:(笑)


100:(笑)


101:・・・まあ冗談はおいとくとして、参考にして頑張るか。何度も戦えるんだし


102:おう。打倒、将智ノ助!!


103:懲りないな(笑)


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