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Chimera Park On-line  作者: カカセオ
第2章
17/20

02-05 旅立ち

 昨日、おとついと土日。

 休みの人間で多いだろうとVRセンターに行かず、家に篭った。

 おかげで課題は全て片付き、段ボール箱に入れて配送してもらった。

 というわけで今日は2日ぶりにCPOにログインした。

 目覚めた場所は火口付近の岩棚、マグマが上昇して沈没とはならなかったようだ。

 今日の目標はここの外に出る事。

 出口は遙か上、どれだけかかるかわからない。

 途中でお腹が空いたら、頑張ってサラマンダーを倒して食べるしかないな。

 見上げて、飛べそうな範囲に足場を探す。

 見つけるとそこまで飛んでいき、少し休んで新たな足場を探してから、また飛んでいく。

 何度も何度も繰り返し、そうやって少しずつ出口に近づく。

 ふと妙なことに気付いた。

 もうサラマンダーの領域に入っているのに、少しも襲われない。

 一応休憩中警戒はしているのだが、そもそも近づいてこない。

 この間はいきなり襲われたのだが、警戒しているから近づかないのかな?

 気にしつつも、とりあえず先に進む。

 飛ぶのを繰り返していると、少しずつ飛べる距離や速さが増えた。

 そうすると、次に選ぶ足場の高さも高くなっていく。

 もう少しで残り半分という所まで上がった。

 その頃になるとお腹が空いてきた。

 出口までは持たない。

 やっぱりサラマンダーを狩らないといけなくなりそうだが、使えるのは小さな足の爪と嘴のみ…難しそうだ。

 お腹が空ききる前に出来るだけ出口に近づこう。

 そうすれば、なにか別のが在るかもしれない。

 なければ…出来るだけ小さいのを探して頑張るしかないな。

 そうして選んだ次の足場は結構高め。

 限界ぎりぎりだが大丈夫、おれならやれる!

 勢いを付けて飛び立ち、何度も翼を羽ばたかせる。

 どんどんと順調にその足場へ近づいていく。

 だが近くになった頃、限界が迫った。

 欲張りすぎたかもしれない。

 体に鞭打って懸命に羽ばたかせ、なんとか近づいていく。


「後、す、こ、し……だぁっ!!」


 やっと足場の上に出た。

 赤いトカゲと目が合った。


「うわっ!!」


「ギァッ!!」


 こっちを丸呑みできそうなサラマンダーが足場に居座っていた。

 おれにはこの足場に落ちる余力しかない。

 それでも一矢報いてやる!

 ふら付きながら、なんとか足場に着地した。

 サラマンダーは逃げ出した。


「えー…」


 一目散というのがピッタリな見事な逃げっぷり。

 思いっきりおかしい。

 あの時は確実に食う気満々だったのに、この違いは何だ?

 サラマンダーが襲うどころか逃げていく。

 ……逃げる……近づかない……?

 何かこう、出そうで出ないもどかしい感じに身悶える。


「あー……………………うー……………………?!

 そうだ、マグマだっ!!」


 ある一定以下ではサラマンダーを見かけなかった。

 耐性が低くて、熱過ぎるから近づかないのだろうと思ったんだった。

 だが、ここで疑問がまた湧く。

 マグマの所にいたから、それで体温上がったのかもしれない。

 そういえば、いつからか暑さを感じなくなっている。

 平常時の体温なら、サラマンダーに狙われる。

 逃げたって事はこの体はまだ熱いままだ。

 次に行くことばかり気にしていたが、自分の周りを見てみると岩が融け、足跡がくっきり付いていた。

 たぶん転生の練習途中からこうだったのだろうが、あの時は集中と痛みで気付く余裕などなかった。

 これならサラマンダーは逃げるな。

 しかし、どうしてまだ熱いのだろう?

 この体なら冷めるのも早いはず。

 なにか熱を保つ物……………………そうだ、火袋!

 食べたりしてると火を溜める内臓を内蔵してるんだった。

 そういえば一度も出していない。

 サラマンダーが炎を吹いてるのを見たが、溜めていると体温が上がり過ぎて自滅するから出してるのかもしれない。

 お腹が空いてきてるのに、お腹の中が温かい気がするのは気のせいじゃなかったのか。

 よし、これで狩れそうだ。

 張り付きさえすればダメージを与えられる。

 こうなったら出口までとは言わず、ここで食べていこう。

 サラマンダー的にちょうど良い暑さなのか、大き目のが結構居る。

 壁に張り付いているので、その下にちょうど良い大きさの足場がある奴を探す。

 倒しても火口へ真っ逆さまとか目も当てられない。

 よし、奴に決めた!

 飛び立ち、体当りを仕掛ける。

 だが、突然動きだした。

 気付かれた?!

 足場の範囲から逃れられた。

 追いかけて倒しても無駄骨だ。

 続いて条件の良い他のサラマンダーにも向かったが、悉く逃げられた。

 これはやり方が悪いのかな?

 足場で会ったサラマンダーは直近になるまで気付いてなかった。

 今までの方法は、目当てのサラマンダーに一直線に飛んでいってる。

 下から行くと気付かれないのか?

 だが岩壁に張り付いている以上、サラマンダーの下は岩の中。

 掘り進めて行くのは無理だ。

 となると後狙えそうなのは後ろ?

 気付かれないように真上まで飛んで、そこから急降下して体当り。

 下からだと足場が邪魔だし、横だと飛び辛そうだ。

 上から行った方がいいだろう。

 後はわざと逃がして、狙った場所まで誘導して体当りかな。

 これはもっと速く飛べるようになってから試そう。

 頭が下向きで足場の上に居るのを探すと、条件に合うのはさっきよりも少なかった。

 上手くいくか、やらなければわからない。

 音も関係するかもしれないので、出来るだけ羽音を立てないよう飛んでみた。

 真上に到着、まだ気付かれてない。

 次は急降下だ。

 岩壁は結構でこぼこしている。

 このまま落ちても、風にでも吹かれてぶつかったら削られかねない。

 ふと思いついた。

 落ちてる最中ぶつかるとダメなら、最初から張り付いていれば良いじゃない、と。

 つまり、岩壁に足をついて駆け下りる。

 離れそうになったら翼を使って調整、飛ぶ動作の逆をやれば押し付けれるだろう。

 そうと決まれば、決行だ。

 まず向きを変え、岩壁に尻を向ける。

 次に翼を羽ばたかせながら近づけるぎりぎりまで岩壁へよっていく。

 頭を下の方に向け、足を伸ばす。

 ……届いた!

 翼を振り、上手く岩壁に体を押し付け足を動かす。


「わわわわわわわわわっ!」


 思っていた以上に足の回転の速さが必要だった。

 何度も足が縺れかけ、その度に翼で何とか速度を抑えるがつい声が出る。

 これだけ騒いで気付かれないわけがない。

 のっそりと振り向きこちらを見ると、即座に逃げ出した。

 上体を起こし岩壁を蹴って飛び立ち、速度を緩めて足場に降りる。

 失敗だ。

 だが、感じは掴めた。

 ああなるとわかっていれば、先に覚悟を決められる。

 少し休み、次の奴の所へ飛んでいく。

 真上に着き、歯…じゃなく嘴を食い縛って駆け下りる。

 よし、気付いてない。

 後もう少しだ、という所でサラマンダーが振り向いた。

 熱かなにかを感じたのか?

 だが、これなら届く。

 サラマンダーの体に足をかけ掴まり、翼を羽ばたかせブレーキをかける。


「ギァアアッ!!」


 掴んだ所から煙が上がる。

 叫び声を上げ、棒立ちになるサラマンダー。

 バランスを崩して壁から落ちる。

 巻き込まれる前に蹴って飛び立ち、落ちた足場へ追いかける。

 サラマンダーは背中から落ちて動かなくなった。

 ビックリして固まっているのか、気絶したのか?

 流石にまだ死んでないだろう。

 腹の上に降りる。


「ギァアアッ!!」


 痛みに気がついたのか、叫び声を上げて四肢をバタつかせ始めた。

 体をひっくり返そうとしたので慌てて避ける。

 元に戻ったその背中に飛び乗る。


「ギァアアッ!!グギャッ、ギギャアアッ!!」


 また叫びを上げて棒立ちになり、今度は振り落とそうと体を振るわせる。

 離れないよう翼でバランスを取り、足の爪だけでなく嘴でしっかり噛み付く。

 くっついている所から煙が上がり、徐々に沈んでいくので更に深く掴み、噛み付く。


「ギギャギァァァ…………………」


 足と頭が埋まって火傷が広がり、くっついている所が炭化して燃え出した頃、サラマンダーの叫びは止まって倒れこんだ。

 そのままむしゃむしゃと食べていく。

 口をつけた端から焼けていく。

 流石に炭化した所は焦げ臭かったが、鶏肉みたいな味だ。

 炎も食べてみた。

 綿飴の様な食感、味はよくわからないが不味くはなかった。

 鱗も骨も熱で弱くなったのかもりもり食べれる。

 途中突き破った内臓から炎が少し噴き出た。

 たぶん火袋だろう、もちろん美味しくいただいた。


「…………ゲプッ」


 おれの数倍は在ったサラマンダーだが、気が付けば焦げの欠片を残して全部無くなっていた。

 この体の何処に入ったんだろう?

 ともかくお腹を満たした。

 さて、出口へ向かおう。

 また足場を探しては飛んでいく。

 何度も、何度も。

 途中でまたサラマンダーを狩って食べ、更に上る。

 空が段々と茜色から紺色へと移り変わる頃、ようやく出口から顔を出した。


「うわー……」


 広い裾野を持つ巨大な山、その山頂に火口があった。

 広い森に囲われ、所々に湖がある。

 森の向こうには平野が広がっているようだ。

 その向こうに見えるのは海か?

 夕日は一瞬その全てを金色に染めて沈んだ。

 残照以外が紺色に染まり、月が辺りを照らした。



―――



 CPO変形合体スレ2体目


 ・

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112:やっぱり10レベルで変形可能になったな


113:といっても、拡大縮小だけだが


114:だがこれでワイバーンになれる。そう思った時期が私にもありました


115:えっ、ダメだったの?


116:いや、出来た。出来たんだけど、小さくなる


117:・・・そういえば元からワイバーンの人小さいっていってたな


118:バット羽が元の状態だと飛べなくてワイバーン認定されない。飛べるような大きさに合わせるとちびっ子に


119:まあ、レベル上げれば大きくなれるっしょ


120:合成もレベル10で変わるな。それ以下だと中間固定だが、超えたら比率を変えれる


121:比率変わるってどんな風に?


122:例えばトラとレオ混ぜると50%:50%、それを更にトラ90%レオ10%とかに比率変えれる。最低は1%


123:へー


124:割合上げようとして合成したのに更に足した。後で変えれるなんてorz


125:乙(笑)


126:混ぜれるって事はなんか意味あるんじゃねぇ?


127:・・・うー、気を取り直して頑張ってみます


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 ・


869:元なのにまるで違った!


870:突然なにを言ってるのかわからない(笑)


871:すまん、いやオレもよくわからなくて


872:とりあえず詳しく


873:元々ウマでウサギ混ぜてみたんだ。で、更にウサギ足したんだ。案の定ウマっぽいウサギになった


874:比率変えたんじゃないんだ


875:変えれると知らなかったし。後で知って落ち込んだ。で、とりあえず10レベルまで上げたんだ。そしたら・・・


876:要約


877:ウサギっぽいウマになった


878:?!


879:比率変えただけじゃん(笑)


880:違う、99%にしてもウサギっぽいんだ。他の人の99%も見せてもらったけどそれよりもウサギっぽい


881:どんな感じよ(笑)


882:どんな感じと言っても・・・もう2、3度またウサギを足して99%にしたらウマの形したウサギになる感じ?


883:わかるような、わからないような


884:3種類混ぜしたのとも違うな。あれだと最高98%になるだけだし


885:・・・まあ、とりあえず意味があったんだ。喜ぼう(笑)


886:喜べることなのかな?(笑)


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