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#71 お笑い劇場

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#71 お笑い劇場


6月前半。ちょうど中間テストが終わり、もうすぐ

梅雨の時期がやってくる今日この頃。


そんなある日の放課後、山村からこんな声がかかった。


「なあ、友。君はお笑い、とか興味あるか、い?」


「お笑い...?」


「うん、そうだよ、お笑い。

実は今週末、(すすむ)兄の友達が大阪から来て公演をするんだけど...」


なるほど。晋さんの友達か。

それで従弟の山村にも声がかかったんだな。


けれど山村はあまり嬉しそうではなかった。


「...まあなんて言うか、彼、なかなか人気が伸びないようでねぇ。」


何っ、、人気俳優と人気onetuberの知り合いなのに...?

けれどまあなんとなく言いたいことが分かってきた。


「お願いだ、友!僕を助けると思ってお姉さんも一緒に来てくれないかな?!」


---そんな訳で帰ってから姉にこのことを話すと

喜んで行ってくれるとのことだった。


「行く行く行くー!今週末?土曜ね?OK!

りんちゃんたちも誘おうかな?いやぁ、やっぱりそれはなかなか...」


ひとりで優柔不断になっていた。


-------------------------------------------------------------------------


週末土曜。


姉と一緒に劇場に向かうと、そこには山村と幸佳と琉夷さん、

それに水野さんや美歩もいた。


「あ、おはよう、友☆」


「うっす。」


「おはよう、ござい、ます...!」


見慣れたメンバーだな。

けれどなんだか安心感があった。


「...そうだ、みんなは先に中に入って待っておくかい?

僕らはまだ来ていないメンバーを待っておくからさ...」


なるほど。恐らくこのはや誠たちも呼んだのだろう。


「チケットなら既に父が購入済みだからこれを持って行くといいよ。」


「ありがとうございます、琉夷さん!!」

姉は喜んでチケットを受け取る。

っていうかチケットってこんな簡単に貰っていいのかよ。。。


...そんな訳で劇場の中に入れさせてもらうことに。

姉たちはトイレに行ったため、僕はひとりで中に入る。

するとそこは、ガラガラになった劇場に数人の観客やスタッフが

うろうろしているだけの空間だった。


「...あれ?君は確か...美月ちゃんの弟くん?」


すると不意に、晋兄が僕に話かけてきた。


「来てくれたんだね。本当に今日は来てくれてありがとう...!」


そう言って僕の手を持つ晋兄。

あ、あああ...人気俳優なんだから、てっきり特別席とかにいると思ってた...

今回は俳優ではなくただの友達としてこのお笑いを見に来たらしい。


「...そ、そうだ、姉も一緒に来ていますよ...」


するとちょうど姉と水野さんと美歩が後ろに立っていた。


「晋くん、久しぶり!」


「どどどどどうも...」


「ういーっす。」


---------------------------


もうすぐお笑い劇がはじまる。

...しかし相変わらず観客席は埋まる様子がなかった。


「もうすぐはじまるんだけど、優雅たちはまだ来ないのかなぁ...?」

姉が心配している。確かにそっちの心配もあるな。

そう心配していた矢先、ホールの入り口から山村の声がした。


「お待たせ、友。どこにいるんだい?」


おいおい、友とか言うな!恥ずかしいから...!


...そして結局、僕の隣に山村と幸佳と琉夷さんがやってきたので

水野さんや美歩は前の席に移動した。

自由席だったみたいだからな。


「...それで、結局、他のみんなは来たのか...?」

僕は隣の山村に質問する。


「うん?後ろを見たら分かる、よ...☆」


すると後ろの席にはこのはと誠はもちろん、

美里愛と優斗さん、池戸に岩田くん、

それに転入生の優衣奈とその弟まで...


どんだけ誘ったんだよ山村...!!


----そしてついにお笑いがはじまった。


ブー....


「どうもどうもー!関西でお笑い芸人やってます、

宇連泰三(うれたいぞう)と申します、こんにちはこんにちはー...!」


強欲さ丸出しの名前だな...。そりゃあ売れないわ。

さて、肝心のネタのほうは...


「えーっと...あら、珍し!今日はこんなにたくさん観客がいてくれはるで、

嬉しいわな!えっと、まさか晋のツテやあらへんやろな?!」


いろいろツッコミどころ満載...!

まずお前は大阪から来たばっかりなんじゃなかったのか...!


「えぇ、すんまへん。つい、いつもより人多くてですなぁ...

って何言っとるん!ここは東京なんやから当たり前やなぁ!」


なんて言うか...

これでは人が集まらないのも無理はない、というような内容だった......。


------30分後、劇が終了した。


しかしほとんどみんな眠っているかぼーっとしていた。


「...か、翔...?なんで、みんな、動かないんだ...?」


山村や琉夷さんは眠っている中、幸佳が僕に話かけてきた。すると...


「み、皆様...。次の公演がございますので、速やかにご退場願います...。」

スタッフの人に声をかけられた。


---


みんなでホールの外に向かう。


「んんーっ、あれっ、いつのまに公演終わったの...?」

その途中姉が呟く。


「ねえ、これのどこが面白いの?」

かなり辛辣な一言。優衣奈の声だ。


「あのなあ、、、」

弟に呆れられている。


この状況でいちばん気まずそうにしているのは晋兄と山村なのであった。


「な、なあ...」「あ、その...」


山村と晋兄が同時にみんなへ話そうとする。


「ご、ごめん、晋兄...」


山村が引いたので、少し頷いて晋兄が改めてみんなに話かける。


「...今日はみんな、僕の友達のために来てくれてありがとう...。

今夜、彼も含めた私たちで感想会をしたいのだが...」


とても申し訳なさそうに呟く。


「も、もちろん会場と代金はこちらが用意する。

無理に、とは言わないので時間があれば...」


すると人気俳優でテレビ出演しているとは思えないほど、

謙虚でうずくまっている晋兄を見て水野さんがこう言う。


「あ、あのっ!そんなにかしこまらないでください...!

感想会、必ず伺いますから...!」


「そうっすよ。人気俳優が聞いて呆れるっすよ。」

美歩も続けて言う。


「本当に、ありがとう...」


-----------------------------------


夜。


僕たちは未成年だったので居酒屋には集まれず、

ファミレスの一角を貸切状態にしてもらっていた。


そして集まったメンバーは優衣奈の弟を除く全員。

それに加えてonetuberで晋兄の妻、音月由珠羽と今回の主役、

宇連泰三(うれたいぞう)もやってくる。


「うわっ!いっぱいいるね?!」


こうして総勢16名による大感想会がはじまるのであった...。


続く...


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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