#106 困ったものね...
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#106 困ったものね...
11月。
修学旅行で北海道にやってきた僕たち。
3日目。定山渓のホテルを後にした僕たちは
札幌、小樽を自主研修としてグループごとに回ることになっている。
池戸、優衣奈、水野さん、美歩と僕のグループは先に小樽を散策していた。
夕方。小樽での散策を終え、僕たちは札幌に戻るために電車に乗る。
しかし電車の中で眠っていたメンバーは札幌に到着しても起きることなく、
次の新札幌までになんとか降りることができたのは美歩と水野さん、そして僕。
つまり、池戸と優衣奈はその列車に乗ったまま、
さらに遠くの駅まで進んでしまって....
「....ええ?池戸さんと風野さんとはぐれた?」
...先に札幌まで戻ってきた僕たち3人は、
集合場所にいた福岡先生や厚木先生に事情を話す。
「なんてことだ...もうやがて18時になるというのに...!」
「先生、時間の問題もそうですが、もう少し生徒を心配してください。」
「おう、そうだよな、すまんすまん....」
先生方も対応に困る。
「と、とにかく、今日も夕食会場は予約済みだ!!ホテルの
チェックインもあるし、遅れるわけにはいかないから...」
「わかりましたよ、厚木先生。
今回も私がここで待つことにします。
連帯責任であなた方3人も一緒にです、いいですね?!」
「は、はい...」
福岡先生の言う通り、これは連帯責任なので断ることはできないのであった...。
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「まったく、世話の焼ける方たちですね....!」
日が暮れて街の明かりだけが照らす夜の中、僕たちは待機する。しかし...
「さ、さ、さ、さ、寒ーっ...!
こんなところで何時間も待ってたら自分、凍え死ぬっす....!」
それもそのはず、今の札幌の気温は2度しかないのである。
「...はあ、仕方ないですね...では、どこかお店に入って待機しますか....」
...ということで僕たちは近くのカフェチェーン店に入って
池戸と優衣奈を待つのであった....。
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とりあえず店内で水野さんは優衣奈に連絡を取る。
「...あの、今優衣奈ちゃんにチャットを送ったのですが
まだ見てくれていないみたいですね...」
「まだ寝てるんっすか...?」
だとしたら困るな...
「そうだ、翔も池戸に連絡してみるのはどうっすか。
自分、池戸の連絡先知らないっすから...」
「そうだな...池戸にチャット送ってみる...」
...するとすぐに返事が来るのであった。
[悪い、寝過ごしっちまったみたいだ。翔たちは今どこでどうしてる?]
とりあえず池戸は今の状況に気づいたみたい。
僕は水野さんや美歩にもチャットを見せる。
「え、えーっと、私たちは今、福岡先生と....」
...などと一生懸命2人に連絡を取ろうとする僕たち3人の様子を、
福岡先生はただ黙って見守っているのであった....。
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とりあえず池戸と優衣奈は今新千歳空港にいるみたいだ。
しかもよりによって改札を出てしまったらしい。
「そ、そういうときは改札を出ず、駅員さんに寝過ごしたことを伝えれば
往復分の運賃を支払わなくて済んだのに...!ああ...」
福岡先生は僕たちから池戸と優衣奈の様子を聞いて落胆する。
「...ま、これもひとつの社会勉強です、かね....」
この落ち込みよう...たぶん福岡先生も乗り過ごしたことがあるんだろうな...
...で、なんであの2人はわざわざ改札を出たんだ??
[悪い。今、優衣奈がお菓子屋に釘付けで動けない。もうしばらくかかるかも。]
って...
「いや、そんなのんきなことしてないで早く帰ってきてーー.....?!!」
--------------------1時間後....
「あ、やっと札幌に戻ってきたみたいですね.....」
連絡を受け、僕たちは駅構内に2人を迎えに行く。
「....あーっ!!翔!!藍!!美歩!!ただいまー!!....うはっ!!」
??!
改札の前に行くと、ちょうど改札を通ろうとした優衣奈が僕たちのほうに
やってきたのだが、改札機に追い返されるのであった。
「だ、大丈夫です?!優衣奈ちゃん...!?」
そしてこれを見た駅員さんがすぐに駆けつけてきてくれる。
「...すみません、あのー...こちらチャージ不足ですね。
あちらの乗り越し精算機でチャージをお願いします。」
「そっ、そんなーー!!」
結局優衣奈と池戸は新千歳からの乗車賃を支払い、残金が
ほぼ0になる2人なのであった...。
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午後9時。
結局僕たちは、厚木先生やみんなのいる食事会場の時間に間に合わず、
福岡先生と一緒に近くのお店で夕食を済ませてからホテルに合流した。
みんなはホテルの自由時間で、各自部屋を移動したり
トランプで遊んだりしている。
僕は池戸と共に部屋に行くと、誠と山村、それにこのはの3人が待っていた。
「...まったく、何をやっているんだい、君たちは...」
「面目ない....」
誠に呆れられる。
「でも無事に合流できたんだしよかったじゃないかー、友?」
「そ、それはそうかも、な....」
やっぱり山村は優しい。
「そ、それはそうと、翔くんたちは今日
どこに行ってきたのか教えてほしいですー...!」
このはのおかげで話題は今日の自主研修での行き先についてになった。
「えーっとだねぇ、友の友....」
「いや、山村には聞いてないだろ...!」
僕たちの部屋からは明るい笑い声が夜の街に響く。
それから僕は小樽運河の写真やみんなで食べた洋菓子屋の写真、そして....
「ほら、これ...オルゴール...作ってきた....」
「俺もあるぞ。」
池戸と一緒に、小樽で作ったオルゴールを見せるのであった。
そして実際に音を鳴らしてみた。
「...うわぉ...とってもノスタルジーだねぇー.....」
すると話はここで途切れ、みんな静かにオルゴールの音色に耳を傾けはじめる。
「...にしても今日でほぼ終わりかー。楽しかったね、と、も...?」
ああそうか....明日は帰りか....
長かったようで短い、
充実の北海道旅を思い返しながらオルゴールを聞く僕らなのであった...。
最終日へ続く....
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
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