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#96 タイゾウと厚木

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#96 タイゾウと厚木


10月。

体育祭から文化祭へと様変わりしていく今日この頃。


売れない芸人だった宇連泰三(タイゾウ)は姉の指導(?)のあと

劇的に様変わりしていき、ついにはテレビ出演を果たす。


そのことに対して山村や晋兄たちも喜んでいる様子だったが、

もう一人ひっそりと喜びをあらわにする人物が。

その人物とは、我がクラスの担任の先生、厚木浩人だった...


「...マジっすか...厚木の元教え子だなんて...」

先生(本人)の前でも平気で呼び捨ての美歩。


「先生、詳しく聞いてもよろしいでしょうか...?」

突如山村は丁寧な言葉遣いになって先生に話を聞こうとする。


「...ん?ま、まあここまで食いつくとは正直思ってなかったが...

いいだろう。話をしてみるか...!」

しかし...


キーンコーンカーンコーン...


「先生!HRをはじめてください!!」


チャイムと同時に美里愛が厚木を呼ぶのであった。


「おっと。この話はあとでだな!!」


----------------------------------------


昼休みになった。

厚木先生に呼ばれ

僕と山村、幸佳、水野さんに美歩の5人は相談室に入る。


ガタン...


「おう!みんな...!先生は嬉しいぞ...!まさか生徒たちと

こんなに話せる機会が来るとは....」


「先生ー、早く話してほしいっす。」

相変わらずだな、美歩は。


「そ、そうだな...えーっと何の話を...」


「タイゾウのことですよ、先生...しっかりしてください...」

山村は丁寧にツッこむ。


「おう....タイゾウのことだったな...

そう、あれは私が大阪ではじめて教師をしていた頃....」


------------------------------------------------------------------------------------------------


---入学式の日....


「み、みんな...よろしくな...!

わ、私は担任の厚木...浩人だ....」


たどたどしい挨拶に困惑するみんな。


「は?こいつが3年間担任?マジ嫌なんっすけど。」


「うっ....」


-----「そう....あのときはまだ教師人生1年目で

生徒のことを何も分かってなかった...」


---入学して数か月が経った頃。


ガラガラ...


----私はたまたま忘れ物を取りに教室に戻った。するとだな...


「んだよてめえ。生意気な!」


ドンッ...


----私は見てしまったんだ...

教室で、自分のクラスでいじめが発生している現場を....


「...ああ?何見てんだよ、厚木。俺、今すごい腹立ってんだよ!!」


「そんな理由で人を傷つけることは...許さない....」


「は?」


教師として見過ごすことなどできなかった私は

いじめを止めに入る。しかし...


ドンッドンッ、ドカッ...


力のない私は返り討ちに遭ってしまうのであった...


「なんだ、大したことねえなぁ。けどなんかもうすっきりしたわ。行こうぜ。」


そうして彼らは教室を出ていってしまう....


「せ...先生....」


「だ、大丈夫か...タイゾウ君...」


ボロボロになった先生を見て泣きそうになるタイゾウ。

先生はすぐにホコリを払って後ろの棚に背中を預けた状態でタイゾウに話す。


「まったっく...イテテ...いじめってほんとにあるんだな...」


タイゾウはただ何も言えずに泣いている。

すると...


「...おや...タイゾウ君...その紙は一体....」


先生はタイゾウが持っているくしゃくしゃの紙に目をやる。

タイゾウは涙目のまま、恥ずかしそうにその紙を渡した。


「...将来の..夢...?」


その紙は進路調査の紙であり、

将来の夢にお笑い芸人と書かれていた...


「なるほど......素晴らしい夢、だな....」


そのとき彼の目の色が変わった。

そうしてついに言葉を発する。


「先生...俺、負けないっす....

いつか日本一のお笑い芸人になって、必ずみんなを見返してやるっす....!!」


---その言葉を聞いて俺は決めた...

もっと強くなって、必ず生徒(かれ)を守れる先生になる、ってな...!


....話し終わる頃には厚木先生の目には涙が浮かんでいた。


いやあ...

タイゾウも厚木先生も、

今の姿からは想像もつかないほど苦労してきたんだなあ...

そう思うと僕の目にまで涙が溢れてきた。


「...あれからもう15年以上...ずっと信じて

待ち続けていたのだが....ううっ、ううっ....」


厚木が泣くのと同時に水野さんや幸佳まで泣きはじめてしまう。


「すごいっす...先生がこんな風に変わっていくきっかけをくれた人物が

今まさに頭角を現し始めるなんて....」


美歩も感激している。


...そして僕は、どうしてもしておきたい質問があった。


「と、ところで先生...タイゾウ....さんにはこの15年間、

会ったりとか...したんですか...?」


僕は涙を拭いながら厚木に話す。


「いや...?この間のテレビで突然現れたのを見ただけだが....」


なるほど...!!ということは....!


「先生っ!!次の休みに是非家に来てください!!」


「あ...お...おう....?」


...と、勢いよく前のめりで先生を勧誘する僕。

その姿を見た水野さんや美歩に笑われてしまった。


----------------


放課後。

先生以外の5人は一緒になって帰ることになった。


「いやあ...あの暑苦しい先生にあんな過去があっただなんて....」

歩きながら山村は感慨深げに言う。


「と、ところで...次の休みのことなんですが....」


水野さんの言葉に僕はこう返す。


「再開の瞬間...見に来る...?」


その言葉で笑顔になって頷く水野さん。

そうだよな。ここまで来たらこのメンバー全員呼ぶに決まっているからな...!


-------「....ということがあってだな。」


夜。


姉に次の休みの日にみんな(+先生とタイゾウ)を呼ぶことを話してみた。


「へえー.....まさかそことそこがそうやって繋がるなんて....!」


「な...俺もびっくりしたよ...」

これは偶然なのか必然なのか....


「...いいよ!...で、ちょうどその日は私も家にいるから....あとは...」


「タイゾウだな。」


「ちょっと!私のセリフ途中で取らないでよー!」

アハハ、と笑い出す僕。


なにはともあれ、先生とタイゾウの15年ぶりの再会が

急激に近づいているのであった...


続く...?


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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