#88 お土産交換
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#88 お土産交換
8月。
姉と共に帰省した奄美大島から帰ってきてから数日経った。
旅行から帰ってきたばかりだというのに山村経由で水野さんに誘われて
一緒に遊ぶことになる僕。
そして今日は姉が休みなので、このアパートに引っ越してきたという
泰三の部屋に何故か僕も一緒に訪問するのであった...。
「お邪魔しまーす...!」
部屋に入るとまだ綺麗な廊下に段ボールが3段ほど積み上げられて置かれていた。
「...あら、お師匠さん!まだ片付いてないのにごめんなさいねー...!」
先に挨拶してくれたのは奥さんのほうだった。
「ちょっと泰三!!お師匠さんたちが来てくれたわよ!」
「ああっと、もう来たんでやすか?わかった、今行きやす....」
まだ来ると思っていなかったのか自分の部屋で作業をしていた泰三。
ドタドタドタ...
「お疲れ様です、師匠!ささ、どうぞ中へ!」
頭を下げ、丁寧に姉と僕を招き入れる。
僕は軽く会釈して姉と一緒に中へ入った。
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「いやー、まさかほんとに私と同じアパートに来るとは...!」
姉は泰三の家のリビングを見回して言う。
「自分も師匠と同じアパートに住むことになるなんて
思ってもなかったからなぁ...!」
泰三は姉と楽しそうに話す。
「...それよりアンタ、渡すものがあってお二人を呼び出したんでしょ?!」
「あ、そうそう...」
奥さんにそう言われ、後ろにあった段ボールから何かを取り出す泰三。
その中に入っていたものは...
「どうぞ、師匠。大阪土産でやす!」
5個入りのお菓子や大阪のキーホルダーなどが入った段ボールより小さめの箱。
それを箱ごとプレゼントするのであった。
「わあ、大阪じゃん!ありがとう!」
姉も喜んでいる。
「...そうだ、お返しと言ったらあれだけど、私たちも泰三に
お土産渡せるんだった..!」
そう言って自分のカバンを漁る姉。
ところが...
「....あー、ごめんっ。家に置いてきたみたい。
翔!多分私の部屋にあるから取ってきてくれない?」
なるほど...やっぱそうなるか....
けれどそれができるのも同じアパートだからこそのメリットだな。
はいはい、と呟きすぐさま泰三の家を後にする僕。
そしてすぐにお土産を発見し、戻ってきた。
「...あら、あなた達旅行に行っていたの?」
「旅行というか帰省なんですけどね。ちょうど先週
帰ってきたばっかりですけど。」
お土産に興味津々な奥さん。
そして奄美大島という文字を見てさらに驚愕する。
「ええっ!奄美大島!知ってる知ってる!私の親戚がいて、
何度か行ったことがあるのよ!」
「...そうなん!?それ知らんのやけど!」
奥さんの親戚のことは泰三も知らなかった模様。
「ありがとうね、わざわざ。」
そう言って僕からお土産を受け取る奥さん。
...あれ?
「...ちょっ、それワシにくれたんちゃうんかーい!!」
ほええ?となる姉と、それを聞いてクスクス笑いはじめる奥さん。
さすが。ナイスツッコミ。
「フフフ、ごめんごめん。先に受け取っちゃった。」
奥さんも悪気はなかったらしい。
「ま、まあ2人へのプレゼントなんだから別にいいじゃない!
...あと、私たちの分もありがとうね!」
姉は2人に大阪土産のお礼を言う。
「お土産交換ですな、師匠!!」
そう言って笑いはじめる泰三につられてみんなで笑い出した。
泰三がやってきて、ますます賑やかな日常になりそうだな。
そう思うのであった。
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それから数日後。
夏休みも後半に差し掛かってきた頃、家でひとりくつろいでいる僕。
「...そろそろ課題終わらせないと...」
結局去年は提出日までに終わらせられなかったしな。
そう思って部屋から課題を持ってくる。
...それから15分ほどは真面目に課題を解いただろうか。
しかし進んだのはやっと見開き1ページ分。
「マジか...まだあとこんなに...」
ちょっとひと休みのつもりで動画を開くと、
結局そのまま動画を観始めてしまうのであった。。。
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「あれれ?課題進んでないけど?」
姉のひと声ではっと我に返る僕。
しまった、今何時だ?!
「アハハハハ、わかるわかる!
私も学生の頃そんな感じで全然課題終わらなかった派だから!」
むぐー...と恥ずかしくなる僕。
急いで課題を片付けた。
「そんなことより、はい、お土産!」
「...お土産?急にまた誰から。」
僕の質問に答える前にカバンからお土産を取り出す姉。そして...
「誰って...佐加井先輩たちだよ。家族と静岡行ってきたんだって。あ、あとこれ。
先輩の妹さんで、翔と同級生の...」
「美里愛だな....」
「そうそう、美里愛ちゃん。美里愛ちゃんが翔に渡しといてー、だって。」
ふう...家に来るとか言い出さなくてよかった...
安心したのも束の間、僕はお土産の中に入った
手紙を見て困惑してしまう。
「...?」
姉が不思議そうにする中、突然玄関のチャイムが鳴り響く。
ピンポーン、ピンポンピンポンピンポーン!
「んわわっ、びっくりしたー...何?急にもーう...
はーい、今行きますからー!」
そう言って家の扉を開けると...
「...わあっ、佐加井先輩に美里愛ちゃん?!」
「ご、ごめんね。こんな時間に...」
申し訳なさそうに照れる優斗さんと...
「うふふふふ...GPS作戦はうまくいったみたいね...」
優斗さんの後ろ、何やら恐ろしいことを呟いている美里愛の姿があった。
とりあえず2人は中に入れてもらうことに。
「な、なーんだ。今から来るなら
先にお土産渡さなくてもよかったのではないですか...?」
「...え?あ、ああ!確かに!」
いや、気づいてなかったんかい!
「けれど、ほら。美里愛がどうしても早く渡せ、っていうものだから...」
絶対これ(GPS)のためだな。
「無理を言って申し訳ありません、お兄様。」
猫かぶりの美里愛は愛想よく言う。
「それで....その....翔....さんとお姉さんは...そう...
奄美大島に行ってきた、とか...」
優斗さんや美月姉に囲まれてもじもじしながらそう呟く。
って、なんで知ってるんだよ...!
「ああー、よく知ってるね!さすが翔の次期嫁さん!」
「は、はあーーー?!!」
「ちょっと...何を今さら....」
(色んな意味で)焦る僕と、まんざらでもないと照れる美里愛。
そして優斗さんは...
「...あ、もしかして2人って付き合ってるの?
なんだ、そういうことかー。ハハハハハ....」
「(もうやめてくれーっ!!)」
恥ずかしさと気まずさで心の底からそう叫びたくなる....
そんな僕なのであった...。
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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