#85 旅の大詰め
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#85 旅の大詰め
8月前半。
奄美大島にやってきて1週間ほどが経った。
今回も姉の都合で明日には帰らないといけない。つまり実質今日が最終日だ。
...ということで僕と姉は再び出かけるのであった。
朝。さっそく出かけようとすると、仕事休みの父が話しかけてくる。
「おっと。またどこか行くのか?連日遊び周って体調崩すなよ?」
続いて母も言う。
「ええそうね。けれどせっかく自由に遊べる時期なのだから
気をつけていってらっしゃいね。」
「はーい、行ってきまーす!」
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車に乗り込み、僕は姉に聞く。
「と、ところで今日はどこに行くんだ...?」
すると姉は車を動かす前にスマホを見てから言う。
「今日は干潮で合ってるよねー?ということで今から
ハートロックに向かいたいと思いまーす!」
なるほど。ハートロックか。
ハートロックといえば、奄美大島北部の龍郷町にあるハートの形をした岩だ。
有名どころではあるがそう、
潮が引いているときにしか見ることができないのだ。
観光客がそのことを知らずに行って見れなかったというのもよくある話だ。
...ということで姉にも邪魔されずひとり脳内観光案内を終えると、
車は既にハートロックに向かって走り出していた。
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市街地からおよそ40分。
僕たちはハートロックのある龍郷町にたどり着いた。
小さな林を抜け、砂浜に出ると
そこには地平線まで広がる綺麗な海があった。
「うわーっ、天気も良いしよかったー!」
確かに。ハートロックは天気もよくないと綺麗に見れないからな。
...と、浜を少し歩いていると、向こうのほうに人だかりがあった。
「あれだろうな。」
そう言って僕たちも近づく。すると...
「いやー!偶然偶然!たまたまこの日を選んだら
ちょうど綺麗に見える時期だったねー!」
聞き覚えのある声、金髪の後ろ姿。そしてもう一人、紫髪の後ろ姿。
これってまさか...
「うっす。また会ったっすね。」
ちょうど後ろから来た美歩に話しかけられた。
「って、あれれ!美歩たちじゃん!」
姉もようやく気づく。
「えー?どうしたの?美歩...って、ういーっす!」
瑠香姉も気づいて声をかける。
「あっ。ねえみんな見て見て!これがハートロックだってよー!」
佳穂姉は僕たちをハートロックのほうに呼ぶ。
「確かに綺麗だ...」
僕と姉は何度か来たことがある場所ではあるのだが、
今日のは一段と綺麗に見えた。
「ねえ知ってるー?ハートロックってーその見た目と名前の通り
恋愛のパワースポットとしても有名なんだよー?」
姉がそう言った途端、僕と美歩を一緒に見つめる瑠香姉佳穂姉。
「な、なんっすか?!まさか翔と...!」
「あはは、ごめんごめん!
ううん、翔くんとはこれからもずっと友達としていてほしいなー!」
佳穂姉にそう言われ、なんだか複雑な気持ちになる僕なのであった。
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昼。
美歩たちとは別れ、僕と姉は昼食を食べに行くことにした。
「あー、まさかまた美歩たちに会うとはねー!
けれど一緒に見れて楽しかった!」
姉は嬉しそうに言う。
「こ、この後はどうするつもりなんだ...?」
「お昼食べに行こうと思うんだけど、豆腐屋と鶏飯、どっちがいいー?」
うわっ...なるほど...。
どちらも奄美大島で有名な場所だ。
島豆腐屋。湯豆腐やハンバーグなど、島豆腐を使ったさまざまな豆腐料理で
島内外から人気のお店。
もう一つは鶏飯。
言わずと知れた奄美大島の郷土料理の店である。
そして僕が導き出した答えは...
「よし、鶏飯にしよう。」
...と、姉に鶏飯を勧めるが...
「えーっ、待って。島豆腐も結構捨てがたいような...」
やっぱりまだ優柔不断だった。
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結局鶏飯になった。
「うわー、混んでるねー。」
そりゃそうだろう。夏休み期間中のお昼どき。
ましてや週末、土曜日も重なっていつも以上に賑わっていたが、
なんとか入店することができた。
「いやー、すごい人気だねー。」
故郷の郷土料理がこれだけ人気なのは嬉しい限りである。
「それじゃあさっそく鶏飯を...っと!」
姉と一緒に鶏飯を注文するのであった。
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「お待たせしました、鶏飯です。」
そしてしばらくして鶏飯が到着する。
「ご飯のおかわりは自由となっておりますので、あちらからお入れください。」
へえー。さすが鶏飯の店。ご飯のおかわり自由なんだな。
「よし、食べよう!いっただきまーす!」
ご飯の上に鶏ささみ肉や錦糸卵、刻みのりにパパイヤ漬けなどを乗せ、
その上にあっさりとした鶏のスープをかける。
「あ...やっぱり美味っ...」
僕と姉は満足気に鶏飯を平らげる。
「美味しかった!」
こうして僕と姉は観光客のように旅を楽しんだのであった。
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夜。
部屋にある荷物をまとめて帰る準備をする僕ら。
すると....
「おお、そうか...明日にはもう帰らないとならんのか....」
父がやってきて寂しそうに言う。
「大丈夫だって!また来年もきっと来るから!」
姉は父を元気づけると、
「そうだな。よし!明日も父さん休みだから、見送りくらいさせてくれよな!」
すっかり元気になった父であった。
「あれ。まだ起きとって?」
するとおばあちゃんもゆっくりゆっくり階段を上って様子を見にくる。
「ああ、ほら。この2人明日で帰りだからな。」
「そうね、またおいで。おやすみ。」
言いたいことを簡潔にまとめておばあちゃんは部屋に向かう。
「あらあら。明日帰るの?寂しくなるわねぇ...」
続いて母も僕たちの部屋にやってくる。
「おう、そうみたいなんだ。
だけど明日も父さん休みだから見送りに行こうって話になってな!」
「で、でも俺たちの許可取ってないけどな....///」
恥ずかしそうにそんなことを呟くと、父や母に笑われてしまった。
「ふふふ、まったく...!
けれどそういうことなら私もお見送りに行きたいわ。」
「ありがとう!それじゃあ明日早いしもう寝ないとだね、おやすみなさい!」
こうして両親が空港までお見送りに来てくれることに。
今一度家族の温かさを感じられた僕なのであった...。
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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