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#78 翔と優衣奈

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#78 翔と優衣奈


6月後半の週明け月曜日。


泰三さんや霧島さんを巻き込んだ失踪事件はなくなり、

落ち着きを取り戻してきた今日この頃。


それと同時に、街は例年より遅めの梅雨時期を迎えようとしていた...。


---------------------


午前中。


授業を受けていると、美歩が息苦しそうにしながら手をあげる。


「せ、先生...ちょっと、体調悪いっす...」


おっと、大丈夫か...?

美歩が体調不良なんて珍しいな...


「あら、ほんと...

分かったわ、保健室に行っておいで。」


うい...とゆっくり立ち上がる美歩。

国語の先生が優しく対応してくれる。


「誰か、一緒に新井さんを保健室まで連れて行ってくれる...?」


するとすぐさま水野さんが手をあげて美歩のところへ行った。


「私が連れて行きます...!」


-------


昼休み。


いつものように山村と一緒にいる僕。

すると山村は美歩や水野さんの席を見て言う。


「あの2人がいないとなると寂しいねぇ...」


まあ確かに。

普段学校ではあまり話をしたりしなくても、

いるだけで安心感を与えてくれていたんだな。


...すると美歩や水野さんの友達で、転校生の優衣奈が教室に戻ってきた。

席に戻った彼女はひとりで弁当を食べはじめる。


...そんな優衣奈に山村が話しかけた。


「こ、ん、に、ち、はー、転校生ちゃん☆」


ってか、まだその呼び方してるのかよ...

優衣奈にも若干渋い顔をされる。


「大丈夫かい、転校生ちゃん...?」


そうして山村はかがんで優衣奈の顔にどんどん近づいていく。

やめろやめろ、これ以上はもう見てられない...!!


そう思った僕は山村を連れて自分の席に戻る。


「ごめんごめん、友。それじゃこのままお手洗いへ行ってくるねぇ。」


こうして僕はひとり取り残された。

...するとそのとき、優衣奈のひとりごとが聞こえてくる。


「ねえ、山村っていつもこんな奴なの?!美...歩...」


そう言いかけたまま、段々と下を向いてしまう優衣奈。

それはまるで、山村や幸佳が学校を休んだときの自分を見ているみたいだった。


「すごく...分かる、その気持ち...」


「...?」


僕は思わず優衣奈に声をかけていた。


「な、何よ、アンタ...」


突然声をかけられむすっとしている優衣奈。

それでも僕は落ち着いてこう答えた。


「あ...名前、覚えてなかった...か、な...僕は春野翔...」


すると優衣奈も少しは落ち着いてくれたみたいで、寂しそうにしながらも

僕の話を聞いてくれる。


「実は僕も...山村が休みの時期があって...

それで...つい、あの時の自分と重ねて見えたから、声かけてみた...」


そこまで言うと、優衣奈は突然席を立ち上がってこう質問してくる。


「ね、ねえっ!私、どうしたらいい?!」


「ど、どうしたらって言われても...」


突然すぎて驚いた僕は右手を頭の後ろで掻く。

ご、ごめん、と呟きもう一度席に座る優衣奈。


どうしたらいい、か...まあ定番だけどこういうときは...


「...そ、そうだ...家知ってるならお見舞いにでも行ってあげるとか...」


「分かった、ありがとう!!」


そうしてすぐさま教室をあとにする優衣奈。

って、今すぐ行くの...?


教室を出ようとする優衣奈だったが、

廊下に立っていた誰かが左肩をがっしり捕まえる。


「ちょっと風野さん...?翔には近づくなと言ったはずですよ...?」


「...うへえっ?」


その誰かとはそう、学級委員長の佐加井美里愛だ。

(勝手に)両想いだと勘違いされて以来、

ずっと僕のことを恋愛対象として接してくる。


「翔は私のもの、たとえ翔が話しかけて来ても

それを断らなかったらあなたの責任で...」


普段は学級委員長として真面目な美里愛だが、僕への執着が強すぎて

僕と一緒にいる女子にはすぐ強くあたってしまうのである。


...すると後ろから山村が戻ってきた。

助かった、ちょっと一緒に来てくれないか...!


そうして山村を連れて美里愛と優衣奈のところに急ぐ。


「おや、委員長。何をしているのか、な...?」


すると優衣奈の肩から手をどかし、先ほどとは別人のようになって言う。


「いえ、風野さんの肩に虫がついていたから追い払っていただけですが?」


「そ、そうなんだ、ね...」


山村、ありがとう...


するとここで僕は優衣奈に言い忘れたことを思い出す。


「あ...風野、さん...さっき言い忘れたんだけど...僕も一緒に...その...

美歩のお見舞いに行っても...」


「ダメに決まってるだろ友?!」「絶対許しません!!」


ううん、タイミング間違えたー...!!


-------------------------------------------------------------------------


翌日。


結局美歩のお見舞いには行かなかった。

まあ女の子だしな。今回は優衣奈に任せておいた。


外は梅雨時期らしい、強い雨が降っている。


「ああ、美歩は結局今日もお休みじゃない...」


「仕方ありませんよ...たぶん、明日には来てくれると思いますから...」


水野さんは戻ってきたみたいだが、美歩は今日もお休みだ。


「おはよう、友。」


「あ、おはよう...。」


幸佳を連れた山村が教室にやってくる。


...すると、誠と優衣奈が何やら揉めているのが聞こえてきた。


「梅雨とは日本のほとんどを含む東アジアで(どうたらこうたら).......」

っておい、聞いているのかね...!」

突然喋り出す誠に引いている様子の優衣奈。


「いや、アンタが勝手に喋り出しただけでしょうよっ!!」

優衣奈が反撃すると、誠は頭を抱えてしまう。


「なぜだ...なぜ、みんな僕を邪魔者扱いする....!」

誠はただ、人から頼られたいだけなのだ。


そんな様子を見た水野さんが言う。


「誠さん...頼られたいのは分かりますが、あまり頼られることだけに

執着しないほうがいいと思います、よ...?」


「水野、さん...」


誠はそう呟いて水野さんに近づこうとする。


「はい、ダメーっ!!なんかよくわからないけど、

アンタ偉そうにしていたから藍に近づくのはなーし!!」


これ以上放っておけないと思った僕は、山村と共に

誠を優衣奈から引き離すのであった。


「誠。頼られるというのは自分から出しゃばることではないぞ。

ほら、謝って。」


山村にそう言われ、大人しく優衣奈に謝る誠。

素直になったな。


やっぱり友達のいる日々は良いと...

そう思う僕なのであった。


続く...


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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