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#74 泰三の本気

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#74 泰三の本気


人気俳優、土浦晋の友達でお笑い芸人の宇連泰三(うれたいぞう)

人気が伸びない彼を応援するためみんなで彼の公演をを見に行ったのだが

素晴らしいとは言い難い内容だった。


その様子に申し訳なくなった晋兄が感想会という名目で

ファミレスの一角を貸し切りにして招待する。

そこでなんだかんだあった泰三は姉に弟子入りを申し込んだ。

翌日、謎の4足歩行からすべてを読み取った泰三は

(たった1日で)弟子卒業を果たす。


東京での公演会も残り1回となったこの日。

師匠である姉は、仕事で会いにいけないとのことだったので

泰三はひとり、昨日の公園で作業をしていた。


カキカキカキ...


「でな、チョコレートをカレーに入れると

美味くなるらしいんや!...知らんけど...!」


ホテルでやればいいことをわざわざ外に出て作業する泰三。

ネタの修正と練習をしていたのだ。


...しかしそれがまさかの功を奏すことに。


「...お兄さん面白ーい!ねえねえ、もう一回やって!」

突然現れたのは小学生の小さな女の子。


「えっ...今のが...面白い...?」

うん、と笑顔で頷く女の子。

少し戸惑ったがもう一度やってあげることに。


「チョ、チョコレートをカレーに入れると...

美味しくなるらしいでー...!知らんけど...!」


あはは、と笑い出す女の子。


「チョコレートは甘いのにカレーに入れたら美味しくないよ!...知らんけど!」


知らんけど、までマネをしてくれた...?!

段々恥ずかしくなっておどおどしていると、

女の子のお母さんらしき人物が現れた。


「もう...やっと見つけたわ...すみません、お邪魔してしまって...」


「いえいえ、とんでもないです...」


するとお母さんのほうに飛びついた女の子が

こんなことを言い出す。


「ねえねえお母さん!この人面白いんだよ!」


「ええっ?」


そうして泰三のほうに注目する母。

女の子ももう一回やってほしそうに見つめる。


「わ、わかりましたよ...娘さんのため、ですからね...んんっ...」


---そうして先ほどのネタと修正中のネタを少しだけ披露した泰三。

すると...


「た、確かに面白いネタだったわね...!あなた、芸人さんか何か?」


この言葉に、泰三はすかさずこう続ける。


「う、宇連泰三って言います...!関西のお笑い芸人です...

もしよかったら、これ、見に来てくださいまへん...?」


「何、最後の関西弁は...!」

そう言って笑う母親に、泰三は講演会のチケットを渡す。


「そんな、いいんですか?タダで頂いちゃって...」


「いや、実は...その...僕のネタを面白いって言ってくれたの、

あなた方がはじめてなんですわ...だからその記念に...」


段々ともじもじしはじめる泰三。


「べ、別に嫌やったら捨てて構いませんで...

こんなおっちゃんみたいな兄さんに興味を持ってくれただけで嬉しいんで...」


するとそんな泰三を見て女の子が言う。


「ううん、本当に面白かったよ!ね、お母さん!」


その言葉に顔を上げる泰三。


「そうね。もっと自信を持ってもいいと思いますよ...!」


はじめて会った人たちなのにすっかり元気づけられた泰三。


「あ、ありがとう、ございます...!ありがとうございます...!」


-----------------------------


この日の夜。


今日は公演会はなく、あさってが最終公演だ。

ホテルに帰ってきた泰三は、ベッドの上、さっそく師匠である姉に連絡する。


「...まーたあの人と連絡取ってるの?」

一緒にいた泰三のマネージャーかつ奥さんに目をつけられる。


「いやいや、あの人は僕の師匠ですがな。浮気しようなんて1ミリも

思ってへんから安心してや!」


「ホンマかいな?この間だってアンタ彼女にここまで送ってもらってたし...」

不安そうにする奥さんをよそに、泰三は姉にメッセージを送信した。


-----


一方ここは姉と僕の家。

夕食のあといつものように

2人でゆっくりしていると、姉が携帯を見て言う。


「あ、泰三からだ。」

そうしてメッセージを入力する。


「泰三...さんとはメッセージのやり取りするほど仲良くなったんだ...」

僕が呟くと、


「何言ってるの!元弟子なんだから当たり前でしょー?」

すっかり師匠気取りの姉だった。


-------------------------------------------------------------------------


泰三の最終公演日。

いつものように舞台に立つ泰三。


ブー....


「どうもどうもー!関西でお笑い芸人やってます、

宇連泰三(うれたいぞう)と申します、こんにちはこんにちはー...!」


すると...


「って、ええ?!どないなっとんねん!!」


前回公演まではほとんど空席だった客席が、なんと8割方埋まっていた。


「あは、夢でも見てるんかな...」


すると客席にはこの間の女の子とそのお母さんがいた。


「チョコレートっ!チョコレートっ!」

女の子が泰三を見て笑っている。


「そうそう!チョコレートをカレーに入れたら...って

ネタバレしたらアカンで!!」


すると他のお客さんから笑いがこぼれた。


それをきっかけに、次から次へとネタを披露していく泰三。

そしてそれをいちばん楽しんでいるのは紛れもなく泰三自身なのであった...。


------30分後、劇が終了した。


会場は最後まで笑いでいっぱいになり、最後は拍手で幕を閉じた。


「ハア、ハア...一体全体どないなっとんねん!!めっちゃ緊張したわ!!」


会場裏で本音を漏らす泰三。

すると奥さんが泰三にスマホを見せてこう言った。


「実はあの人、有名なインフルエンサーだったみたいなの!」


「...はい?」


スマホには確かにこの間の女の子のお母さんが写っている。


「ほらほらこの人。登録者10万人越えのonetuberで、

この界隈ではお笑い好きで有名らしいよ?」


へえ...

それであんなに...


「みんな面白かったって感想に書いてくれとるよ!」


公演終了後のアンケートを見てそう伝えてくれる奥さん。

それを聞いてまんざらでもないというような泰三だった。


最終公演を終え、ネタにも自信が持てた泰三。

とても成長した公演会になったのであった...。


続く...


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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