#65 新学期~進級&転校生
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#65 新学期~進級&転校生
「柔らかな日差しが降り注ぐこの頃...私たち1年生は、進級します!!」
「ってそれは卒業生の言葉だろ!!」
---目を覚ますと、時計の針は午前7時を指していた...
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「なんだったんだ、今朝の夢は...」
4月8日。学園に来て2度目の春だ。
新たな学年になり、後輩たちが入ってくるこの時期の町は
新生活をはじめる人も多くいつもより慌ただしい。
春休みを過ぎ、16歳になった僕は
今日からまたあの慌ただしくも美しい
青春という日々に参加するのであった...
「おはよう、友...!☆」
登校中、さっそく話しかけてきたのは山村。
ちょうど1年ほど前、帰り道に話しかけてきたのがきっかけで友達になった。
「お、おはようございます...山村さん、翔くん...!」
「うっす。」
続いてやってきたのは、幼なじみの2人組、水野さんと美歩だ。
美歩はいつ見てもサバサバしていてかっこいい。
「今日から入学式ですね。」
「藍...入学式は昨日終わったっす...」
「それに、入学式は毎日続かない、よ...?☆」
...水野さんって見た目では頭がよさそうなのだが
ちょっとおっちょこちょいなところがあってそれがまた可愛い。
はゎゎ、と顔を赤くしてこちらを見ている。
...すると後ろにいた幸佳が前に行き、山村を学校のほうへと引っ張る。
「おっと、そうだね。浮かれて遅刻してしまうところだったよ、アハハ。」
こうしてみんなと再び学校での生活が幕を開けた...!
---キーンコーンカーンコーン...
「おっす!!みんな久しぶりだな!!今年もお前たちのクラスの担任の先生の
教師の担当の...」
「厚木先生、今年もよろしくっす。」
「お、おお!!新井!!今年もよろしくな!!」
厚木と新井は相も変わらず仲が良かった。
「...それで、今年はまず、転校生を紹介しようと思う!!」
て、転校生...?
小学校や中学校ではあり得るが、高校で転校生なんてなかなか珍しい...
「待ってろよ、今福岡先生と一緒に来るはずだからな!!」
ワクワクそわそわ...
一体どんな人が転校してくるのだろう...男子か?それとも女子...?
...しかし10分経っても20分経ってもなかなかやって来なかった。
「ま、待ってろ...もうじき来る...」
「先生、そう言ってからもう30分くらい経つっすよー?」
「お、おう...」
そしてとうとう誰も来ないまま授業が終わる5分前。
「...わかった、ちょっと様子見てくる。お前たち!あとは自習な!」
「もっと早く言って(行って)ください!!」
珍しくみんなの声を代弁してくれたのは、学級委員長の美里愛だった...。
---キーンコーンカーンコーン...
2限目が始まる。
するとこの時間担当の福岡先生が、茶髪で髪の長い女の子を連れてやってきた。
「おはようございます、皆さん。授業の前に転入生を紹介したいと思います。」
福岡先生の陰に隠れる彼女に注目が集まり、ざわついているみんな。
「これ、そんなにジロジロ見ない!緊張しますよね、大丈夫ですか?」
「あ...はい...」
小さく頷く彼女は、とても緊張しているように見える。
「それでは...自己紹介お願いします。」
福岡先生に優しく指示され、こちらを向く彼女。
これはまさか、新しい青春の始まりか...?!
「...えっ?あー、えーと私は...」
そうして言葉に詰まる彼女。
しかしすぐに名前を言ってくれた。
「か、風野、優衣奈ですっ...はいっ...!」
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風野さんの席は、
水野さんと山村の間の席で、僕の席より後ろだった。
「...では授業をはじめますよ。教科書の最初のページを開いてください....」
福岡先生の担当教科は数学。
去年と変わらず、安心して受けることができた。
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昼休み。
お手洗いを済ませ、山村のところに行くと
さっそく風野さんに話しかける山村の姿があった。
「こ、ん、に、ち、は、転校生ちゃん☆」
転校生にもその口調で話すとは...大丈夫か?
するといきなりこんなことを言い出す。
「いやぁ、転校早々こんな爆睡しちゃう子はじめて見たものでねぇ...☆」
「ちょっと...山村さん...」
転校生に対して初っ端から攻めた発言だなぁ...
...って、感心している場合ではない。
感心するところでもない。
そしてさらにこんなことを言う。
「君、名前はなんて言うのかな?」
「おいっ、風野さんだって自己紹介してただろ。」
流れるようにツッコミを入れる僕。
ってかこの流れ、1年前にもやっただろ!!
...それからしばらく、山村を含めた他のみんなは転校生に興味深々で
まったくこちらに来てくれないので、このはのいる隣のクラスに行った。
「...て、転校生...!もしかしてあの子ですかね...!?」
一緒にいるのは隣のクラスのメガネ少年、このは。
この学園ではクラス替えがなく、いつまで経っても隣のクラスなのである。
「し、知ってるのか?」
「知ってるというか...その...」
恥ずかしそうにもじもじしているこのは。
すると隣から山村の声がした。
「ごめんな、友...僕としたことが君をひとりにしてしまって...」
「ひとりではないけどな。」
そうして隣にいるこのはを見る。
「それはよかった、友と友。」
すると山村の後ろから、幸佳が顔を覗かせているのが見えた。
「さ、幸佳さんが連れてきてくれたんですね、ありがとう...」
しかし幸佳はすぐに教室に帰ってしまう。
「あ、あれ...幸佳さん...?」
ただ、その理由はすぐにわかった。
ぐぅぅ...
僕のお腹が鳴る。
「あはは、弁当まだだったね。僕たちも戻って弁当を食べに行こう、か、な☆」
そういえばいつもならもう食べ終わっている時間だな...
「と、ということでまたあとで...」
このはと別れ、教室に戻る僕たち。
...と思ったら、勝手についてきて教室まで見送ってくれるこのは。
やっぱりこのははこのはだな...
久しぶりのみんなと学校生活。
今年も楽しくやっていけそうだ、と
そう思いながら教室を見渡す僕なのであった...
続く...?
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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