表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉄の塊に愛された男 〜坂上武の子育て〜  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/16

鋼太郎の結婚編

ある日、またもや吉報

坂上武、75歳。

鉄郎、鉄塊歴37年。

鋼太郎、鉄塊歴20年。


武が昼寝していると、現場監督が家に飛び込んできた。


「坂上さーん!! おめでとうございます!!」


「……何がだ?」


「鋼太郎くん、結婚するそうです!!!」


お相手は――

お相手は、最近導入された最新型ダンプカーのダンプちゃん。


大容量の荷台、エコ設計、最新鋼板ボディ。

現場では鋼太郎の隣で活躍するうちに、みんなが自然と言った。


「お似合いだよな、あの二人(?)」


こうして、職場公認のカップル誕生。


プロポーズ(?)

ある日、現場にお祝いのクラッカーが鳴った。


鋼太郎の隣に、ダンプ美ちゃんがそっと寄り添って止まる。


作業員:「鋼太郎さん……ついに決めたんすね……!」


もちろん無言のプロポーズ。

しかし、二台の金属のきらめきは誰よりも幸せそうだった。


結婚式

式場:坂上家の庭+特設鉄製チャペル。


司会進行はおなじみ現場監督。


親族席には父・鉄郎と母・アイアン子が並ぶ。


武は涙を止められない。


「孫が……孫が……結婚するなんて……

おじいちゃんは……もう思い残すことは……!」


誓いの言葉

監督が問う。


「坂上鋼太郎! あなたはダンプ美さんを、一生大切に……鉄として愛し続けますか?」


鋼太郎は無言。


しかし、太陽を受けて一層ピカピカに光った。


それが何よりの返事だった。


ダンプ美ちゃんも荷台をちょっと上下させて返事。


披露宴

会社の先輩たちがこぞってスピーチ。


「鋼太郎さんは……黙ってますけど……俺たちの心の支えでした……!」


「ダンプ美ちゃん、末永くお幸せに……荷台は大切に……!」


子どもたちは鋼太郎の横腹に寄りかかって寝ていた。


新婚生活

鋼太郎とダンプ美は、現場で並んで働き、夜は坂上家の車庫に寄り添って眠る。


武はこっそり覗いてつぶやいた。


「お前たち……いい夫婦だな……。

鉄だって、家族を作れるんだ……!」


鉄郎とアイアン子も、誇らしげに見守っていた。


そして――

満月の夜。


武は家の縁側で、並んだ鉄四世代(鉄郎・アイアン子・鋼太郎・ダンプ美)を見ながらビールをあおる。


「お前ら……鉄だって、こんなに幸せになれるんだ……。

父さんも、じいちゃんも、もう思い残すことはない……!」


鉄たちは無言だが、どこまでも温かく光っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ