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4.本物の愛-04

満たされた気持ちのまま目を覚ますと、そこは見慣れた自分の部屋だった。着物もはだけていない。きちんとした格好でいつも通り布団で寝ていた。


昨夜は随分遅くまで名月神社にいた気がする。けれど眠気などはまったくなく、夜もまだ明けきっていないようだ。


『夜を少しばかり長くしておいた』


月読様がそんなことを言っていた気がする。


体を起こすとギスギスしていた痛みが消えている。胸のあたりを見てみると、痣はあるものの薄くなっていた。月読様の力だろうか。


一生のお願いを聞いてほしいと言ったのは私。抱いてほしい、愛されている証がほしいと言ったのも私。それに躊躇いながらも応えてくれた月読様。


人を愛すること、愛されることを知らなかった私が、初めて知った愛の味は、花の蜜のように甘かった。幸せでたまらなくて、涙が止まらなかった。


下腹を手で(さす)る。旦那様に犯されたときとは違う、あたたかい感覚がある。もしや子が宿ったのでは……?


けれど、旦那様に何度犯されようと子ができなかった私に、そうやすやすと身ごもることができようか。月読様との子がほしいと言ったものの、それは希望的観測であり、現実はそんなに甘くないのだと、どこか頭の片隅で思っていた。

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