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最期に否定する冬

作者: 野中 すず


 ――――僕と友だちになってください。


 十六歳の彼女は、舞い散る桜の花びらに包まれながら小さく頷いた。




 ――――僕と付き合ってください。


 十八歳の彼女は、海に沈む太陽の光に包まれながら小さく頷いた。




 ――――僕と結婚してください。


 二十四歳の彼女は、鈴虫の歌声に包まれながら小さく頷いた。






 ――――すまない。僕は君をしあわせにすることが出来なかった。


 八十二歳の彼女は、病床でしあわせに包まれながら首を横に振った。しっかりと。


 お読み下さりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
短い文章のなかで長い歳月と春夏秋冬が表現されており、それぞれの季節が各場面と自然にマッチしているのが素晴らしいと思いました。 ご紹介くださりありがとうございます。 参考にさせていただきます。
[良い点] とてもロマンティックですね。欲しい言葉はなかなか貰えないもの、はっきり言ってもらえるの羨ましいです。 [気になる点] 友達から彼女になるまで2年……慎重に攻めましたね。 [一言] 拝読させ…
[良い点] 素敵です。季節の描写がうまく活用されていて、時間の流れを感じさせます。綺麗な小説で、わたしはとても好きです。 ちゃんとそれなりに大人になるまでの期間を結婚せずに愛を育み、それから先をずっと…
感想一覧
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