PR はなし 作者: 伍拾梳愧暴論 掲載日:2019/10/10 翅をもがれた蝶は思う。 力を持たぬ虫蝶のせめてもの知恵で得た翅は、大地から逃れ、鳥を惑わし、食を得られる唯一の武器。 失う事は、絶命も同義である。 久しく地を這うはなし蝶、懐き茎をよじ登る。 葉をよけて、辿り着くのは花弁の上。 さて、はなし蝶が蜜を吸おうと思うのか。 増してや飛ぼうと思うのか。 蝶はただただ踊って見せる。 やがて疲れて落っこちた。 また地を這うはなし蝶。 今度は何処へ参ろうか。 地を行く旅人に尋ねるか。