はなし
翅をもがれた蝶は思う。
力を持たぬ虫蝶のせめてもの知恵で得た翅は、大地から逃れ、鳥を惑わし、食を得られる唯一の武器。
失う事は、絶命も同義である。
久しく地を這うはなし蝶、懐き茎をよじ登る。
葉をよけて、辿り着くのは花弁の上。
さて、はなし蝶が蜜を吸おうと思うのか。
増してや飛ぼうと思うのか。
蝶はただただ踊って見せる。
やがて疲れて落っこちた。
また地を這うはなし蝶。
今度は何処へ参ろうか。
地を行く旅人に尋ねるか。
翅をもがれた蝶は思う。
力を持たぬ虫蝶のせめてもの知恵で得た翅は、大地から逃れ、鳥を惑わし、食を得られる唯一の武器。
失う事は、絶命も同義である。
久しく地を這うはなし蝶、懐き茎をよじ登る。
葉をよけて、辿り着くのは花弁の上。
さて、はなし蝶が蜜を吸おうと思うのか。
増してや飛ぼうと思うのか。
蝶はただただ踊って見せる。
やがて疲れて落っこちた。
また地を這うはなし蝶。
今度は何処へ参ろうか。
地を行く旅人に尋ねるか。
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