プロローグ
書きたくなったので書きました。
もう一つの方も更新続けるので安心してください。
―――――ベットで寝ていた俺は目を見開き、枕元に置いたスマホに飛び付き、スイッチをいれた
「―――――クソッ、またこの日か!」
太陽光がうっすらとカーテンから差し込む薄暗い部屋で、俺は自分のスマホを見ながら悪態をついた。
スマホのロック画面には、俺にとって忌々しい数字でしかない、2019年10月7日という日付が表示されていた。
この日付を見たのは何度目だろうか、正直覚えていないが、この日から次の日になったことは、俺の中では一度もない。
「クソッ、マジで最悪だ!」
髪の毛をかきむしりながら、俺はベットから出た。
いっそのこと異世界に転生させてくれた方がまだマシだ、とすら言ってしまいたい。
しかし、今まで一度も異世界転生したためしはない。
ホントにどうなっやがるんだよ!虐めだよ、こーゆーの!
俺は心の中でそう叫びながらさっさと制服に着替えた。
着替え終えると、二階にある俺の部屋から出て、一階のリビングへと降りた。
「おはよ~夏樹。朝御飯もうできてるわよ。」
「分かってるよ。」
「……因みに今日の朝御飯は―――――」
「目玉焼き、サラダ、玉ねぎの味噌汁!」
メニューの内容を全て知っている俺は、イタズラでもしそうなにやけ顔の母親の言葉を遮ってそう答えた。
「……えっ!何で分かるの!?」
「直感だよ!」
当然だが嘘である。だが、下手に話を長引かせるのも嫌なので、そこで無理矢理この話題を終わらせた。
「……アンタの直感って……素直に驚いたわ。」
「そりゃどうも。」
そう言いながら俺はリビングにある自分の椅子に座り、テレビをつけた。
朝食を俺の目の前の机に並べる母親を横目に、流れてくるニュースに目を通した。
『……女性議員は生産性が無いなどと発言した田中総理が、昨日、辞任することを表明し、本日正式な手続きのもと辞任しました―――――』
……うん知ってる。
俺の中では、コイツ何回問題発言して何回辞任すんねんってくらい辞任しまくってるぞ。
そろそろ可哀想だからやめてあげて。……って、無理な話か。
『……月産自動車が発表した新型自動車が、本日ついに発売となります―――――』
それも知ってる。
あれでしょ?自動運転のやつ。
自動運転自動車をもう一般向けに発表するとか、月産も大変ですね~。……まあ、本音じゃないしそんなこと一ミリも思ってないけどね。
ぶっちゃけこのニュース見たの何回目か覚えてないしな。それくらい見たわ。
もはや知りすぎたわというテレビのニュースを眺めながら、無造作に机の上にあった食べ物を食べた。
それを咀嚼しながら、この味……というか食べ物に慣れすぎたから、もっと別のもの食わせろとか言ったら母親はマジでキレるだろうなとか心の中で思ったりした。
『……ポケットがGOが配信開始から二年が経ちました。警察は、未だに減らないポケットがGOのプレイユーザーに、歩きスマホをすることのないようにと、注意を促しました―――――』
知ってるゾ。
ってかリリース直後から言ってるけど、『ポケットがGO』って名前何なの?ポケットがGOしちゃうの?そのまんまユーザーもあの世へGOしちゃうの?
……とまあそんなどうでもいいことを考えながら、朝食を食べ終え、俺は少し早いが学校へ向かう準備をした。
俺の家から学校へはそこまで遠くはないからそこまで焦る必要はないのだが、とある事情から俺はこんな早く(朝七時)に家を出なければいけないのだ。
……だが今はそんなことはぶっちゃけどうでもいい。
俺が今直面している事態からすれば、その程度の事情の一つや二つは無かったことにしても問題ないだろう。
そもそもなんで俺がこんなことに巻き込まれちまったのか、それは一週間以上前に遡ることになる。
その時から、俺の日常は崩壊しはじめたんだ―――――