英雄と呼ばれた男
とある国に生まれたその男は、天性の武芸の才能と魔法の才能のどちらも兼ね備え、さらにそれなりに努力することが大事だということも知っていたので、瞬く間にその国で頭角を現した。
彼の名はライナスという。
185センチの高身長にしまった体。ブロンドの髪をなびかせるイケメンの魔法剣士。それがライナス。
彼は生前、望むものは何でも手に入れることができた。名声、地位、金、女、そう、なんでもだ。何故なら彼にはそれに見合うだけの力があり、実績があり、頭も悪くなかった。
ちなみにその実績というのは、隣国からの侵略を退け、逆に隣国に攻め入り国の領土を広げた、というもの。まぁ、ありきたりである。
「ふん、つまらん世の中だ。」
映画栄達を極め、その国では上り詰めた!と思ったライナスは逆に冷めてしまう。何でも自分の思うようになってしまうことが逆にライナスにとってつまらないものとなっていった。
「では、この国の王になるというのはどうです?」
部下がそそのかすその声にライナスは耳を傾けてしまった。
「ふん。それも悪くないかもしれんな。あんな無能で老いぼれの老人より、俺のほうがよほど王にふさわしいだろう。」
ただ、傲慢になっていたライナスは用心深さというものを欠いてしまったようだ。
ライナスの企みは彼の部下に潜んでいた国王の密偵により国王にいち早く知らされ、そして国王は秘密裏にライナスを葬った。
毒殺である。
聞こえは悪いが、彼は幸せだったかもしれない。
ほんのわずかな時間の苦しみであっさりと死ねたのだから。
果たして、ライナスは目覚めた。
そう、パジャの森の中で神殿のガイドという怪しげな女性によって覚醒させられた。
「ここはどこだ?俺は確か死んだはずだが?」
「はい。あなた様は一度お亡くなりになりました。ただ、そのことでこの世界に転生することができました。」
「転生…か。なんと面妖な。それで、俺を転生させた目的はなんだ?」
「はい。あなたには都市を、国を作ってもらい、その王になってもらいます。そしてあなたと同じ境遇の者達を倒し、この世界の支配者として君臨してもらおうと思っています。」
「なに?王だと?」
これまで映画栄達を極めたライナスにとって、唯一成し遂げられなかったもの。それが王座。
目の前のこの女はライナスに王になれという。
逆にライナスは王というキーワード以外、何も興味がなかったしろくに話も聞かなかった。
町を作る、都市を作る、国を作る…などというのはライナスにとってどうでもよく、ただ自分が王になるというその一言のみに興味を示した。
「よかろう。やってやろうじゃないか。」
こうして、ライナスのこの世界での人生がスタートした。
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