幕間:ホワイトトルーパー試作機 第一号 その1
某スターウォーリアーズという超有名なSF映画。その適役として存在する圧倒的な存在感を放つキャラクター。その名はダーク・ベール卿。
シュコー、シュコー
と息が荒いのが特徴だ。
彼は常に黒光りする甲冑と、全身を覆えるマントに身を包み、その存在感を存分に発揮している。司令官的なポジションにいるはずなのに、何故か一パイロットのごとく戦闘機に乗り込んで最前線に出かけることもある。
撃墜されたらどうするのかと突っ込んでやりたい。
まぁ、ダーク・ベール卿の話は置いておき、わき役ではあるが、かの映画には白い甲冑で身を包んだ一般兵も登場する。名はホワイト・トルーパーという。その名の通り白い。
21世紀の地球における戦場からすれば、ただの良い的にしか思えない風体であるが、まぁ、映画だから良い的なのだろう。戦場で彼らが活躍している光景は中々お目にかかれないのだが、見た目だけは強そうではある。
「儂が!この儂がっ!ホワイト・トルーパーの歴史を変えてやるんじゃぁ!」
いや、君が頑張っても絶対にホワイト・トルーパーの歴史は変わらない。変えられるのは多大1人、原作者のみである。
という突込みはおいておき、彼、ことバティスタは懸命に鎚をふるい、丁寧に塗装する。新車のように光沢のある光を放つ、白い甲冑。
「きれいです…ああ、早く身に着けたいです。」
ミヨはその甲冑に見とれ、ため息をつき、トロンとした表情まで浮かべている。
カイトがそれを見れば「そんな鎧捨ててしまえ!」と心の奥底で叫ぶだろうが、幸いなことに彼はここにいない。
「じゃあ、ミヨ様、付与魔法を頼んだぞい?」
「任されました」
しゅたっ、と起立し、姿勢を正し、敬礼するミヨ。バティスタもそれに合わせて敬礼する。
「さて、最高かつ最強、それでいてエレガントで美しく、そして上品…そんな甲冑にするためにはどんな魔法を付与いたしましょうか。」
エレガントと上品は同じ意味合いだと思うが、本人がただ二度言いたいのだろうということで、この場ではあえて突っ込まないことにする。
「やはり、”物質強化”と”肉体強化”、それに”対物理攻撃軽減”、”対魔法攻撃軽減”は最低でも必要ですね。ああ、それでもやはり攻撃を受ければ鎧がへこんでしまうので…”自動修復”の魔法は必要でしょう。うん、そうですね。それに兜のゴーグル部分には”鑑定”の魔法もつけてしまいましょう。さらに遠くでもよく見えるように”千里眼”の魔法も付与して、ああ!視界が暗い場合はどうすればっ!?そうだ!”視界強化”の魔法でカバーできますね。うんうん、まずはこれで行きましょう!」
最初の部分の話を聞く限り、鎧の防御は期待できそうだ。へこんでも自動修復する鎧なんて最高だ。
ただ、思想的に中身の人間より鎧を大切にしているように思えるのはきっと気のせいなのだろう。
とりえあえず、考えた魔法を一つ一つ付与していく。ただ、ミヨ自身が使えない魔法はエルフの協力を得て付与していく。
かくして、試作品第一号が完成した。
「やったのぉ!」
「ええ、やりました!」
達成感に満ち溢れる二人。協力したエルフはというと、若干二人に引き気味。これを一体いくつ作る気なんだろう?自分たちは一体いつまで拘束されるのだろう?と不安に感じていた。
「さて、やはり作った以上、テストしなければならんのぉ。誰に着てもらうかのぉ。」
「そうですねぇ…」
ミヨとバティスタはテストパイロット?を探すべく周りを見やるが、そこにいるのはエルフのみ。なぜか自分たちが着るという選択肢はないようだ。
と、そこに顔を出した存在がいた。ビシスであった。
「随分と妹たちが連れていかれていると聞いていましたが…えっと何をなさっているのでしょうか、ミヨ様?」
どうやら様子を見に来たらしい。
だがタイミングが悪かったといわざるを得ない。
キラーン
ミヨとバティスタの眼が光り輝く。
と、同時にビシスはぞくりと悪寒が走った。
「なっ…なんですの?…」
「ビシス、この鎧を身に着けていただきたいのです。」
「えっ?これを?私が?…まぁ、よろしいですけど…」
「良し来たっ!じゃあ、わしらも手伝ってやるぞい。」
そういって、いそいそとビシスに鎧を装着させるミヨとバティスタ。
ただ、問題が一つあった。
「むっ、胸が入りませんわ…」
二人が肩を落としたのは言うまでもない。
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